茂木さんの朝の連続ツイート2010年8月
日本の大学、受験制度についてはいろいろ言いたいこともあるけれども、何はともあれ受験生にとっては目の前の関門。そこで、夏に向けて、勉強のやり方について連続ツイートさせていただきます。
2010-08-04 06:10:08勉強(2)偏差値に惑わされるな。自分にとっての進歩ならば、脳内の報酬系は働いて強化学習も起こる。他人と比較しての劣等感が勉強の一番の敵である。
2010-08-04 06:12:14勉強(3)難易度を調整せよ。易しすぎれば、退屈する。難しすぎれば、無力感にとらわれる。自分が全力で挑戦して、やっとクリアできるような目標を立てよ。
2010-08-04 06:13:29勉強(4)時間制限(タイムプレッシャー)をうまく使え。30分と書いてある問題があったら、自分と無理めの契約を結んで、たとえば「20分で終わらせる」と宣言してみる。そのようにして、常に最高のパフォーマンスを出すようにせよ。
2010-08-04 06:14:38勉強(5)タイムプレッシャーは、難易度の調整にも最適である。やさしい問題をやる時にも、タイムプレッシャーをかけることで、脳にとって最適の難易度にすることができる。
2010-08-04 06:15:22勉強(6)やろうと思ったら、1秒後にはじめよ。この番組が終わったらとか、時計の長い針が12時のところに来たらとか、まずは参考書を集めてからとか先延ばしにするな。「はっ」と気付いたら、次の瞬間に全力で走り始めろ。
2010-08-04 06:16:30勉強(7)集中力は、生まれつきの性格などではない。集中に使われる回路は、筋肉と同じで鍛えることができる。最初はよろよろしていても、瞬間的に集中することを繰り返すことで、集中力の高い脳を作ることができる。
2010-08-04 06:17:44勉強(8)フロー状態で勉強せよ。最高に集中していて、しかもリラックスしている。勉強することが、蜜の味になる。そのような内的感覚をつかみ、毎日の勉強で実現するように心がけよ。
2010-08-04 06:19:15勉強(9)福澤諭吉は、緒方洪庵の適塾で猛勉強した。ある時病気になって、寝ようと思ったら枕がない。そこではっと気付いた。適塾に来て以来、勉強しては仮眠し、目が醒めたら再び勉強。枕を使って寝たことがなかったと。それくらいの気持ちで勉強してみよ。
2010-08-04 06:20:54勉強(10)学ぶことはオープンエンド。知識は無限。入試は、目の前の試練だが、それは始まりであって終わりではない。入試をゴールと思わず、スタートラインだと思って全力で突っ切ってしまえ。そして、そのままどこかに走っていってしまえ。
2010-08-04 06:22:41勉強(11)受験生諸君、勉強は大変だろうが、オレだって負けずに日々鍛錬しているぞ。どっちが猛勉強か、一つ競争してみようじゃないか。自分のため、日本のため、世界のため。全力疾走の競争だ!
2010-08-04 06:23:43秋刀魚の味(1)「戦争に負けたから今の若いやつら向こうの真似して腰振って踊っていますけれどもね、これが勝っててごらんなさい。今頃私もあなたもニューヨークですよ、ニューヨーク。パチンコ屋じゃないよ。本物のニューヨーク。アメリカの。」「そうかね。」
2010-08-04 08:05:51秋刀魚の味(2)「そうですよ。今頃、青い眼のやつらが、丸髷か何かゆっちゃって、チューイングガムかみかみ、三味線弾いてますよ。ざまみろっていうんだ」「でもまあ、負けて良かったじゃないか。」
2010-08-04 08:06:42秋刀魚の味(3)「そうですかねえ。まあ、そうかもしれないな。くだらねえやつらが、いばらなくなっただけでもね。艦長、あんたのことじゃないよ。あんたは別だ。」
2010-08-04 08:07:30就職(1)大卒2割、就職も進学もせずという今朝のニュース (http://bit.ly/9IP2QS ) に思うところあり、日本の就職について連続ツイートします。
2010-08-06 07:42:01就職(2) 大学3年の夏から、実質上就職活動が始まる日本の慣習は、明らかに異常である。学問が面白くなって、これからいよいよ本格的にやろうという時に、なぜ邪魔をするのか。
2010-08-06 07:42:56就職(3) そもそも、新卒一括採用という慣習は、経営的に合理性を欠く愚行だとしか言いようがない。組織を強くしようと思ったら、多様な人材をそろえるのが合理的である。なぜ、一斉に田植えでもするように、同じ行動をとるのか?
2010-08-06 07:44:09就職(4) 日本の企業がiPadのような革新的な商品、googleやyoutubeのような革新的なサービスを出せない理由の一つに、大学3年から従順に就職活動をするような人材しかとっていないという事実がある。
2010-08-06 07:45:15就職(5) なぜ、卒業した後、世界各地でボランティア活動をしたり、プログラミングの自習をしたりといった「ギャップ・イヤー」を経験した人材を採らないのか。なぜ、「履歴書に穴がある」などというくだらないことを問題にするのか。
2010-08-06 07:46:27就職(6) 新卒一括採用にこだわっていると、毎年同じ時期に大量の志願者のエントリーがあって、人事部もその能力を発揮しにくい。通年でapplicationを受け付ければ、じっくりと人物も見ることができるし、より実質的な採用ができる。新卒という縛りを外して、毎月受け付けてはどうか。
2010-08-06 07:48:31就職(7)波頭亮さんは、東大の経済を出て、都市銀行に入って一ヶ月でやめたら、変わり者だと新聞記事になった。4年間ふらふらした。マッキンゼーでインターンしたら、即採用。一ヶ月後には、マハティール首相の前でマレーシアの国家戦略についてプレゼンしていた。
2010-08-06 07:50:45就職(8) 経営上の合理的な根拠もなく新卒一括採用という続けている日本の企業は、つまり、波頭亮さんのような例外的に優秀な人材を見逃し続けているということである。
2010-08-06 07:51:38就職(9)就職も進学もしなかった2割の諸君、君たちの中には、「ずっと首輪をつけているのが良い」という日本の愚かな社会通念に反発したり、それに自分を合わせられなかった人たちがいるだろう。きみたちこそが、日本の希望だ。がんばれ!
2010-08-06 07:53:04就職(10)マスコミのみなさんにお願い。卒業して、就職も進学もしなかったのが2割、ということをあたかも異常なことのように報じるのは止めてくれませんか? 日本の常識は、世界の非常識。イギリスのギャップイヤーのことなど、少し勉強なさると良い。
2010-08-06 07:54:10