TPPによる国民皆保険制度崩壊の危険性 想田和弘氏 @KazuhiroSoda

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想田和弘 @KazuhiroSoda

安倍首相が「TPP交渉参加の6つの条件のうち、5つは公約ではない」と言い逃れをし始めている。ということは、普通に考えて、安倍氏は5つの条件を守るつもりがないということだ。つまり例外品目がひとつでもあれば、米国が提示する条件を丸呑みすることもあり得る。

2013-03-02 01:03:10
想田和弘 @KazuhiroSoda

安倍首相が「公約ではない」と言い始めた5項目には、「国民皆保険制を守る」「食の安全安心の基準を守る」「主権を損なうようなISD条項は合意しない」なども含まれている。つまり安倍政権はこれらを死守するつもりはなく、そういう政権がタフな米国と交渉するということを認識しておきたい。

2013-03-02 01:11:03
想田和弘 @KazuhiroSoda

TPPで日本の国民皆保険制が崩されたら、日本国民には悲惨である。僕は米国在住だが、この国の医療保険制度は酷い。まず保険会社はすべて民間なので、掛け金が物凄く高い。子供のいる家庭だと月に10〜15万円くらいはする。庶民には払えないよ、そんなの。しかも歯科は除外が普通。

2013-03-02 01:20:49
想田和弘 @KazuhiroSoda

しかも保険があっても、いざ病気になって検査や手術や入院したりすると、大抵は保険会社が「不必要な治療だ」とかなんとか理由をつけて「払わない」と言ってくる。こっちは医者の勧めるままに治療を受けているのにも関わらず、である。そういう揉め事を何度も経験した。うんざり。

2013-03-02 01:25:03
想田和弘 @KazuhiroSoda

要するに米国の医療保険制度だと、医者や患者だけでなく、保険会社がどのような治療をすべきかの決定に加わる。カミさんが医者から脳のMRI検査を勧められたのに、保険会社から物言いがついてできなかったこともある。あのときは頭にきた。TPPに参加すると、日本もそうなる危険性がある。

2013-03-02 01:30:09
想田和弘 @KazuhiroSoda

アメリカでは歯科治療は普通の保険ではカバーされない上に、物凄く高い。学生時代の1996年、親知らずが急に痛み出したとき、NYの歯科に行ったら「難しい抜歯なので2千ドル掛かるけどやる?」と聞かれた。飛行機代をかけても日本で治療した方が安いし安心なので、一時帰国したよ、あのときは。

2013-03-02 01:39:14
想田和弘 @KazuhiroSoda

アメリカでは健康保険の掛け金が高いので、僕の周りにも保険に入ってない人が多い。ある時友達が骨折して松葉杖をついていた。ところが数日後に会ったらもう杖をついていない。「もう治ったの?」と驚いたら、「保険も無いし、松葉杖を借り続けるお金がないので返した」と言っていた。

2013-03-02 01:42:08
想田和弘 @KazuhiroSoda

日本の医療保険市場に参入を希望する米国の保険会社にとっては、日本の公的医療保険制度はTPPの「非関税障壁」だ。だって公的医療保険に入れるのに、子供のいる家族で月に10〜15万もする医療保険を買う人は少ないでしょう。TPPの原則に従えば公的医療保険制度を撤廃させられる可能性は高い。

2013-03-02 01:50:56
想田和弘 @KazuhiroSoda

「そんなばかな」と思うかもしれないけど、安倍首相は「国民皆保険制を守る」などの5項目は公約ではないと言い始めている。つまり既に逃げ道を用意しているわけで、身を挺して守るつもりはない、ということだ。このままTPPに交渉参加することに、強い懸念を感じざるを得ない。

2013-03-02 01:53:27