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宇都宮泰氏による”相補分離で遊ぼう”

放射能と妥協を許さない音楽プロデューサー、宇都宮泰氏による完パケからのパート分離法。新旧いろんな音源で試して遊べます。
音楽
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0E9Fh 「相補分離」で遊ぼう、を始めます。相補分離とは、「もともとひとつ」だったものを、元に戻るように、いくつかの要素(都合に合わせて)に分離します。それぞれについて加工した後に再びその要素を寄せ集め、「現状復帰(回復)」します。こちらは相補合成。
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0EA0h 音楽では、フレージングやオーケストレーションを考えるときに、あるいはミックスを行うときにも、頭の中で相補分離しながら作業します。例えばオーケストレーションでは、あるパートの事を考えているときには、その前に全体の響きを考えながら、全体の相補になるようにそのパートを思考
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0EA1h 例えばスピーカー。低域、中域、高域のように分割しますが、それぞれのスピーカーからの音を同時に出すと元どおり・・になるように分割(それほどうまくいっているわけではないが)。
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0EA2h 世の中には多くのCDがあり、その中の多くはマルチレコーディングプロセス(各パートや歌を個別に録音し、最終的にミックス)で作られている。時間を遡ることができれば・・つまり伴奏と歌を分離し、ミックスしなおすことができたら楽しかろう・・。
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0EA3h 簡単にはDAWで、LRを分離し、センター成分をキャンセルすれば・・歌を外すことができる。まあ、CDの録音レベル・・・。浮動小数点演算なので、これ以上悪くはなりません。 http://t.co/2h0jT2uHSH
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0EA4h ステレオトラックをモノ2トラックに分離します。 http://t.co/D858fsga1C
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0EA5h 片方のトラック(この場合は下=Rch)を極性反転します。その後2つのトラックをミックス(加算)すると(両方のトラックを選択→トラック→ミックスして作成)L+(-R)=L-R・・つまりセンター成分をキャンセルできます。 http://t.co/7vNJohtlQY
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0EA6h Voはおろか、ベースやそのほかセンター定位しているものはことごとくキャンセルできます。自分のミックスが正しくセンター定位しているかを確認する際にも使えます。
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0EA7h ロジカルには↓のとおりですが、じっくり聴いて見るとアレンジや隠れたパートが聴こえたりして、なかなか勉強にもなります。
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0EA8h この方法はマトリクス法などと言われ、基本的な操作の一つです。しかしこの方法では出来上がりがモノになってしまい、しかもVoを単独分離することはできません
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0EA9h 現代の情報処理技術の発達は目覚しく、LRの両方のチャンネルの相関を取り、微小な時間範囲でLRに共通するスペクトルのみを外す(あるいは単独分離することができます。
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0EAAh VocalReducerというフリーソフトが比較的有名で、独特のユーザーインターフェースも楽しいソフトです。http://t.co/YDdxfqxXsX
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0EABh VocalSifterの作者のあっきー氏も同様のソフトをこっそり作っています。C-part(ver,0.1) http://t.co/Iyy5vA8qYL
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0EACh どちらも非常に高性能ですが、前者はカラオケの作成、後者は耳コピー支援を目的としています。好みの問題は有りますが、ここではC-PARTを使用させていただきます。
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0EADh ファイルをドロップし、機能を選択します。ボーカルカットの窓にある無効、カット、抽出とあり、抽出を選択します。再生するとボーカルを中心とした、バックの抑制した状態で再生できるでしょう。 http://t.co/wYkvRJqlWx
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0EAEh 「カットの強さ」、帯域の調整を行い、できるだけ歌以外のパートが聴こえないように、できるだけ歌だけになるようにパラメータを調整します。リアルタイムで調整できるので、納得いくまで行ってください。音量、再生速度、音程、チャンネルは、必ずデフォルトで。
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0EAFh どれくらいまで調整すればよいのか、はかなり経験が必要かもしれませんが、根気良く挑んでください。重要なプロセスです。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0EB0h 調整ができたら、「ファイル」からWaveファイル出力を選び、適当な名前を付けて出力します。
