結城浩さん「現代では各個人も『私はこういう価値観で生きている』という言葉が必要ではないか」

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

会社はたいてい耳に心地よく心に響く社是やスローガンやクレドを備えているものですが、現代では各個人もそういう「私はこういう価値観で生きている」という言葉が必要ではないかと思います。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

なぜかというと、現代という時代は「会社」という枠組みがちょっぴり緩んでいて、特に能力が高い人ほど「個人のあり方」によって仕事を進めていますよね。まあハヤリの言葉でいえばモナドですけど（いささか濫用されすぎてますが）。

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s/モナド/ノマド/ https://t.co/eGbs2DI9

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まとめていただきました。感謝。途中にあるモナドはモナコです。違う違う、ノマドです。 / “結城浩さん「現代では各個人も『私はこういう価値観で生きている』という言葉が必要ではないか」 - Togetter” http://t.co/dRTvfyUL

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

ともかく、個人ひとりひとりが「私は何に重きをおいて生きているのか」ということを言葉にしておいたほうがよさげな時代と感じます。というのは、万人に共通の価値観、万人に共通のライフプランというのが描きにくい時代だからです。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

だから、個々人が、人に頼ることなく「私はこういうつもりで生きている」「私はこういうことに価値をおいて生きている」というのをはっきり自覚した方が生きやすいかも、と思うのです。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

はいはい、抽象的には「価値観の多様化」という言葉に象徴されるようなことですね。でも大事なのはひとりひとりが自分の言葉として「ほかならぬ私はどうか」と表現することだと思います。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

ある人は「お金だ」という。ある人は「友人・家族だ」という。ある人は「真理の探究だ」という。ある人は「社会奉仕だ」という。何でもいい。ひとり、心静かに「私は何を大切だと思って生きるのだろう」と考えることは無意味ではない。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

いつもキャラキャラと遊んでいる浅いつきあいの友達の前では言いにくい話題かもしれない。「おい、そんな暗いこといってんじゃねーよ」とかいわれちゃうかもしれないから。でも、大切なこと。「ほかならぬ私は何が大事なんだろう」と思うこと。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

その腹が決まってないと、ふらふらしちゃう。同期のあいつはあんなことできるのに、自分はできない。こないだ知り合ったあいつは同世代なのに、おれよりも…。こんどつきあい始めた彼女はじぶんよりも…。なんてね。心ゆさぶられること限りなし。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

ちょっと待てよ、と。自分は何を大事だと思っているんだっけ、と。自分の能力は、完全ではないけれど、けっこうわかっている。これはできる。これはできない。あれは得意、こっちは不得意。これからはあの方向に自分を伸ばしたい。そういうことを無意識のうちに考えている。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

腹が座ってないと、どうしても揺さぶられる。五年、十年たって振り返って見たときにつらい。五年前、十年前「おれは、アノコトが大事だと気づいていたのに、自分に必要だと思っていたのに、なぜそこに力を注がなかったのか」これはかなりつらい。（まあ、年配の人は誰しも同じ経験がありますが）

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

だから、（特に若い人は）自分のことをきちんと考える時間を持つことが重要だと思う。自分の価値観。自分の世界観。本音のところはどうなのか。自分のコアはどこにあるのか。心静かに思う時間がぜったい必要です。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

結城がすごく悩んだのは、ちょうどいまの奥さんとつきあい始めてから結婚する前後のあたり。奥さんはクリスチャンだったから、まっすぐに私に聞く。「あなたは人生で何を大切だと思いますか」そして「あなたはどんな人生を歩みたいと思っていますか」。直球勝負である。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

二十代のオトコノコがそんなまっすぐな問いに答えられるわけもないので、真剣に考えましたとも。だって自分の奥さんになるかもしれないオンナノコに答えなくてはいけないのだから。自分のありったけの力を使って、言葉をかき集めてこたえようとするわけです。必死です。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

一生懸命勉強もしました。一生懸命本も読みました。たくさんたくさん手紙を書きました。遠距離恋愛だったので、何度も会いに行きました。人生の勝負どころはここだ、と思いました。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

さいわい、奥さんのおめがねにかなって、めでたく結婚することができました。いまでも感謝しています。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

男性は、女性の一言で成長します。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

以上、ふと思いだしたので結城の自分語りでした。てへ。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

ええい、いきおいがついたからもう少し書く。あのね、「素直さ」は大事です。中学高校から大学にかけて、自分の位置決めができない時代はどうしても突っ張ってしまう。表面的にはそれでもいいけれど、素直さはとても重要。ほんとに重要です。言われたことをそのまま実行するような素直さという意味。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

そういう意味では「憧れ」が鍵になるのかも。尊敬する人がいるかどうか。頼りになる先輩がいるかどうか。ああいう人になりたいというロールモデルのような先生がいるかどうか。憧れ。それは大事ですよね。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

本来なら親がその役割を果たすべきなのかもしれないけれど、難しいところもある。世の政治家（王、ですよ）にその役目を負わせるも難しい（マスコミが足をひっぱるしね）。（ある意味悲しいことに）最高のあこがれはアイドルになっている。