村上隆による美大日本画科生に向けたツイートとそのツイートへの反応

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美術 アート 日本画 村上隆
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takashi murakami @takashipom
日本画連投:予告しておりました日本画について連投します。この連投は日本画を批判するのが目的ではなく、現在、美術大学に在学中の日本画科生への啓発が目的です。(1)
takashi murakami @takashipom
そして近い将来彼らとのディスカッションを行い、かつ展覧会等の制作を通して日本式の絵画制作の道筋を発見、実制作、そして鑑賞会等まで持って行ければと思います。(2)
takashi murakami @takashipom
さて、日本にいったい何人の日本画科生がいるのか?関東圏のメジャー美大だけでも芸大、多摩美、武さ美、女子美、あわせて1学年70人強。×4年で280人。それに大学院生を入れると約300人強の美大内日本画科生が存在しています。(3)
takashi murakami @takashipom
それに関西圏、地方都市の美術系大学を入れると、かるく500人の日本画科在籍美大生が日本全国にいるのです。ですが、今、この時点で日本画界からの新しい胎動は聞こえて来ておりません。(4)
takashi murakami @takashipom
学生達はそんな状況に疑問を持ちつつも、なぜ、どうして、今、自分の立っている場所、日本画科がおかしな状況になっているのか、分かっていません。それどころか、社会からの逆風に逆らって、カルト集団のように(5)
takashi murakami @takashipom
日本画という存在は今、立ち消えようとしています。それは必然的な動向です。 その前例を挙げてみましょう。洋画。これ、西洋の画、ということで、油絵を指し示すのですが、この洋画というジャンル、完全に消えました。もう10年ぐらい前でしょうか。(6)
takashi murakami @takashipom
洋画は現代美術というジャンルに変わってしまったのかもしれませんが、そもそ ものネーミングに消える必然が組み込まれていました。つまり、日本国の国内において、相対化した時に油絵は西洋から輸入された技術的な部分にのみ言及されていたからです。(7)
takashi murakami @takashipom
それと同じように日本画とは、西洋からの輸入された絵画形式と相対化した意味において日本画と言う立ち居地を確保していたはずですが、その洋画が無くなってしまった今、日本画の存在意義は無くなってしまいました。(8)
takashi murakami @takashipom
しかし美術大学には日本画科という科が存在します。もちろん油絵科という科も 存在し、それらは疑問視もされずに美術大学内にどっかと腰を下ろしています。既に死に体の科。そこに存在する教育に現代に即応する必然があるはずがありません。(9)
takashi murakami @takashipom
なので、日本画科に厳しい受験トレーニングを経て合格した学生は、アィデェン ティティロストな状態で、自己肯定を行わねばならないため、着床地を探し、さまよいます。さまよいながらも状況への不満のみを募らせ、自力解決への模索はしていないようです。(10)
takashi murakami @takashipom
模索をしない学生へあれこれ言っても始まらないのかもしれないが、わかりやすい道筋を示す事で一気に光が差し込むかもしれません。(11)
takashi murakami @takashipom
なぜなら、辻 惟雄氏の提唱した「奇想の系譜」への評価が、新たな局面を迎え、伊藤若冲の大ブームから着火して、日本的な絵画はここ10年、大ブームとなっています。(12)
takashi murakami @takashipom
その見所は何かと言えば、表層的に「テクニック」に集中しておりますが、明らかに、題材によるところが大きい。アニミズムに根ざした動植物への愛情や、仏教や死生観に裏付けられたファンタジー的な物語世界の図説としての作品は、突っ込みどころ満載です。(13)
takashi murakami @takashipom
また、現在、千葉市立美術館で開催中の「田中一村」等の赤貧に喘ぎ、日本画の主流=日展等の公募展に背を向けた作家の生き方、そして、奄美大島を舞台にしたこれまたアミニズム的な世界観も現代の日本人を惹き付けて止まないでしょう。(14)
takashi murakami @takashipom
そうした画題の発見が全くなされていない理由には、美大の日本画科内に起こっている教育テーマ設定の怠慢が挙げられます。30年間もバカの一つ覚えで、「スケッチ」を基本に据えようと言うそのコンセプトがおかしい。(15)
takashi murakami @takashipom
そもそも、日本の絵画史を見れば明らかなように、実物を写真のようにスケッチしたりする歴史は、西欧の描法が輸入されてからであり、そもそもが先達の残した絵画のフォームを盗み、進化発展させるという部分にあったのです。(16)
takashi murakami @takashipom
つまり、西洋画に相対化され「実物を写真のように描写する」というテクニックになぎ倒された日本式の絵画制作方法は、そのコンプレックスを覆い隠すために、実物描写=正義=命!という論法が強化されたのです。(17)
takashi murakami @takashipom
西洋画に相対化されて産まれた鬼子、日本画はそのネーミングにより国威高揚時の戦時中には芸術界の頂点にそのネーミング故、居座れましたが、敗戦後、すぐに「日本画滅亡論」が勃発しました。(18)
takashi murakami @takashipom
しかし、皮肉なもので、戦後の日本画の隆盛は、この「日本画滅亡論」によって勃興したのです。作家のカウンター的な頑張りと、滅亡させてなるものか、というサポート体制の充実がまずは日本画の息を吹き返らせました。(19)
takashi murakami @takashipom
そこに平山郁夫、東山魁夷らの仏教とのストーリーの融和的、アクションが加わり、寺への寄付、その寺への観光、寺そのもののブランドとの融合によるデパート展の大成功が日本画を殺さなかった原動力となったのです。(20)
takashi murakami @takashipom