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0EB1h Audacityを起動し(他のソフトでも構いませんが、サンプル単位の精度が必要です)、元のファイルと、出力されたVoファイルを読み込みます。 http://t.co/HldKniimhm
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0EB2h 次にVoのトラックプルダウンメニューから「ステレオからモノラルヘ」を実行し、モノトラックにし、そのトラックをエフェクト→上下を反転します。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0EB3h これで再生すると(つまりオリジナルと、切り出し極性反転したVoをミックスしながら聴いていることになる)Voを抜いたステレオカラオケが聴こえるはずです。Voレベルを微調整しもっともキャンセルできるところを探してください。おそらくユニティのままでベストでしょう。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0EB4h このときに聴いているカラオケと、分離した「極性反転前のVo」は相補な関係になります。つまりミックスすると元通りになるわけです。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0EB5h C-PARTやVocalReducerにはカラオケ(ボーカルカット)の機能もあるのですが、Voをカットしたファイルと抽出したファイルは相補にはなりません。(かなり相補には近いですが・・)
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0EB6h 後は好きなようにバランスや効果を変更し、ミックスしなおせばよいわけです。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0EB7h 相補の論理:人間(に限らない)にはもともとそのような本能のようなものが備わっています。相性という言葉も相補の意味を含みますし、推理小説が面白いのも、ジグソーパズルがやめられないのも、相補を求める仕組みがあるからと考えられます。
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コメント

宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:34:09
0ED1h 始めての方には手順が少し複雑だったので、相補確保する手順からの視点でツイします。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:34:51
0ED2h 分解・加工・再組み立てしたい、オリジナル(CDなどの非圧縮メディアからのリッピング・・MP3などの圧縮を経たデータはできるだけ避けてください)を用意。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:35:21
0ED3h C-PARTにドロップし、Vo抽出で、パラメータを最適化。一定の練習が必要。Waveファイル出力(Vo切り出し)。できるだけVoのみになるように調整します。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:35:48
0ED4h AudacityにオリジナルとVo切り出しをドロップで読み込み。Vo切り出しを「ステレオからモノラル」→モノ2つのトラックを選択し→「トラック」→「ミックスして作成」で1本化→「増幅」で-6dB。 このファイルを「Vo切り出し+」として、Waveファイル出力。(このときにはステレオトラック1本とモノトラック1本)
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:36:35
0ED5h Vo切り出し+を選択、エフェクト→上下を反転。再生して、もっともVoが消えるところをレベル調整で見つける(おそらくユニティー(0dB)でベスト)。Voに付随するリバーブは残ります。歌の残骸がわずかに残るのは放置しておいても問題ないですが、やりなおす場合はC-PARTでの切り出しから。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:37:03
0ED6h すべてのトラック(ステレオ1本、モノ1本)を選択し、「ミックスして作成」。このステレオトラックが、相補カラオケ。「相補カラオケ」は「Vo切り出し+」と相補関係。相補カラオケをWaveファイル出力。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:37:28
0ED7h 相補カラオケをさらにパート分離:相補カラオケのトラックをコピーし、同じステレオトラックを2つ用意。「トラック」→「ステレオトラック作成」→相補カラオケトラックを選択→Ctrl+C→新たなトラックを選択→Ctrl+V
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:37:58
0ED8h 新たなトラックを選択し、EQで250Hz以下をさっぱりと切り捨て・・相補カラオケHF
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:38:23
0ED9h さらに新たにトラックを作成し、そこへ相補カラオケHFをコピー(今ステレオトラックは3つ並んでいます)。相補カラオケHFを選択し、上下を反転・・・相補カラオケHF-
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:38:53
0EDAh 相補カラオケと相補カラオケHF-の両方を選択し(Shiftを押しながら、トラック左をクリック)、ミックスして作成・・・・相補カラオケLF・・・・相補カラオケHFと相補カラオケLFは相補関係。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:39:36
