【CEDEC 2010 参加者へ】 CEDEC 2010 で 囲碁AI をマスターしよう

CEDEC 2010 http://cedec.cesa.or.jp/2010/ では、囲碁AI を勉強できる機会を設けています。 (CEDEC 2010 には、参加申し込みが必要です) 続きを読む
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

CEDEC 2010 では「囲碁AI」について3つの取り組みがあります。まず (1) 囲碁教室 (2) 囲碁プログラミングコンテスト (2) 囲碁プログラミング決勝戦解説(3日目午後)です。まず、なぜ、CEDEC 2010 で囲碁 AI なのか、という趣旨から解説したいと思います

2010-08-31 06:39:27
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

「囲碁AI」は、コンシューマーゲームのアクションゲームとは、大きく違う点があります。既に空間が仕切られていること、次にターン制であることです。専門的に言えば、世界表現が既に与えられており、リアルタイムではない、ということです。

2010-08-31 06:41:04
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

つまり、囲碁AIは、アクションゲームのAIが縮退した(還元された、簡易化された)典型と見ることが出来ます。つまり、逆に、囲碁AIを基礎として、アクションゲームを見直すことができるということです。

2010-08-31 06:41:50
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

例えば、KILLZONE のAIは、戦場をチェス版に見なして、碁盤の目にマップを切る代わりに、ウェイポイントを置いて、その各ポイントの位置評価関数を計算することで、最適なNPCの配置を決定しています。

2010-08-31 06:43:08
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

また、囲碁などボードゲームでは影響マップ(Influence map)という考え方があります。それは、ある場所が、どちらがの側の影響下にあるかを、味方の駒や石がどれだけたくさん近くにあるかで計算します。

2010-08-31 06:44:25
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

この影響マップの方法は、例えば KILLZONE 2 や BATTLE FIELD で、敵、味方勢力の範囲を決定するために使用されています。

2010-08-31 06:45:08
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

これらは代表的な例ですが、囲碁やチェスなど、ボードゲームのAIというものは、一つ目に「位置に対する鋭敏製」、次に、「離散的な手の決定」という2つのポイントに機能が集約されたAIと見ることが出来ます。

2010-08-31 06:47:13
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

普段のアクションゲームでは、これらを含めて、たくさんのことをしなければなりませんから、囲碁AIは、「位置と最善の意思決定」という、二つのポイントを集中的に研究する、よい典型となっています。世界表現も単純ですから、AIの思考部分に特化して考えることができるのです。

2010-08-31 06:48:21
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ゲーム開発者は、この囲碁AIに対して、特に、研究でやっているように、最強のAIを目指すという方向を必ずしも目指す必要はありません。普段、AIに対して、こういう実装がしたい、こういうアイデアがある、というのを、実験的に試してみる場として利用することが出来ます。

2010-08-31 06:49:43
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

逆に囲碁AIから、アクションゲームに対するアイデアを発想してもよいのです。

2010-08-31 06:49:54
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

このように、囲碁AIという題材は、コンシューマーゲームのAIを考える場合のテストベッドや、さらにAI分野で研究されて来た知識や技術を、囲碁AIというジャンルを通して吸収するために良い窓口となっているのです。

2010-08-31 06:51:16
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

CECEC 2010 では、開発者、特に囲碁の前提知識のないプログラマーに対しても、囲碁AIについて研究できる最初の地点まで導く、という目的を持っています。

2010-08-31 06:52:24
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

まず、ルールを覚えるために、CEDEC 2010 の会場では、常時、囲碁のルールを覚えるためのブースが3日間開かれています。15分もかかりません。是非、CEDEC 2010 に来たら、お立ち寄りください。

2010-08-31 06:53:33
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

同会場では、事前に募集した囲碁プログラムの選手権も行われています。モニターで、15組ほどのプログラム同士の体験を見ることが出来、プロの棋士によるコメントや解説があります。

2010-08-31 06:54:33
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

最後に、3日目に、優秀なプログラムを集めたトーナメント戦が行われ、ここでもプロ棋士による解説があります 【PG】 超速碁九路盤囲碁AI対決決勝 http://cedec.cesa.or.jp/2010/program/PG/C10_I0012.html #cedec2010

2010-08-31 06:56:01
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

CEDEC2010 の受講の合間を縫って、入門講座を受け、プログラムの対戦を見、決勝戦の優秀なプログラム同士の合戦と解説を見ることで、囲碁AIを開発・研究する最初の地点まで来ることができます。それは、これからのAI開発・研究を行うときに新しい幅と知識を開発者にもたらすことでしょう

2010-08-31 06:58:18
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

僕も時々、ブースにおりますので、是非、いらしてください。失礼します。

2010-08-31 06:58:47