予備自衛官の5日間

予備自衛官なりたての22才が訓練に参加してきました
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三ツ木村 @mitsugimura

0、今から投下する文章は陸上自衛隊東京地方協力本部から許可を受けて掲載するものですが、予備自衛官としての自分の主観に基づくものです。また自分は予備自衛官補として50日間の訓練を受けた者ですが元自衛官などではなく、普段は大学生をしています。では20個ほど投下します。

2013-02-26 13:27:07
三ツ木村 @mitsugimura

1、1日目、着隊した後被服交付へ。初めて貰った階級章(二等陸士)を袖に縫い付ける。因みに階級章をつける位置は曹だと襟、幹部だと肩になる。腕を磨き、襟を正して、国防を双肩に担うとかなんとか。ともかく午前はそれで終わり。同じ居室の語学3曹と一緒に食堂へ。中々旨い。

2013-02-26 13:27:33
三ツ木村 @mitsugimura

2、因みに一日目の時点で同じ居室だった方は社会人一年目の技能出身語学3曹、元自で営門3曹の方が2人(1人は元アマチュア格闘家、後でどちらも同じ警備会社に勤務していることが判明)、元自で1曹の方が1人(元空挺?)という構成。この時まではこんなもんかという感想。

2013-02-26 13:27:53
三ツ木村 @mitsugimura

3、午後になると身体検査。いつもより医官が少なかったらしく少し遅れ気味。問診になると、5人に1人ぐらいは「適正値を超えているので…」みたいなことを言われている。元自や技能公募の中には制度上5、60代の方もいらっしゃり、お腹が出て血圧がお高そうな方もちらほら。

2013-02-26 13:28:12
三ツ木村 @mitsugimura

4、身体検査が終わると編成完結式。今回は1個中隊170人だが、予備自の訓練は2日と3日の2回という風に分けれたりもするので式には100名ほどが参加。知らなかったのだが、予備自訓練は教育隊ではないので中隊長以下幹部も全て予備自の方。隊旗の授与と中隊長による申告が行われる

2013-02-26 13:28:20
三ツ木村 @mitsugimura

5、続いて精神教育(ようは座学)のお時間。予備自制度の意義についてや、受け入れ部隊である第一普通科連隊の紹介など。自衛隊の抑止の役割を考えると普段は一民間人である予備自が志願によって毎年訓練しているのは国民の国防意識の醸成として対外的なアピールにもなるという話、目から鱗。

2013-02-26 13:28:37
三ツ木村 @mitsugimura

6、終礼の後、飯、風呂、PX(駐屯地内の売店、というかァ○)と寄って居室へ。その時点で元自3人と補出身2人という構成。掃除までちょっと横になって、などと考えてたらいつの間にか寝てたらしく気づけば10時。結局手違いで4日目まで掃除がなかった。点呼後、23時に消灯。

2013-02-26 13:28:46
三ツ木村 @mitsugimura

7、2日目はラッパの音で6時に起床。すぐに上下戦闘服+外被(迷彩柄のコートの様なもの)+作業帽で舎前へ。日朝点呼ではWAC(女性自衛官)隊の手際が少し悪い。よく見ると全員補出身でしかも大半が技能。技能の方は10日間しか訓練されてないので全日程通して中々大変そうではあった。

2013-02-26 13:29:00

予備自衛官になるには3つの方法があります。一つは元自衛官が退役してなるもの。二つ目は自分みたいに技能を持たない一般人が50日間の訓練を受けてなるもの(自分)。もう一つが色んな技能を持つ一般人が10日間を訓練を受けてなるもの。ここでいう技能や語学は3つ目を指します。

三ツ木村 @mitsugimura

8、朝食を食べる。自衛隊では三食ともきっちり出るので朝からガッツリ。朝礼の後、午前の訓練へ。3日目の射撃訓練に備えての予習をする。射撃が当たるかどうかは実はこの射撃予習での姿勢訓練にかかってる(らしい)。今回はゲームセンターのシューティングみたいな訓練も。

2013-02-26 13:29:21
三ツ木村 @mitsugimura

9、昼食を食って午後は体力検定へ。種目は握力、体前屈、垂直跳び、ジグザグドリブル、反復横跳び、急歩。寒い中まさかの屋外実施でみんな震えが止まらない様子。案の定握力と体前屈がほぼ0点、その他がほぼ満点という結果に。急歩は中隊でトップだったから良しとする。

2013-02-26 13:29:51
三ツ木村 @mitsugimura

10、3日目やはり点呼でWAC隊が遅い…。寒い中の5分は本当に永遠に思える時間。朝食後、ついに射撃である。高機動車に乗って射場へ、どうも補出身者で射群(一緒に打つグループ)が固められたらしい。1人は防大の大学院博士課程の人らしく話が弾む。WACだったのでなおさら。

