愛媛新聞連載　「北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①　脱化石燃料　世界初利用ゼロ掲げ」　２０１３年２月２４日

しまなみ @shimanamis

【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①　脱化石燃料　世界初利用ゼロ掲げ１：　「今日生まれた子どもは私たちが今決める政策の恩恵、そして被害を受ける。私たち政治家の使命は子どもたちにできるだけ確かな未来を約束することだ」

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-2　 デンマークの首都コペンハーゲンにある国際報道センター。マーティン・リデゴー気象変動・エネルギー・建設担当相は、滑らかな語り口で、２０１１年２月に政府決定した「エネルギー戦略２０５０」を説明し始めた。

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-3　石油、石炭、天然ガスに依存するエネルギー供給を見直し、５０年までに化石燃料を一切使わない社会にする―。化石燃料の利用削減を目指す国は多くあれども、ゼロを掲げる国は世界初だ。

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-4　１１年時点で同国がエネルギー供給で使う化石燃料の割合は、石油３８％、天然ガス２０％、石炭１８％の計７６％。これを約４０年で風力発電やバイオマスといった再生可能エネルギーに置き換えるというのだから、にわかには信じだがたい。

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-5　しかし環境問題のシンクタンク代表などを経て政界入りしたリデゴー担当相は「可能だ」と言い切る。

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【愛媛】北欧エネルギー事情第２部　自然を生かす①-6　自信の源は、デンマークがこれまで積み上げてきた実績。エネルギーや農業、環境関連などの民間企業で造る政府系ＮＰＯ「ステート・オブ・グリーン」のイバ・ニールセン広報責任者は「きっかけは１９７３年の石油危機だった」と歴史をひもとく。

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-6　当時のデンマークはエネルギーの９割以上を石油に依存。日本の８割弱をも上回り、休日の車の運転を法律で禁止するほどの混乱に直面した。「ここから、より長期的な視野に立って脱化石燃料を考え始めた」という。

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-7　産業活動や日常生活では、効率的なエネルギー利用を推進。８０年に比べ、２００７年時点の国内総生産は７８％も伸びたが、エネルギー消費は７％増にとどまり、経済成長と省エネの両立をさせてきた。

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【愛媛】北欧エネルギー事情第２部　自然を生かす①-8　需要の抑制ばかりではない。供給面では日本を約３０年先取りする１９８４年に風力発電の固定価格買い取り制度を導入し、再生可能エネルギーの普及に注力。２０１１年には供給全体の２３％を担うまでになり、３％の日本とは彼我の違いを見せる。

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-9　戦略策定を決断させた背景には地球温暖化対策とエネルギー自給向上という二つの要因があったと、リデゴー担当相は説く。「気候変動に対する行動は今起こさないといけない。化石燃料の価格変動にもこれ以上左右されたくない」

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【愛媛新聞】北欧エネルギー事情　第２部　自然を生かす①-10　一通りの説明が終わってもなお懐疑的な表情を浮かべる日本の報道陣に向かって、リデゴー担当相はこう語った。「デンマーク人は壮大な計画を考えるのが上手い国民ではある。だが、単に夢物語で言っているバカではない」　（加藤太啓）