






http://icrp-tsushin.jp/files/dialogue-5.pdf
第5回福島原発事故による長期影響地域の生活回復のためのダイアログセミナー
帰還 ―かえるのか、とどまるのか―
2013年3月2、3日(土・日)
伊達市保原市民センター(024-575-4166, http://9199.jp/phone_page/06971137/)
発起人:国際放射線防護委員会(ICRP)
協力と援助:伊達市、放射線安全フォーラム、福島のエートス、福島県立医科大学、ベラルーシ緊急事態省チェルノブィル部、経済協力開発機構・放射線防護公衆衛生委員会、フランス放射線防護・核安全研究所、ノルウエー放射線防護局、フランス原子力安全局
同時通訳:ディプロマット社(平野加奈江、町田公代)
経過と目的
国際放射線防護委員会(ICRP)は、長期汚染地域居住地域住民の防護に関する勧告において、汚染地域の住民と専門家が状況の対応に直接関与することが効果的であること、および国や地域の行政は地域住民が自ら決定しうる状況を作りだし、その手段を提供する責任があることを強調している。この観点に基づき、ICRP は、2011 年秋に会合を開催し、福島県の代表、専門家、地域住民の方々、およびチェルノブィル事故について経験を有するベラルーシ、ノルウエー、フランスの関係団体からの代表などが、福島原発事故の影響をうけた地域の長期の回復に対する挑戦についてその方策をさぐるためのダイアログセミナーを行った。
第一回のダイアログセミナーは、2011 年 11 月 26 日と 27 日の両日にわたり、福島県庁の会議室で開催された。ここで参加者は、安全な生活条件と高い品質の作物の生産、そして外部地域との連帯を介した地域コミュニティーの再生の重要性を確認した。さらに参加者は、人々が事故の状況を理解しさらに評価することを通じて影響をうけた地域での生活からうける放射線被曝を低減するために必要な放射線防護の文化を醸成することの重要性を確認した。
第二回の伊達ダイアログセミナーは、2012 年 2 月 25 日と 26 日の両日にわたり、伊達市保原市民センターと保原スカイパレスで開催された。この会合の目的は、福島の放射線の状況の改善について討論し、その障害になる問題点を明らかにし、市民の生活を改善する道をさぐることであった。参加者は、人々の心の問題、とりわけ住民が尊厳を保ちうることの重要性、そして地域、国内、国際を通じた連帯を強調した。参加者は、住民がどこでどのように被ばくしたかなどを人々が知るため、放射線の状況についてさらに詳細な情報を必要としていることを、認識した。
第三回ダイアログセミナーでは、2012 年夏の始めにおける放射線状況を論じ、これを改善するためにステークホールダーの方々の最近の経験の共有に努めた。とりわけ困難な問題である食品の汚染について、その複雑な状況を理解し、異なる、また時には対立する利害関係をもつステークホールダーとともに、状況改善の道を探った。
第四回ダイアログセミナーは、これまで 3 回のダイアログを通して得られた状況判断を踏まえて、地域の次代をになう子供の教育を取り上げる。二日にわたる会合では、まずノルウエーとベラルーシにおけるチェルノブイル事故の教訓を共有する。そして事故以来 1 年半にわたって続けられてきた福島の教育現場でのいろいろな取組みについて知識を共有する。ついでこれらを踏まえて、対話を通じて問題点の発掘を行い、今後の福島での教育の方向を探る。
第五回ダイアログセミナーでは、「帰還」を取り上げる。帰還についての決断は、単に放射線の状況のみではなく、長期汚染をこうむった地域における生活の全ての状況を考慮して行われる。この問題には、帰還または帰らない、地域に留まるまたは地域を離れる、の複数の選択肢がある一方で、どの選択肢にも困難が伴う。また、決めかねている間に、状況は刻々と変化していく。この複雑で困難な問題について、幅広い関係者、組織、住民、教師、医師、行政、チェルノブイル経験者が一堂に会し、立場の違いを越えて、汚染地域の困難な状況に前向きに立ち向かうために共有すべき、また共有しうる価値をさぐる。
会合の進め方
同時通訳:英語と日本語の同時通訳をイヤホーンで聞くことができます。
2種類のセッション
午前のセッション:共有すべき事実関係についての発表です。
午後のセッション:食品についての関係者の対話を行います。
会合関連サイト
ICRP 通信:http://icrp-tsushin.jp/
福島のエートス:http://ethos-fukushima.blogspot.jp/