2013-02-26 13:30:09
三ツ木村 @mitsugimura

11、射撃は半年ぶりで少し緊張してたらしく、射場での行動を少し間違える。そのせいか点検射では6発が的(中心から5,4,3,0点)にかすりもせず2発は5点圏に、1発はどこに飛んだかもわからないという始末。これには隣にいる射撃係の人も思わず苦笑。しかし…

2013-02-26 13:30:27
三ツ木村 @mitsugimura

13、午後に入ると救急法の訓練。心肺蘇生に関しては大学での体育や免許取得時の講習とほぼ同じだったものの、止血法に関してはCAT(戦闘止血帯)と呼ばれるものを使った方法等新規事項が多く勉強になった。ただCATに関しては予算の都合かDIYらしかったが…

2013-02-26 13:31:29
三ツ木村 @mitsugimura

14、訓練も終わり3日目からの参加者の人と一通り話す。何故か皆濃ゆい方ばかりで、補出身は1人が会社CEO、もう1人は元ヒルズ族、元自でミリ映画オタ等々。元自の方とは風呂に入ってる間ずっと「フルメタルジャケット」や地獄の黙示録」について語りあった。

2013-02-26 13:31:58
三ツ木村 @mitsugimura

15、4日目は4グループに分かれて4つの訓練をローテーション。それぞれ地図判読、ロープ、通信、検問。自分はこの順で受けたが、1つ目の地図判読でまさかの居眠り。起きた瞬間教官がニヤリと笑い「じゃあこれの記号の意味は?」と聞いてくる。正解したものの冷や汗が止まらない。

2013-02-26 13:32:22
三ツ木村 @mitsugimura

16、ロープ訓練は結索方法を学ぶ。予備自衛官として直接被災地に行くことはまずないと思うがそれでも人命救助には必須の技術なので気合が入る。通信では有線通信機の構成、使い方を教わる。今時電池式かよと思わなくもなかったが補給等を考えれば割と妥当なのか。

2013-02-26 13:32:47
三ツ木村 @mitsugimura

17、最後は車両と人に対する検問訓練。予備自が招集されるとすれば殆どが基地警備や後方支援なので最も必要な訓練かもしれない。高圧的ではなく、ただし毅然とした態度で持ち物検査、身体チェックを行っていく。米軍の様な荒っぽさはないが不審者は確実に駐屯地内に入れないよう丁寧に。

2013-02-26 13:33:06
三ツ木村 @mitsugimura

18、飯風呂の後、訓練最後の夜ということで隊員クラブで懇親会(要は飲み会)をする方々も。自分はお腹の調子が悪く居室にて就寝…。因みに駐屯地内は基本的に飲酒不可。入ってるファミ○でも酒は売ってない。唯一飲めるのが前述の隊員クラブで相場は普通より少しお安め。

2013-02-26 13:33:51
三ツ木村 @mitsugimura

19、最終日、予備自衛官の朝は早い。まず点呼後にシーツの返納、朝食が終わると外被の返納があって息つく暇もなく地本行事(勤続や各種検定の表彰)、予備自部隊の解散式と続くと被服の返納、居室からの撤収となる。行事では予備自を定年で退官なさる方がいて5日間で最大の拍手が。

2013-02-26 13:34:12
三ツ木村 @mitsugimura

20、最後に全員が集まったところで予備自手帳と印鑑を返してもらい、各人ごと帰途に就く。ご高齢の方もいらっしゃる(一番上は63歳!!)ので体力的に辛いということは概ねなかった。しかし規律ある生活、効果的な訓練というところで実りある5日間だったように思う。しめて40500円なり。

2013-02-26 13:34:36

まとめを終えて

三ツ木村 @mitsugimura

このまとめ、ミリオタには既知の情報多めだし、全く無関心な人にとってはあまり面白くない。ただ抑止力という点で予備自制度というのは自衛隊の役割によく似ている。必要とされるようになったら割とヤバめだけど常備自衛官をフルで使おうとすると絶対に必要なもの。

2013-02-26 23:34:15
三ツ木村 @mitsugimura

ぶっちゃけ補を含めた予備自制度、無駄が多い。税金の無駄遣いではと言われてはっきりと言い返せる自信がない。しかし正面装備、正面戦力を最大限活かすためにも普段は普通の生活を送ってる一般人が予備自として訓練を受けるということには意義があるように思う。

2013-02-26 23:37:08
三ツ木村 @mitsugimura

そういう意味で現役の方がまとめを読んで一定の評価を与えて下さったのには非常に勇気づけられた。

2013-02-26 23:40:35