殺戮の鉤爪・序章(続かない)

ゆるい恐竜好きが思いついた妄想。ちょっとJPネタあり。
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ねこたろう@邪神フィギュア屋さんTIA146『ち19b』 @LOVEorCRAFT

巨大な鶏を武装化させれば強いんじゃないですかねぇ。いざとなりゃ食えるし。

2013-03-03 23:00:30
HK15 @hardboiledski45

そういやニワトリのDNAをいじくって恐竜を復活させようというプロジェクトがありましたなあ。こいつをもうちょっと進めて、GM技術でラプトルを再現すれば手頃な殺戮マシーンとして…… #それ以上いけない >RT

2013-03-03 23:03:10
HK15 @hardboiledski45

「これが新世代の対テロ戦争の切札です」「これは……」わたしは絶句する。当然だろう。どこからどう見ても、それは恐竜だった。子どもの頃、よく読んでいた図鑑に載っていたあれだ。毛むくじゃらの大きな鳥のようにも見えるが、鱗に覆われた頭はワニのようで、実に異様な眺めだった。(続く

2013-03-03 23:17:18
HK15 @hardboiledski45

「何なんだこれは」「我が社のR&D部門が開発した新世代の生物兵器です。外見はデザイナーの趣味が入ってますが、性能は保証します。既存のあらゆるロボット兵器、そして軍用犬よりもこれは賢く、優れた判断力を持っています」(続く

2013-03-03 23:20:31
HK15 @hardboiledski45

ロボット兵器の自律性を高めるという初期の取り組みが失敗して以来、対テロ戦略におけるロボット兵器の優先度は低くなっていった。人間を殺すという栄誉に浴したロボットはほんのわずかだった。(続く

2013-03-03 23:24:45
HK15 @hardboiledski45

しかし高度な自律機能を備えた兵器の開発は終わることがなかった。電子工学的手段で目標を達成できないなら、別のアプローチを取るだけだ。自然界には優秀なAIがゴロゴロしている。これを利用しない手はないことは明らかだった。(続く

2013-03-03 23:34:23
HK15 @hardboiledski45

テロを撲滅するという美名のもとに、どれほど残虐な実験がくり返されたか。わたしは知っている。保健所から引き取られた、あるいは海外から輸入された犬や猫、その他の動物がサイボーグ化され、あるいはもっとおぞましい過程を経て殺人機械へと変貌していった。(続く

2013-03-03 23:38:43
HK15 @hardboiledski45

しかし、いわゆる「WE3事件」以降、こうした研究に対する市民の監視の目は厳しくなった。皮肉なものだ。それでも我々は研究の手を止めるわけにはいかなかった。テロとの戦いは終わっていない。先の見えない戦いでは、先に足を止めた方が敗北する。(続く

2013-03-03 23:42:27
HK15 @hardboiledski45

そんな中で注目されたのがGM生物だ。既存の生物のDNAをパッチワークして創造された人工生物。その法的・倫理的根拠があいまいであるが故に軍事利用もたやすい。そしてその分野で急激に頭角をあらわしてきたのが新興バイオベンチャー、バイオシン社だった。(続く

2013-03-03 23:45:57
HK15 @hardboiledski45

「私どもバイオシン社の開発した新型生体兵器《ラプター》は鳥類のDNAをベースとし、優れた運動能力と知能を備えています。身体はDNAレベルで強化されており、平均的体格の人間であれば苦もなく倒せます。そしてなにより、これは生まれついての殺戮者です」(続く

2013-03-03 23:51:49
HK15 @hardboiledski45

「殺戮者……」「そうです。ラプターは慈悲を持ちません。ハンドラーの命令のみを忠実に実行し、ターゲットが例え子供であっても容赦しません。そういう兵器を貴方がたは求めている。違いますか……」(続く

2013-03-03 23:55:26
HK15 @hardboiledski45

わたしは苦笑する。そうとも、これが対テロ戦争の恐ろしさだ。頭から血に塗れて、無数の罪を背負いながら進み続けなければならない茨の道。いつか追うものも追われるものも、血まみれの冥府魔道に引き込まれていく。(続く

2013-03-03 23:59:17
HK15 @hardboiledski45

「それでも、我々は歩みを止めるわけにはいかないのさ」わたしは顔を上げ、バイオシン社から来た男を睨みつける。「神学問答はしないのでね。そちらの要求どおり契約を交わすとしよう」「ありがとうございます、メイム」いちいち嫌味な男だとわたしは思う。(続く

2013-03-04 00:01:44
HK15 @hardboiledski45

不意にラプターが首をもたげ、わたしの顔を見つめる。その眼、大きく黄色い、感情の感じられない眼に、わたしの心の奥深く、原始的な感情が波立つ。この感情はなんだろう。かつて私たちの毛むくじゃらの小さな祖先たちが感じた恐怖、なのだろうか。(続く

2013-03-04 00:06:57
HK15 @hardboiledski45

ただの兵器だ。なんということもない。そう、そのはずだ。だが、わたしの心のどこかにいる毛むくじゃらの祖先が叫んでいる。こいつを信用するな。いつか寝首を搔かれるぞ、と。  

2013-03-04 00:09:56