やるやらで考える共産主義の問題点……のプロット

八重代かりす＠「形見の衣」発売中。 @yaesiro

　でも、#bijp とは関係なくナウル人って、凄いよな。問題は多いにせよ、ソフトランディングしかけている。『働かざる者喰うべからず』『勤勉の精神が大切だ』とかいって、大量の死者を出した共産主義国家よりは、ずっとましだ。そこで……

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　以下『やるやらで考える共産主義の問題点……のプロット』を傍迷惑な連続投下。 　やる夫「やらない夫ー！ベーシックインカムって、知っているかー！？」 　やらない夫「ああ、知っている。つうか俺（≒筆者）もその支持者だが？」

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　やる夫「何を言っているんだよお！　ベーシックインカムはＮＥＥＴにも金を渡す政策だよお！　まるで共産主義だよお！　共産主義なんてオワコンだよお！　こんなのやったら、日本は崩壊だよお！　『働かざる者喰うべからず』の精神が大切なんだよお！」 　やらない夫「…まだこの手の馬鹿がいたか」

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　やらない夫「…なあ、やる夫、時間あるか？」 　やる夫「時間？　刺身の上にタンポポを乗せる実家住まい非正規雇用のやる夫には時間だけはあるよお」 　やらない夫「じゃあ、今日は『共産主義の問題点』を考えてみようか？」 　やる夫「ん？　『ベーシックインカムの問題点』じゃないのかよお？」

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　やらない夫「ＢＩについては、既に筆者もトゥゲッターに纏めてあるからな。ある程度はそっちを見てもらえばいいし、適時引用すればいい」

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　やらない夫「だが、共産主義についての筆者の考えの纏めはまだないからな。実際問題、お前みたいな奴は随分減ったんだが、今後も一定は出てきそうだから、この際纏めておく」

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　やらない夫「それと予め言っておくが、俺（≒筆者）は『右派』だ。公的年金も生活保護もベーシックインカムに一本化してしまえ――というぐらいのウヨ厨だ。よって、意見にはすべてそれなりのバイアスがある。特に『左派』については、厳しめの評価をすると思う」

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　やらない夫「また、当然ながら資本主義（自由主義、市場経済）と共産主義（社会主義、計画経済）の対立構造とは相対的なものだ。完全な資本主義がありえんように、完全な共産主義もありえん。ただ目安にはなる。だから、以下に述べる内容はすべて『～の傾向がある』程度に考えるべきだろ。ＪＫ」

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　やらない夫「同様に『国家が滅びる理由』なんてものが単一である事もありえん。事象の原因は大概複合的なものだ。とはいっても、ある程度の抽象化は必要なので、俺（≒筆者）の判断で情報は取捨選択させてもらう。……こんな一々言わなきゃいけないこと自体が馬鹿馬鹿しいんだがな。ＪＫ」

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　やらない夫「その上で聞こう。やる夫。お前は共産主義国家が何故衰退したと思う？」

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　やる夫「決まっているよお！　共産主義国家では皆を平等にしたからだよお！　そうしたら、頑張っても頑張らなくても、報酬が同じになって、皆怠け者になったんだよ。ＮＥＥＴ天国だったからだよお！」 　やらない夫「……ここまで馬鹿だったとは……」

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　やらない夫「なあ、常識的に考えて、そんなことあり得るか？　某北の国では将軍様の報酬と一国民の報酬は同じか？　ソ連なんて何だかんだで７０年もったんだが、皆、怠け者になった国がどうしてそんな長持ちするんだ？」 　やる夫「い、言われてみればおかしい気がしてきたよお…」

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　やらない夫「大体、お前が最初に大切だと言っていた『働かざる者喰うべからず』だが、あれ、ソ連のキャッチコピーだぞ」 　やる夫「そ、そういえば……そんな事を聞いた覚えも……」 　やる夫「あれ、『働かざる者喰うべからず』の元ネタは聖書だとも聞いたことがあるよお」

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　やらない夫「詳しいな。その通り。元々新約聖書にあった一説を、ソ連ができた時に近代的にアレンジしたのが、今使われている『働かざる者喰うべからず』だ」

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　やらない夫「そして、新約聖書の背景になった古代ユダヤ人共同体も、ソ連も、共通しているのは共産主義だったという事だ。まあ、古代ユダヤ人共同体は原始共産制で、近代的な共産主義とは多少相違点はあるがな」

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　やる夫「じゃあ、何かよお。共産主義はＮＥＥＴ天国じゃなかったのかよお！」 　やらない夫「当たり前だろ。常考。共産主義や社会主義を標榜した国の中では、割と穏やかだった旧東ドイツでも、何か月か無職だと、過酷な強制労働所へ連行されたりしたろ」

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　やる夫「お、恐ろしいよお。……ん、じゃあ、怠け者は？」 　やらない夫「官僚に見つかったら、これも過酷な強制労働所行きとかになるから、官僚の前では必死に働いたろ。逆に成績が良ければ、おいしい思いができるから、皆、割と頑張ってたぞ」 　やる夫「…やけに官僚を強調してる気がするよお」

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　やらない夫「そうだな。ここが後々の問題に繋がるんだ。……ところでさらっと流したが、共産主義では皆平等というのは事実誤認だ。ちゃんと成績のいいものは報酬もよかったんだ。どうだ？　中々よく出来ているだろ？」

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　やる夫「確かに……住み心地がいいかどうか別として、ソ連が長続きした理由もわかった気がするよお」 　やる夫「でも、それならどうして共産主義は衰退したんだよお？」

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　やらない夫「それは色々な考え方や言い方があるが、俺（≒筆者）なら、こう纏める」 　やらない夫「『働かざる者喰うべからず』だったから――と」

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　やらない夫「俺（≒筆者）が知る中で、最も失敗をした共産主義国家といえば、カンボジアだ。諸説あるが、ポルポト政権下ではわずか四年間で、人口八百万名中三百万名が死んだ」 　やる夫「……！」

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　やらない夫「天下のアメリカが人口密集地である都市部に空爆を行い、非戦闘員に対する無差別大量殺戮を繰り返し、核兵器まで使った第二次世界大戦時の日本の死者が人口七千万名中三百万名だ。えげつない比較だが、どれだけ人が死んだかがよくわかるだろ」 　やる夫「ひ、酷いよお」

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　やる夫「な、なんでそんなに人が死ぬんだよお！」 　やらない夫「……なあ、やる夫、できる夫をどう思う？」 　やる夫「い、いきなり、話が変わったよお……。でも、できる夫は立派な奴だよお。今は大学で博士課程だよお。いつか、万能細胞の研究で人を救いたいって、猛勉強中だよお」

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　やらない夫「でも、あいつ、まだ学生だろ？　つまり、働いていないだろ？　『働かざる者喰うべからず』だろ？　じゃあ、殺さなくちゃいけないよな？」 　やる夫「無茶苦茶、言っているよお！　その理屈だと、働いていない学生は皆殺しになるよお！」 　やらない夫「うん。殺ったよ」

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　やる夫「……！？」 　やらない夫「だから、働いていない学生なんかは皆殺しになったんだよ。昔のカンボジアでな」 　やる夫「そ、そんなのおかしいよお。学生の本分は勉強だよ。働かないのが普通だよ」 　やらない夫「……やる夫、それは『普通』じゃないんだよ」