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Flying Zebra @f_zebra
天然ガスの輸入について国内ではまともな報道がほとんどないので、アメリカから安価なシェールガスを買えば燃料調達費はすぐにでも現在よりずっと低くでき、そうしないのは総括原価方式にあぐらをかいた電力会社の怠惰、くらいに思っている人も多そうです。
Flying Zebra @f_zebra
アメリカではシェールガスという、従来は効率的な採掘方法がなかった資源を、頁岩層を水圧で破砕するというやや乱暴な方法で採掘する方法が開発されて天然ガスの生産が急拡大し、非常に安価で調達できるようになっています。
Flying Zebra @f_zebra
現在の増産ペースが続けば2020年頃にはアメリカは天然ガスの純輸出国になると予測されていて、日本を含めて輸入国側は調達先の多様化と供給量の増加による価格低下と安定調達を期待し、商社などが積極的に活動しています。
Flying Zebra @f_zebra
ただし、現在のところアメリカ政府はFTAを締結していない国にエネルギー資源を輸出することを原則認めておらず、天然ガスの輸出はほぼパイプラインで繋がったNAFTA域内に限られています。FTA外への輸出を求める声は国内にも多く、既に複数の申請が出されています。
Flying Zebra @f_zebra
東京電力が今月初めに出したプレスリリースでは、米センプラ(Sempra Energy)傘下のキャメロンLNGから年間80万トン+オプション数量の調達に合意というものです。http://t.co/Nq1hYYoE8R
Flying Zebra @f_zebra
FTA外への輸出許可申請はセンプラを含め15件が出されているそうですが、いずれもDOE(エネルギー省)の認可を待っている状態であり、現時点で売買契約が実際に成立したわけではありません。
Flying Zebra @f_zebra
オバマ政権はこの春にもLNGのFTA外への輸出を解禁すると予測されていますが、その場合も、実際に輸入が開始されるのは2017年以降となります。さらに、シェールガスのような軽質LNGは既存の設備ではそのまま使えず、受入基地や発電設備の改造が必要となります。
Flying Zebra @f_zebra
東京電力の発表によれば、工期約10年、約400億円の費用が掛かるそうです。http://t.co/m2wQ7dn6on つまり、実際にアメリカ産のLNGを大量に利用できるようになるのは2017年よりもさらに先の話となります。
Flying Zebra @f_zebra
調達価格は現在一般的な石油価格連動ではなく、米国内のスポット価格指標であるヘンリーハブ価格連動となる見込みです。この指標は現在は安値圏にありますが、2017年以降も現在の水準以下かどうかは分かりませんし、「連動」なので実際の調達価格は未定です。
Flying Zebra @f_zebra
シェールガス開発のパイオニアであるチェサピーク社(Chesapeake Energy)を始め、業界4社が揃ってこの5年マイナス成長であり、「シェールガス革命」の将来は不確定要素が多く、必ずしも明るくはありません。http://t.co/FRoHkl752E
リンク Financial Times Shale pioneers exit marks end of an era - FT.com Carl Icahn, the corporate raider who was a prime mover behind Aubrey McClendons decision to step down as chief executive of Chesapeake Energy, could afford to be generous in victory. In a statement paying tribute to Mr McClendons achievements, Mr
Flying Zebra @f_zebra
仮に生産が好調だとしても、天然ガス輸出の拡大は米国内ガス価格には上昇圧力として働きます。LNG輸出による新たな産業や雇用の創出(現在はほぼパイプラインのみ)が見込める一方、ガス消費者である既存の産業にはデメリットとなり、輸出反対論も根強くあります。
Flying Zebra @f_zebra
実際にはすぐに輸入できないにしても、将来の調達オプションを持っておくことは現在主に輸入しているインドネシアやオーストラリアと交渉する際に強力な武器となります。こうした安全保障に直結する事項は民間任せにせず、政府が前面に出て交渉すべきでしょう。
Flying Zebra @f_zebra
また、交渉材料は材料として、実際には輸入が決まってもおらず、価格がどうなるかも不明確な調達オプションに過度に期待するのは危険です。取らぬ狸の皮算用でエネルギー政策を決める愚かさは、第二次世界大戦で懲りたはずです。
Flying Zebra @f_zebra
しかも、いま期待している相手は「非在来型」の資源です。良質な燃料がお手軽に生産できる夢のようなガス田がこれまで手つかずで温存されてきたわけではないのです。エネルギー収支比の悪い非在来型資源に対する理解のなさ、関心の低さはどうしたものでしょうか。
Flying Zebra @f_zebra
監督省庁である経産省の不見識にも呆れますが、原発事故以来否応なく化石資源依存が強まっているというのに、経済新聞を含む大手新聞が揃いも揃って何年も前の認識から何ら進歩していない事には失望するばかりです。なんで勉強しないんだろ。
参考
ツイートまとめ シマウマ(f_zebra)さんが教えてくれる「シェールガス革命」ってなあに? 何を持っていて何を持っていないのか? そんな簡単なことも知らずにエネルギー問題は考えられないでしょう。 そんな情報を見つけた時の自分用メモです。 5047 pv 90 3 users 6

コメント

minkajninno @minkajninno 2013年3月1日
そもそもシェールガスは言うほど沢山ないんじゃね? という話もありますね。
みゃあみゃあ@もふ不足中 @umyadeyo 2013年3月1日
「頁岩層を水圧で破砕するというやや乱暴な方法で採掘する」というので、環境団体とか地域住民なんかが結構反対運動しておりますね。www.dangersoffracking.com/
ひまわり @powerpc970 2013年3月2日
アメリカ以外、フランスなどはその環境問題等でシェールガス採掘を禁止してますよね。
FeynmanLeighton @Feynman_L 2013年3月2日
欧州では推定埋蔵量が1/10に修正されて、開発撤退する企業が続出していますね。一部の国では国策で開発継続するようですが。他にもシェールガス井戸は従来型ガス井戸に比べて枯渇が早く、次々に新設しなければならないことが問題になっています。埋蔵量が多いからそれでいいんだと言われていましたが、その埋蔵量が怪しくなってきた。他の人が指摘するように環境問題もあり、アメリカでも30万人の抗議運動が起きてますね。
Flying Zebra @f_zebra 2013年3月2日
可採埋蔵量や可採年数といったものは経済成長などの不確定要素は無視して、さらに現状のペースで新規鉱床が発見されるという想定に基づくものなので大まかな目安にしかならず、最近ではBP統計で石炭の可採年数が2000年から2011年の間に半分以下に減ったりしています。
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