0EDBh これで、相補カラオケLF(ベースや打楽器など)と相補カラオケHF(ギター・キーボード・ストリングス)、Voの3成分に分離できたわけです。しかもそれらは相補関係なので、単純にミックスするだけで元通りになります。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:40:18
0EDCh もちろん、このトラックに加工を施すのですが、比較的安全なのは、レベル調整(エンベロープあるいはフェーダー操作情報)やEQ、コンプレッサなどもある程度可能。逆に、タイムシフト(オフセット)や音程修正は相当にハイリスク。リバーブ(逆回転を含む)も可能です。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:40:44
0EDDh このテキストは、VocalReducerやC-PARTの宣伝ではありません。もちろんこれらはミラクルな性能ですが、仮にもっとべコベコに歪み、ノイズの多いものであったとしても(あるいは分離性能の悪い)、相補アルゴリズムで使用することで無損失で使用できる(加工すればするほど「変化」するが)ということを示しています。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-02-28 20:41:23
0EDEh 方法を記憶するのではなく、思考しながら遊んで下さい。DAWユーザーの多くは、自分の施した作業の記録をとりませんが、ノートやメモをとりながら作業することで、より確実で確かな結果を導くことができます。私だって3歩歩いたら何をやっていたか忘れてます。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-07 23:52:09
用語などが分かりにくいときは、シリーズでお読み下さい。 位相:http://togetter.com/li/459197   ユニティー:http://togetter.com/li/460267  リサージュ:http://togetter.com/li/462669 相補分離:http://togetter.com/li/463663   の順に
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-09 14:42:10
0F4Fh ターミナルDAWとしてaudacityを使用していますが、同等の機能のあるほかのソフトでも遊べます。しかし、1サンプル未満の時間軸精度、正確な加算減算(ミックス・差し引き)ができないと、結果が芳しくありません。ためしに相補の関係にあるトラックをどうしを1サンプルずらせてみると・・・・
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-09 14:45:11
0F50h そもそもサンプル精度で正確な処理ができるC-PART(VOCAL_REDUCERともに)の処理がすごいのであって。公開に感謝。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-06-19 05:18:01
1421h 使用するDAW、ソフトによっては精度が出ないため(勝手にリサンプルしたりするため)、C-PARTで分離したボーカルがうまく差し引きできない場合がある(曲前半ではうまくいっているのに後半では消えなくなるなど)ようです。そのような場合はAudacityをお試し下さい。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2017-05-10 22:17:05
最近のRCマスタリングの講演では、歌の切り出しにOTOKIRISも使わせていただいています。利点は、表示インターフェースがかっこいいこと、オーバーサンプリング対応で、高品位な結果が得られやすい。反面、出力される切り出しファイルが必ず数千サンプルずれているので、手動であわせる必要があるなど。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2017-05-10 22:21:14
上の解説ではあまり触れていませんが、元のデータが24bitとし、これらの歌切り出しソフトの性能が、実質10bit程度、差し引きで得られるバックはその場合、実質10bit程度の分解能。ところが、その10bit相当のデータを加算すると、下の24bit分解能が復元・・・
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2017-05-10 22:24:01
元が32bitなら、同じ32bitが復元。ただ理論上は、寸分の誤差なくミックスされた場合の話。ところが実際にどれほどの寛容度があるかを調べてみると、驚くべき現象が。そこがRCマスタリングの追随を許さない強さ。情報理論ではなく脳生理の問題。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2017-05-10 22:34:34
切り出した歌は16bit保存でも大丈夫ですが、元が32bitなら差し引きしたバックも32bitで保存の必要。切り出せるものはセンターボーカルだけでなくフェーザー処理した音であろうと、ディストーションであろうと、タイムアライメントが確保されているなら、同様の操作が可能になる。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2017-06-08 01:39:28
「音きりす」で相補分離する場合の時間位置の合わせ方。 https://togetter.com/li/1116529
T.K @2I000mg 2017-06-18 05:34:23
GO-BANG'Sのアルバム「デンジャラス・チャームス」の2曲目「Lucky Lady」はRchがVoのみ(サビにコーラスとサイドギター有り)の構成になっておりAudacityで遊べます。
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