@kenichiromogiによる英語についての連続ツイートまとめ

脳科学者茂木健一郎博士による英語学習のすすめ。英語学習法については@kenichiromogiによる英語学習法について連投まとめ+α http://togetter.com/li/41541 参照。 参考togetter @kenichiromogiによる「情熱」に関する連続ツイートまとめ http://togetter.com/li/42834 @kenichiromogiによる独学についての連続ツイートまとめ http://togetter.com/li/41534 @kenichiromogiによる勉強のやり方まとめ http://togetter.com/li/39736
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茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(1)英語は、「文法的に正しく話そう」と思うよりも、とにかく話すパッションが大切である。日本人が英語を話すことが苦手なのは、「正しく話す」という意識でがんじがらめになってしまっているからであろう。

2010-08-28 08:01:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(2)英語の発話に関する脳の自発性の回路を作動させるためには、「脱抑制」が必要である。抑制を外してしまえば、あとは言葉を自動的に生成してくれる。言葉を生成する自分の無意識の邪魔をしてはいけない。

2010-08-28 08:02:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(3)言語はオープン・システムであり、学習過程においては、知っている単語、知らない単語を含めて、一切制限があってはいけない。わかる領域と、わからない領域が、常に混在するかたちでよい。

2010-08-28 08:04:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(4)文科省の指導要領のように、中学で学ぶべき単語はこれだけと制約し、その範囲で英文を組み立てるのはナンセンスである。だからつまらない教材になる。

2010-08-28 08:04:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(5)母国語を習得する時、大人たちは単語数を制約などしてくれない。「この子はまだ5歳だから、今日は500単語の範囲で話そう」などと配慮してくれる大人がいるだろうか。最初から、無制限の単語の海に投げ込まれて、泳ぐことを学べば良いのである。

2010-08-28 08:05:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(6)単語の意味は、辞書的に天下りで与えられるのではいけない。脳の中で、その単語の用例の無数のエピソード記憶がたくわえられ、それらが「編集」されて、徐々に意味記憶が生み出されていくのである。

2010-08-28 08:06:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(7)たとえば、bookという単語は「=本」ではない。レストランを予約するのもbookであり、違反して切符を切られるのもbookである。そのような様々な用法を、できるだけ多くの用例に接して抽出することで初めてbookという単語の意味記憶が立ち上がっていく。

2010-08-28 08:08:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(8)「あたたかい」と「あつい」、「かわかす」と「ほす」の違いは無数の用例からニュアンスでつかむしかないように、英単語の意味も、辞書から演繹されるのではなく、無数の用例に接することで逆に脳内編集するしかないのである。

2010-08-28 08:09:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(9)英語をやる意味は何か? 英語という「文脈」の中で最も効率よく、先端的にやりとりされる情報があるからである。母語が英語の人たちだけでなく、世界のありとあらゆる背景の人たちが、「クリエイティヴ・クラス」としての最高のパフォーマンスを求めて英語の海に流れ込んできている。

2010-08-28 08:10:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(10)「次の時代のハーバード」とも言われるTEDのように、世界の最高、最先端の知性が集う「クラブ」がある。この「クラブ」に属するためには、所属も、肩書きも、地位も関係ない。ただ、ある資質を持っていれば良い。

2010-08-28 08:12:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(11)「クリエイティヴ・クラス」に属するためには、英語の能力が不可欠。たとえば、マイケル・サンデルのJusticeに関する議論に、英語でいきいきと参加できること。自国の文化について、英語で誇りをもって語れること。そのような日本人を、どれくらい輩出できるかに国の浮沈がかかる。

2010-08-28 08:13:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(12)日本は、ながらく、「翻訳文化」で来た。明治以降、西洋の概念を「自由」、「哲学」、「自然」などの「和製漢語」で移入してきた。中国で使われている社会科学の概念の7割は和製漢語だという。日本語の豊饒さは、私たちの誇りである。

2010-08-28 08:15:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(13)翻訳文化の優越は、日本人が英語で直接世界のクリエイティヴ・クラスとやりとりすることを妨げてもきた。翻訳自体は創造的な行為である。未だに、英語と日本語の間で流暢に翻訳ができるコンピュータ・プログラムはない。人手で翻訳をしなければならないことが、文化交流の速度を下げる。

2010-08-28 08:17:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(14)インターネットを通した「直接性の原理」が支配する世界において、日本人は、サッカーの選手がピッチを必死で疾走するように、英語を通して世界の指導的知性と直接やりとりする資質をぜひとも身につけなければならない。そのようになって、初めて日本の良さも世界に伝わるだろう。

2010-08-28 08:19:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(15)英語を習得するには、とにかく、大量に読み、書き、聴き、話すしかない。文法ドリルも、和文英訳も、英文和訳も必要ない。英語の海に自分を投げ込み、必死になって泳ぐしかない。そのような機会を、日本の学校英語教育は提供して来なかった。

2010-08-28 08:22:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(16)英語を重視するからと言って、外国に知性を流出させてはいけない。むしろ、日本を、英語を通しての知的付加価値の産出の一大センターにすること。ハーバードのような卓越性の中心を、日本につくること。そのような未来ヴィジョンこそが求められる。そして、必死に走れ!

2010-08-28 08:24:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、英語についての連続ツイートでした。

2010-08-28 08:24:15