メモ:「不意打ち良くないと思った」 事業者への配慮認める 更迭の規制庁前審議官:共同通信
②原子力規制庁前審議官による日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査報告書原案の漏えいは、東京電力福島第1原発事故で地に落ちた規制行政に対する国民の信頼回復への道をさらに険しいものにした。
2013-02-12 10:34:43④昨年9月に発足した規制庁は経済産業省、環境省、文部科学省などから職員を集めた寄り合い所帯で、更迭された名雪哲夫前審議官は文科省の出身。「(文科省は)3・11の時に前面に出なかったから、緊張感が足りないのでは」。旧経産省原子力安全・保安院出身の職員や、そうやゆする。
2013-02-12 10:35:06⑤名雪氏は国際原子力機関(IAEA)や旧原子力安全委員会事務局などでも勤務経験があるが、福島の事故後は、規制庁発足まで原子力とは直接関係のない民間企業に派遣されていた。
2013-02-12 10:35:18⑥日本原電幹部は、調査団による現地調査翌日の昨年12月3日、「調査のお礼」として初めて名雪氏を訪問。調査団が「2号機直下に活断層がある可能性が高い」との見解を示した12月10日以降は「事業者の意見を述べる機会を与えてほしい」と再三求め、面会は2か月弱の間に8回に上った。
2013-02-12 10:35:33⑦規制庁によると、名雪氏は、今年1月28日の有識者会合に日本原電が出席し、説明する場があると思い込んでいた。日本原電から「原案を見せてほしい」との強い要望を受けて、会合6日前に原案を手渡した。
2013-02-12 10:35:49⑧名雪氏は取材に「裁判でも事前に事実関係の確認はする。不意打ちは良くないと思った」と話した。しかし28日の会合に日本原電は呼ばれなかった。
2013-02-12 10:35:59⑨調査団長役の島崎邦彦委員長代理は「だんだん深みにはまっていって最後に一線を越えたように見える。おかしいと思った人はいなかったのか」と、名雪氏や周囲の対応を痛烈に批判した。
2013-02-12 10:36:11⑪原発の断層調査では、東北電力東通原発(青森県)の調査団も、敷地内の断層が活断層である可能性が高いとの見解を示した。新たに過酷事故対策を義務付けた原発の新安全基準の骨子もまとまり、独立性を掲げた規制委の活動が軌道に乗りつつあっただけに、今回の不祥事の痛手は計り知れない。
2013-02-12 10:36:35⑫「非があるとは思っていない」と居直る日本原電に、田中俊一委員長は「褒められたやり方ではないが、相当必死だったのだろう」と不快感を隠さない。
2013-02-12 10:36:44⑬規制庁幹部は「相手(事業者)はいろいろな人の生活がかかっている。そういうところを相手にしているということをしっかりと認識する必要がある」と気を引き締めた。
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