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山本七平bot @yamamoto7hei
①【表現の本質】前に曽野綾子さんが、ある会合で次のように言われた。 「本当に無農薬野菜ってあるんでしょうか。 私は本当に無農薬栽培をやってみたのですが、みんな虫に食われてしまいました。 虫食いのない無農薬野薬って本当にあるんでしょうか」<『これからの日本人』
山本七平bot @yamamoto7hei
②その席にいた農薬の専門家が言った。 「大きな畑のまんなかなら、全く農薬なしで野菜をつくることができます。 それは周囲の畑にはみな農薬が散布されているので、その畑に虫が来ることを間接的に防いでいるわけです。
山本七平bot @yamamoto7hei
③もちろん、その畑も全く無農薬というわけではないでしょうが、直接的には農薬を使用していないと言えるわけです。 直接的に農薬は使用しておりません、という意味なら、『無農薬』の表示は虚偽ではないわけです。
山本七平bot @yamamoto7hei
④そしてそれが高価に売れるなら、商売としてはなかなか利口なやり方です。 農薬は買わずにすみ、取れた野菜は高く売れますから……」 ということであった。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑤最近、原発反対で一年間「電気なし」で生活した人の記事が新聞に出た。 「電気なし」で生活することは各人の自由なのだが「新聞に出る」とは、「無農薬野菜」のような表示ではないかと思った。 というのは彼は水道も下水も使っているであろう。 それが自由に使えるのは電気があるからである。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑥もちろん電車も使うであろう。衣服も靴も用いるであろう、銀行預金もあるのであろう。さらに日々、生鮮食品を購入しており、さらに米を食べているであろう。また紙も使っているに相違ない。 そしてこれらの製品には、すべて電気が用いられている。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑦いわば彼の「電気なしの生活」は「無農薬野菜」のようなもので、直接的に使用しなかったという意味では決して嘘ではない。 しかしそれが可能なのは、彼の周囲がことごとく電気を使っているからであった。 その意味では決して「無電気生活」とは言えないのである。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑧ただそれが新聞に報じられて、世の人々に電気のない生活が可能な様な錯覚を与えたのなら”農薬野菜”と同じ様に少々問題であろう。 昔の日本人はこういう行為を「茶番」といって全く評価しなかったが、さて現在ではどの様な評価を受けているのであろうか。 私はむしろそちらの方に関心がある。

コメント

straysheep@職場復帰 @sheepfactry 2013年7月14日
電気料金1000円切りと言う方を知っているが、使われている「太陽光発電」「直流型LEDランプ」「移動販売用車両」等の製造には大電力が使われていて、全く電気無しでの生活をしている訳では無いんだよね(´・ω・`)
パナマ某 @panamabou 2013年7月14日
社会生活のどこかに電気が使われている以上、完全に電力に頼らない生活ってのは、電力含めて自給自足でもしない限りは無理なわけで…
伊都之尾羽張◆ @itunowohabari 2014年5月4日
たまにTV特集などで、この「電力に頼らない生活」とか「自給自足で生活する家族」を紹介したりするけど、実際のところ近代社会が一定水準にあるから、その『隙間での生活』が成立しているに過ぎないと理解できる。
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