作家・阿川大樹さんの「資源小国・日本」についてのツイート

ぼくが言いたいことが分かりやすく書かれていたのでまとめさせてもらいました。
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阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

「資源小国の加工貿易」という日本の国家モデルは、後進国であった日本が先進国になる為の選択肢であったけれど、国の在り方として唯一の選択肢ではないし、先進国になった後も永遠に最適な選択であるとは限らない。

2013-02-26 20:45:08
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

もはや技術でそれほど優位性がなく、技術者の数で新興国に負けている状態で、製造業で国を支えていこうとすると、労働者の賃金を新興国並みにするしかない。そういう競争に日本が飛び込んでいっても国民は幸福になれない。かつてうまくいった製造業立国はいまでは成立しなくなっている。

2013-02-27 02:14:11
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

世界にまだ工業製品が溢れていない頃、日本の製造業は安い労働力と大量生産と品質管理と1億人の国内市場で大きく成長した。いまは主な消費地が新興国になりそこに技術移転も工場立地も進んでいる。製造業立国というシナリオを従来の延長で選んでしまったらこの国はうまくいかないと思う。

2013-02-27 02:21:28
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

世界の工場といわれ興隆をきわめるかに見えた中国ですら、いまでは高コストになって急速に競争力を失いつつある。中国はいま安い賃金で働く労働者がいなくなり人手不足。高い賃金では競争できないからベトナムなどから安い労働力を受け入れている。

2013-02-27 02:28:01
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

日本には資源がないから輸出製造業で生きていく、なんて、昭和の時代に成立したのんきな状況じゃないのだよね。(少しでも戦えるうちは戦えばいいけど、やがては負ける土俵だと認識しておく必要がある) 

2013-02-27 02:34:06
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

前提として、資源のない国はできるだけ資源を消費しない産業で最低限必要な資源購入費を獲得すること、必然的に小さくなるGDPで幸福を感じられる社会にすること、が必要。

2013-02-27 03:15:18
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

資源がないのに沢山の資源消費を前提にどんどん資源を輸入するためのにどんどん資源消費型の産業を発展させてお金を稼ぐというのは、いつまでたっても「足りる」ことのない不幸な拡大を産む。(国の過労死)

2013-02-27 03:19:03
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

しかも、資源消費型の産業の競争力はどんどん弱くなることと予測されるから、短い期間での破綻が見えている。かつて可能だったことが相対的な競争力の低下で可能でなくなっているわけだから。(そこで無理に勝とうとすると低賃金長時間労働が待っている)

2013-02-27 03:21:44
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

実際、日本の高度成長は欧米だけが競争相手だったときに低賃金長時間労働によって実現された。技術や品質はひとつの要素に過ぎないのに「日本は技術と品質で成長した」と賃金のことを無視して論じられることが多かった。それが技術立国神話になっていった。

2013-02-27 03:25:06
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

世界には日本よりも一人当たりGPDが小さくて成り立っている国がたくさんある。それらの国の人が不幸であるかというと必ずしもそうではない。

2013-02-27 03:27:12
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

現在の日本人の所得は年代とともに多くなっている。一方「自分の幸福度を自分で点数化する」という調査の結果では所得が低く非正規雇用や就職できない層を含む若年層であっても、自覚的幸福度の統計は年代にあまり依存していない。日本でも実は感じる幸福度が所得とはそれほど相関関係にないのだ。

2013-02-27 03:32:16
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

実際に主観的幸福をもたらさない経済発展のために資源消費を増やしてでも「幸福な社会」の実現にはあまり役立たないことがわかる。

2013-02-27 03:35:14
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

実際にDGPの小さな社会は存在する。所得と幸福度には強い相関はない。という事実から、日本がどうやったら「DGPの小さな幸福な社会」にたどりつけるか、という道筋をつけることができれば、加工貿易モデルでない日本が実現できることになる。

2013-02-27 03:37:42
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

「貧乏でも幸福」は不可能ではないことがわかっているが、我々の社会はそれを可能にする道筋をつけた経験がない。そこがいま日本が解決すべき目の前の重要な問題なのだと思う。

2013-02-27 03:40:02
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

「主観的幸福」を目的とすれば資源や大きな経済に依存しない日本をつくることができる。ただし、いくらブータンがそうだからといって、日本人がブータンの経済規模で幸福だと感じることはおそらく無理なので、「ブータンのような国」をモデルとすることはできないことはいうまでもない。

2013-02-27 03:55:36
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

というわけで、「幸福とは何か」を改めて考え直して、それを実現するには社会の制度がどうあるべきか、というのが政治の課題であり、一方、幸福について問いかけを続け、問い直していくのが、小説家の仕事のひとつだと思っている。

2013-02-27 04:08:02
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

わかってきたことはバブルを体験した世代と生まれたときから不景気だった世代では、幸福に対する考え方が違っているようだ。そこにヒントがあるような気がする。(暫定的な答はもっているけど、まだまだ未検証なのでいまは語らない)

2013-02-27 04:10:47

3/1追加しました。

阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

今の時代、技術やノウハウはあっというまに「それを取り込んだ製造装置」とか「ヘッドハンティング」とかで移転されてしまうので、製造業の競争力は結局レイバーコストに行き着いてしまう。

2013-02-28 12:32:43
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

我が社には(我が国には)技術やノウハウがあるから他社(他国)には簡単にはマネができない、なんて長閑な時代じゃなくなっちゃった。

2013-02-28 12:35:57
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

かつて大手電機メーカーには、互いに相手の技術者の引き抜きはしない、という紳士協定があったけど、競争は国境を跨ぐので、優秀な人がどんどん韓国などに引き抜かれていって、あっというまに電子立国日本は神話になってしまった。

2013-02-28 12:39:29
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

まあ、そこそののGDPがあれば、GDPの高い国も低い国も、そこに住む人は実際にそこそこ幸福に生きているわけだ。GDPが世界x位じゃなくちゃ幸福に生きられない、なんてことはあり得ない。すべては制度設計次第。

2013-03-01 01:41:18
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

個人の所得に関していえば、大都市集中の結果、収入の多くが家賃に消えている。これを解消するだけで、収入が下がっても可処分所得は確保できる。通信や物流が発達した時代、物理的に大都市に集中する合理的理由はなくなってきている。

2013-03-01 01:45:05
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

GDP縮小のレベルを15%程度と仮定すると、それによって所得が低下しても、大都市集中を解消して家賃が安くなれば都市部の可処分所得は10%マイナス程度で納まる。(荒っぽい計算)

2013-03-01 01:47:43
阿川大樹『終電の神様 台風の夜に』 @agawataiju

さらに家賃の下落はさまざまなコストに関わるので、物価にも反映される。大都市集中の解消は、国民経済全体のコスト削減効果が高い。(地方の地価上昇が分散的である前提)

2013-03-01 01:54:00