高校倫理:社会契約説

倫理たんが社会契約説の概略をなぞってみました。分かりにくかったら申し訳ない。
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倫理たん @rinritan

社会契約説(自然権思想)についてやるときに抑えておきたいのが、ホッブズ・ロック・ルソーの三人ね。この3人がそれぞれどのような状態を「自然状態」とし、人々がどのように「社会契約」し、どのような「政治形態」をとること理想としたかをしっかり対応させて覚えてね♪

2010-08-28 11:18:40
倫理たん @rinritan

社会契約説を説明する為の用語から解説するわ。まず、「自然権」というのは人間が生まれながらに持っている権利のこと。「自然法」は、人間が理性から導き出した法のこと。「自然状態」とは国家や社会が成立していない状態。

2010-08-28 11:34:41
倫理たん @rinritan

そして、「社会契約」というのが、お互いの自然権を保証するために個人同士が契約を結んで自然状態から脱却すること。「社会契約説」というのが、「社会契約」することで社会(国家)が成立するという思想なのね。

2010-08-28 11:37:02
倫理たん @rinritan

まずは、自然権について。ホッブズはこれを「自己保存の権利」(自分が生きる為に必要なことをする権利)と、ロックは「自己保存の権利」と「所有権」(自分の労働で得たものを所有する権利)、そしてルソーはこれらを自然権とした上で、人間の「憐憫の情」(同情心)がこれらの意識を薄めると言ったの

2010-08-28 11:40:30
倫理たん @rinritan

つまり、ホッブズが、生きるために必要なことをして良い「自己保存の権利」、ロックはそれに、自ら労働して得たものを所有して良い「所有権」を加えて「自然権」と扱った上で、 ルソーは、人間には同情心というものがあるから、人間はその二つの権利を徹底的に主張することはないと思ったのね。

2010-08-28 11:43:33
倫理たん @rinritan

次に「自然状態」だけれど、ホッブズはこれを「戦争状態」と言ったわ。各々が「自己保存の権利」を主張し、自らが生き残るために争うということね。対して、ロックとルソーはこれを「自由で平等で幸福な状態」としたの。この二人の人間観は性善説的で、放っておいても平和になると考えたの。

2010-08-28 11:47:16
倫理たん @rinritan

人間は社会契約をすることで自然状態を脱すると考えられ、ホッブズは「自然権」=「自己保存の権利」が万人を「戦争状態」へ導くのだから、一人もしくは少数からなる組織に「自然権」を完全に譲渡して代わりに保証してもらう社会を理想としたの。「絶対君主制」ならば争いは生じないということね。

2010-08-28 11:52:53
倫理たん @rinritan

ロックとルソーの社会契約について説明するけれど、そもそもロックとルソーは「自然状態」を皆が幸福で平和な状態と定義していたはずよね?だったら、「自然状態」から脱する為の社会契約なんて必要ないと思わない?ここに視点をおいて、考えていきましょう。

2010-08-28 11:55:58
倫理たん @rinritan

ロックは、「自然状態」のままでは人間の「自然権」が確実に保証されるわけではない、と考えたの。何故なら、他人の自然権を犯した人間がいた時にそれを裁くシステムが存在しないから。だから彼は自然権の一部(事故保存の権利)を政府に信託して、政府に生きる権利を保障してもらおうと考えたの。

2010-08-28 12:00:47
倫理たん @rinritan

でも、ロックは「抵抗権」(所有権を政府が犯したときに抵抗する権利)と「革命権」(国家を打倒する権利)は政府に渡してはならないとしたの。政府が必ずしも人々の自然権を犯さないとは限らないからね。そして、ロックは社会契約後の政治形態を「間接民主制」であると主張したわ。

2010-08-28 12:05:31
倫理たん @rinritan

最後にルソーよ。彼は、人の「憐憫の情」が「自然権」の意識を薄めるとしたけれど、中には欲望が肥大化し、他人を支配する人が現れると考えたのね。そして、支配者は自らの権力や所有物を保証するために法を定めるの。これが「一回目の社会契約」よ。でも、ルソーはこれをもちろん不当と考えるわ。

2010-08-28 12:10:25
倫理たん @rinritan

だから、「二回目の社会契約」として、公共の利益を目指す「一般意思」に基づいて国家を作り政治を行わせることを主張したの。ただ、彼もロック同様に「抵抗権」と「革命権」は渡してはならないとしているわ。そして、ルソー的な社会契約後の政治形態は「直接民主制」であると考えたわ。

2010-08-28 12:14:09
倫理たん @rinritan

これが社会契約説の高校倫理での概略ね。どこか間違えてないか、少し不安だけれど大体においてこの解釈で合っていると思うわ。最後に少しまとめようかしらね。

2010-08-28 12:15:47
倫理たん @rinritan

社会契約説で抑えるべき人は三人。ホッブズ、ロック、ルソー。ホッブズは著書「リヴァイサン」の「自然状態は万人の万人に対する闘争である」の記述が有名。ロックは著書「統治論」と「市民政府二論」。ルソーは「社会契約論」「エミール」を抑えておけばいいかしらね。

2010-08-28 12:18:15
倫理たん @rinritan

ホッブズは「自己保存の権利」から「戦争状態」が生じるので、社会契約により「一人または少数からなる組織」に自然権を「完全譲渡」することで、君主に自然権を保証してもらう「絶対君主制」を説いたわ。

2010-08-28 12:20:06
倫理たん @rinritan

ロックは「自己保存の権利と所有権」からなる「幸福で平等な自然状態」を確実に維持するために、自然権の「一部」を政府に信託し、政府に自然権を保証してもらう「間接民主制」を唱えたわ。けれど、「抵抗権」と「革命権」は決して譲渡してはならないとも言っている。

2010-08-28 12:21:51
倫理たん @rinritan

ルソーは、「憐憫の情」によって薄められた所有欲が肥大化されることで形成される不平等社会を成立される支配者的な「一回目の社会契約」から、公共の利益を優先する「一般意思」に基づいた国家を「二回目の社会契約」により作り、人民が政治に直接参加する直接民主制が最終的な政治形態としたの。

2010-08-28 12:24:26
倫理たん @rinritan

そして、ルソーもホッブズと同じく、自然権を全て国家に譲渡するのではなくて、「抵抗権」と「革命権」は手元に残して置きなさいと言っているのね。

2010-08-28 12:25:17