しかし、それらフラッグシップな作家も亡くなり、そんな中、方向性を無くした若手日本画家達は現代美術の表層的な吸収を試み、アイデェンティティの混乱を誘発し、観客を惹き付けられずに、頓挫。(21)
takashi murakami @takashipom
一方、公募展に参加している日本画家達も、1970年代頃のテーマ設定から脱却出来ず、現代の日本絵画の必然的な立ち居地をあえて忘却させ、学校内ヒエラルキーを延長させた日本画マーケットに寄り添って生きている。(22)
takashi murakami @takashipom
そのヒエラルキーもフラッグシップ作家の消失によって、瓦解。金銭的な求心力も一気に失った。そして、日本画の学生への教育の怠慢が重なって若い日本画家も全く育てられずに、日本画界は壊死しているのです。(23)
takashi murakami @takashipom
しかし、そう言う時期だからこそ、日本画科にいる学生さん達への教育の見直しを行い、名前の存続を優先順位の下位に据えて、日本的な絵画って何だろう、を主軸とした勉強会と発表会を行うことが急務と思います。(24)
takashi murakami @takashipom
で、このツイッターでの機能を使って、日本画の未来への討議を行いたいと思うのです。既得権益的なマーケットもぼんやり存在しているでしょうから、その辺からの逆風も予想出来ます。政治的な突っ込みも入るでしょう。(25)
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コメント

へぼやま @heboya 2010年8月30日
一昨年あたりに何の予備知識もなく加山又造展観に行ったら面白かった。
lastline@VRオバケ @lastline 2010年8月30日
東京芸術大学における日本画科初の博士号修得者を鑑みると面白い。別に、日本画科があっても問題ないと思う。要は、技術や見方を学ぶ題材としての日本画で、その後どうするかは学生の問題でしょと
Matsuki *** @liliput 2010年8月30日
日本画そのものはどうか知らんが、日本画出身の画家さんは元気だなと思うよ。今後に期待。
モフるごとにひとつ忘却する @aiko_ushe 2010年8月30日
これまでみんな悶々としてたのに放置されてきたもんな。教育を切り口にするのはなるほどと思った。切り口というか、突破口なのかも知れないけど。日本画を学び、世に出て行く人たちが、日本画界をつくってくわけだし。
ナマエ @tuittanonamae 2010年8月30日
日本画が変わるというのではなく「日本画」の括りを広げるというだけのような? 滅びる滅びると言われても、この人の言っている方法では「日本画」の中身が入れ替わるだけで 結局もともとの日本画は滅びてしまうんじゃないでしょうか? 名だけが残って山河が滅びる、というのでは意味がありません。
恵比寿時々天王洲&新橋 @an_kei 2010年9月2日
某美術館の常設展示にある日本画コーナーは、岡倉天心の像が入り口にあって、とても権威的で違和感を感じますが、実際に鑑賞すると面白いんですよね。現代人に理解できる新しい“日本画”ってのを観せて欲しいと思います。
takashi murakami @takashipom 2011年1月24日
おお、実はこっちがメインだったな。みなさん、こっちです。
takashi murakami @takashipom 2011年1月24日
しかし、これだけ下落したブランドネーム、「日本」を冠にせねば構築出来ない芸術のジャンル「日本画」ってなによ、と思う。ブランディングのメカニズムと国民の体力の相関関係として、今、日本画には分が薄い。しかし、バブル時の「ゆめよもう一度」が業界のどこかにあって、ギャンブル中毒のように「いや、まだまだ」とおもいたい共同体があると思われる。
takashi murakami @takashipom 2011年1月24日
とにかく、日本画に関して、2010年の宿題でしたので2011年、勝負して行きます。
SHISEI KINOSHITA @shiseiology007 2011年1月24日
★ 《中国画》 《韓国画》(朝鮮画)の現在、はどうだろうか!?  『日本画』はそれて関係あるのか、無いのか?  たぶん、ありそうで無いな。。d(^_^o)  西洋画とか東洋画ってどうよ・・・
SHISEI KINOSHITA @shiseiology007 2011年1月24日
★ 【油画科】から、あるいはもっとゆるい“デザイン科画”からの、『日本画』的メンタリティへのアプローチってのもある。 それが現代美術の衣をまとってたりするんで、それを暴いて見る眼を持つ意識。。d(^_^o)
SHISEI KINOSHITA @shiseiology007 2011年1月24日
★・・・のような問題は、とっくの昔に語られてたようですね(泣)  ではあらためてm(_ _)m
@katahiratomoha 2011年1月25日
日本画学生です。今の大学での日本画科での授業の内容や方向性では、クラスが25人だとして、大学院や博士課程卒業後1~3人ほどしか絵を職業に生活することは出来ないように思う。そして十年、二十年後は1人いるかいないかだと思う。というか今のままでは十数年・二十年後、公募展が衰退・消滅した頃に0になるだろう。そうして日本画は名前だけの過去の遺物だったのだと皆やっと気づくのだと思う。
@katahiratomoha 2011年1月25日
しかし学生は確実に基礎は出来ている優秀な人材なのだ、方向性さえ定め海外をも視野に納めた作品制作が出来れば、かなりの学生が絵で職を得て生活することが出来ると考えています。傾向と対策を練りに練って戦うことは受験ですでに体験済み、仕組みさえあればその基礎が出来た人材を無駄にしなくてすむ。みすみす消える人材を有効活用しようというのが村上さんの思っている事なのでは。。。
@katahiratomoha 2011年1月25日
それは村上さんにも僕ら学生にとっても、日本にとっても利のある事。なにかプロジェクトやるのであれば参加させて頂きたいです。もちろんそれをただ待って、なにもしないわけではありませんが。
@katahiratomoha 2011年1月25日
てか既にUSTで日本画の学生にどうしたらいいかまで語られていたんですね。今日知りました、はずかしい。。
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