第三回 twitter小説大賞 応募作（未満）

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 彼女はちょっとドジな所がある。歯磨き粉で洗顔してみたり、シャンプーで身体を洗ってみたり、コーヒーに塩を入れ、俺の事を「お父さん」と呼んでみたり。だから今彼女が言った「ワカレマショウ」もきっと何かと言い間違ったんだと思うんだが、どうして彼女は泣いているのだろう？

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 「右と左、どっちにする？」彼女は左右の手を握りこぶしにして私に聞く。「……左」と言うや彼女の左こぶしが真っ直ぐ飛んで来た。ガンッ！痛みに耐える間もなく続けざまに右ストレートが炸裂。「どっちか選んだじゃないか」「浮気者のあんたにどちらか選ぶ権利なんて無いわよ！」

あＱ （CTT) @aquall

「好き」だけじゃ足りない。「愛してる」だけじゃ伝えきれない。そんなラブソングが多いけれど、いっそ「好き」の10乗分、「愛してる」1万回分に該当する言葉を作ってしまったらどうだろう？とボクが言うと、彼女はボクにキスをした。その目は「言葉じゃないのよ」と語っていた。 #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 最後に残った配線は赤と青の二本、どちらか正しい方を切ればこの爆弾は停止する。覚悟を決め、赤を、切る。一瞬の静寂とこぼれた安堵の息。残されたのは切れた赤い糸。爆発寸前だった彼女の不満爆弾は、二人を繋ぐ赤い糸を切る事で不発に終わったが、彼女は僕の前から去って行った。

あＱ （CTT) @aquall

『中央線車内、右隣でツイッターやってる娘がちょーカワイイ』そんなRTがTLに流れてきた。どうやらすごい勢いで拡散しているようだ。奇遇にも俺も今まさに中央線。ふと右隣を見るとスマホを手にした女性が顔を赤らめこちらを見ていた。いや、違う、違うけれど、キミ可愛いね。 #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

彼女のカレーは甘い。「辛いのが苦手なの」と彼女は甘口のカレーを作る。ニンジンは細かく刻み、タマネギを極限まで炒め、隠し味の果物は隠れていない。彼女の愛情たっぷりカレーは福神漬けよりも甘い。そんなカレーを文句も言わず残さず食べるボクは、そのカレーよりも彼女に甘い。 #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

僕が書いた小説を彼女が読んでいる。「私の評価は厳しいわよ」と最初は無表情に読み始めた彼女だったが、時折くすりと笑みをこぼしては、僕をチラリと見てまた続きを読み進める。でも実はこの小説には終章がない。この先は二人で物語を紡ぎませんか？というコレは僕からのプロポーズ。#twnovel

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 毎夜の夢を書き記す為、枕元に手帳を置いている。今朝も夢を書き記そうと手帳を開くと「これは夢だ」と書かれていた。そんなまさかと思った所で目覚め、その夢を手帳に書き記し、そこで私は再び目が覚めた。二重夢だったのかと手帳を探すが、そんな手帳は最初からどこにも無かった。

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 未来を写すカメラが突然真っ暗な写真しか写さなくなった。まさか世界の滅亡？いや俺が死んでしまうのか？恐ろしい想像に激しく震える俺の手からカメラは滑り落ち、ガシャリという鈍い音と共にただのガラクタになってしまった。世界は今日も平和で、俺の心だけが暗く曇っている。

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 女性キャラも捨てがたいが、やはり男性を選択。続いて年齢、容姿、性格、指示に従い項目を設定する。ところでこれは何のキャラメイクだったかな？と手に取った説明書には「恋人メイキング」とある。慌ててキャンセルを押そうとしたが、モニターからは俺の彼氏が実体化し始めていた。

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 男勝りで度胸もあり、キャリアウーマンの友人が結婚する。「男なんていらない」「結婚はしない」それが口癖だった彼女が何故突然に結婚なんて？何でもエステで脱毛してから性格が180度変わったのがその勝因だとか。なるほど最近の脱毛技術はすごいね。心臓も脱毛出来ちゃうのか。

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 月の無い夜にタマゴの黄身を飲むボクを見て、「そんな紛い物で満足できるのかい？」とキミは笑う。いいんだよ、黄色くて丸い物ならば、それだけで力が湧くんだ。ボクは狼男だからね。それに吸血鬼のキミだって、今日もトマトジュースを飲みながら、愛しい人を思い出しているんだろ？

あＱ （CTT) @aquall

ノックの音がした。時計の針が日付が変わった事を指し示す夜夜中、こんな遅くに如何なされたと問うや、「窓から明かりが漏れてましたゆえ、遅くまで頑張っておられるのだなと夜食をお持ちしました」という。それならばと私は苦笑いと共に、彼女を窓一つ無い部屋へと招き入れた。 #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

よく当たると評判の占い師に「私の運命の人は何処に居ますか？」と尋ねると、「その小指から伸びる赤い糸に恋の炎を灯しなさい」と言われた。燃えるような恋がしたい！と小指に念じると恋の炎は赤い導火線に引火し、数分後遠くで大きな音を立てて、私の運命の人を爆発させた。 #twnovel

AQ @AQnovel

#twnovel よく当たると評判の占い師に「私の運命の人は何処に居ますか？」と尋ねると、「その小指から伸びる赤い糸に恋の炎を灯しなさい」と言われたので、燃えるような恋がしたい！と小指に念じた。恋の炎は赤い導火線に引火して、数分後遠くで大きな音を立て、私の運命の人を爆発させた。