漫画原作者・喜多野土竜(mogura2001)氏「マンガ編集は欠点修正主義とは、相性が悪い気がする」

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まとめ 別冊少年マガジン班長 『ネームを直す際のポイント』 まとめました。 54460 pv 431 30 users 114
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

別冊少年マガジン班長 『ネームを直す際のポイント』http://t.co/W2dhH2yR どこが面白くないかを指摘する5段階の先に、 6)どこがその作家の良いところかわからない編集。 7)わかっても言語化できない編集。 8)言語化できても理由がわからない編集。(続く)

2013-02-15 16:09:08
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前) 9)理由がわかっても伸ばし方がわからない編集 10)伸ばし方がわかっても別のジャンルへの軸足のシフトを提案できない編集 11)その作家の自分でも気づいていない新しい可能性を引き出せる編集 の段階があるんじゃないかなぁ。別マガ編集長の発想って、作品は修正するモノだと?

2013-02-15 16:16:23
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)昨日の一連のツイートを読んだ人なら、原哲夫先生がバイク漫画から拳法漫画を経て、時代劇漫画に至る過程は、悪いところを修正するのではなく、作家の良い部分を活かしつつ、新しい可能性を広げて行く過程だったと、得心していただけるんじゃなかろうか。

2013-02-15 16:20:31

「昨日の一連のツイート」はこちら

喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)三宅隆太監督もタマフルでおしゃっていたが、悪いところって派手で目立つんですよ。それこそ、素人でも映画や漫画見たらつまらないとは言えるの。で、その素人考えの延長線上に、作品を修正するって発想が出る。でも、問題点を修正して、売れる作品の型に当てはめればいいってもんではない。

2013-02-15 16:24:54
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)『バクマン』読んでた読者なら、マガジンの発想とジャンプの発想の、根本的な違いにも気づくかな。読者の2割に受ければ連載は存続できるってジャンプの発想は、取り敢えずは読者全体に受ける必要はない、2割でいいから強烈に届かせろ、魂を揺さぶれという発想でもある。

2013-02-15 16:30:45
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)自分は中堅出版社の売れてない雑誌の編集でしかなかったけれど、重視していたのはアンケートの総得票ではなく1位票とファンレターの数。現実問題として、2位票や3位票を集めて上位に食い込む作家より、下位でも1位票を集める作家の方が単行本が売れ、伸びることが多かった。

2013-02-15 16:35:03
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)ファンレターも、出すのが趣味の人はともかく、普通は好きな作家でもそうそう出すもんじゃない。自分が魂を揺すぶられた気持ちを、なんとしても作家に知ってもらいたいと思うからファンレターを書く。そこが重要。長期連載の駄作もあれば10週打ち切りだけど長く語られる名作もあるのだ。

2013-02-15 16:38:21
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)んで、思うんですが。あくまでも一般論ですがと断った上で、マガジンの編集が欠点修正主義で作品を平たくするのに対して、ジャンプが良いところを伸ばして尖らせるのは、就職の際の試験の形態にも原因があるのかなぁと。講談社は理系の問題も大量に出題され、オールラウンダーである必要がある。

2013-02-15 16:43:02
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)集英社も一般教養は重視されてるけれど、それ以上に三題噺の出来が重視され、発想のユニークさを見る。前者は平均点が良く当たり外れが少ない人間が合格し、後者は発想がユニークだが当たり外れがある人間が合格する。平均点が良いタイプが作品に臨めば、赤点科目の克服から入るのは自然な流れ。

2013-02-15 16:46:46
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)どちらがいいとか悪いとかは、一概には言えない。総合出版社は分野ごとに求められる人材に違いが大きいから、ある程度オールラウンダーが必要。ただ、漫画というのは小説ともまた違う、創作に編集が踏み込む分野。欠点修正主義とは、相性が悪い気がすると、個人的には思うのです。

2013-02-15 16:50:15