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同時通訳についてちょっと語ってみる ~マイク兄さん編

同時通訳について、マイク兄さん(@mikesekine)が語る。
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Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:02:46
同時通訳についてちょっと書いてみる。神経言語学の研究では、イヤホンは両耳ではなく、片耳の方が良いと発表されている。右利きの人は左耳で起点言語を聴くと有利とされている。ただこれは絶対的だとは思えない。自分の声が右耳にモロに入ってしまい、言葉の整理が難しくなるからだ。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:26:35
同時通訳で大きな壁の一つがsplit attention (注意の配分)。イヤホンの起点言語と自分が発する訳を同時に聴いて整理する技術。同時通訳者が15分程度で交代する理由は、このsplit attentionは極度の集中力を要するから。仕事の後は本当に疲れます。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:33:11
基本的に同時通訳は「あー、ですから○×が、あー、△でして・・・」と無理に長ったらしくつなぐよりは、少し表現が雑でも「□です。 (キリッ」とした方が聴きやすいし、クライアント側にとっても良い。だらだらつないで「おっ正確な訳に辿り着いた!」というのは100%通訳者の自己満足。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:39:07
なぜ簡潔でピシッとした表現が求められるかというと、まず時間制限の問題がありますが(どんどん処理しないと話者に間に合わない)、「あー、ごにょごにょ、あー」とダラダラ表現が続くと、例え訳が正確でも、聴いてる側が通訳者に対する信頼を失うからです。発言に自信なさそうだから。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:42:11
こうなると結果的にアウトプットされる訳は、一口ビスケットのように小さなチャンクになってしまうのですが、聴く側としては理解しやすいし、特に文句を言う人もいない。ただし自分の得意分野だったりすると、通訳者が発するセンテンスは比較的長く、美しくなる。内容の理解があるから当然のこと。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:47:09
通訳者も人の子なので、知らない単語に出くわす時はある(僕の場合は日本語でも、英語でも)。どうするか?駆け出しにありがちなのが、その一つの単語に集中して自滅というパターン。経験を積んだ通訳者だと、前後の文脈から発言全体の意味を推測します。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:49:13
その前後の文脈が不明な場合というのもあって、それは大半、資料が提供されていないか(機密を扱う製造業とかに多い)、通訳者の準備不足。いずれにせよ、通訳者のパフォーマンスの半分以上は現場に入る前に決まってます。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:52:04
僕の例でいえば、簡単な挨拶なので資料なし、ということで受けた仕事が、いきなり工場に移動してエントロピーやらアイソトープやらのオンパレードでリンチ状態というのもありました。完全な生き地獄。まあそれでもなんとかするのがプロなんですが・・・
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:57:35
訳はできるだけ早く発して、必ず文章を終わらせる。これ、鉄則です。「できるだけ早く」ってどういうこと?と思う方もいるかもしれませんが、文字通り「できるだけ早く」として言いようがありません。ただ言えるのは、3秒経ったらレッドアラート、5秒経ったらエンジン損壊、10秒ともなると終了。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 20:59:48
「文章を終わらせる」といっても、話者が文章を途中で切ってしまい、終わらなかった場合はどうするのか?ケースバイケースでが、聴く側としては当然きちんとした文章を求めているので(話者が完結した文章を喋っていると思っているので)、通訳者が工夫してそれなりにまとめます。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:00:56
なぜそんな苦労をして文章を終わらせなければいけないのか。それは、終わらない文章は聴く側はすっきりしないし、呼吸をつけないし、思考を整理できないから。加えて言えば、通訳者に対する信頼を担保するためでもあります。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:03:44
終わらない文章を続けていたら、たとえその通り正しく訳していても、最終的に聴く側は通訳に不満を持ちますし、なにより聴く側を満足させられなければ意味がない。この点については『パーネ・アモーレ』にも言及があります。誤解を恐れずに言えば、通訳には創作が必要という事。時々ですが。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:08:36
仕事が始まる前、同時通訳者は様々な方法で集中力を高めます。僕は最後まで資料を読んでイメージトレーニングしたりしますが、人によっては音楽を聴いたり、軽いストレッチをしたり、DSで遊んだりw、本当に様々です。とにかくスタートした時に集中力をMAXにしなければなりません。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:10:52
集中力MAXといっても、簡単にできるものではありません。通訳学校でもあまり(全然?)教えませんし。僕の場合はADHDの気があるみたいなので、今でも苦労しています。個人的には囲碁やチェスなどの頭脳ゲームが非常に役立ちました。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:13:45
ただ思うのは、今の世の中は情報過多ですし、やる事(できる事)のオプションも多いので、一つの事に集中して取り組むという経験をあまりしないで社会に出る人が多くなっているような気がします。根気がない、「遠回りはいいからさっさと答えよこせ」的とでも言いましょうか。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:18:05
通訳者(翻訳者)に読書が必要なのは、もちろん知識を深めるという目的があるのですが、読書が習慣になると集中力、文脈の読み、語感、情報の整理能力、瞬間的な反応とその柔軟性・器用さ(僕は勝手に cerebral dexterity と呼んでます)が鍛えられるという効果があるからです。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:21:22
実際、「人は書庫でわかる」と言われますが、別に書庫を見るまでもなく、その人と10分~15分程度話せば、その人の知的レベルが分かります。これは決して相手がバカというわけではなく、読書してるか、してないか、の違い。知識吸収にどれだけ貪欲か。特に論理的思考能力なんかバレバレです。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:23:28
@m_mikako 極端な話をすると、僕は訳の正確性より、大枠でのコミュニケーション成立を目指しているので。もちろん両方を目指すわけですが・・・
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:25:38
@tokomitto96 毎月80局くらい打ってた5年前くらいなんて、おそらく忍耐も集中力も今の2倍くらいあったはず。 もう通訳と囲碁だけの生活だったからw あの頃に国土交通省がらみのデカい仕事があって、囲碁のおかげでなんとか乗り切れた・・・かな?
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:36:13
読書による文脈力がないと、訳出の状況でなかなか意思決定ができないという現象が発生します。例えば「くにに帰る」が「国に帰る」という単なる事実表現なのか、それとも「故郷(くに)に帰る」という個人的感情が詰まった表現なのか。どちらにするか。些細なポイントですが、重要になる状況もあり。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:39:40
相馬雪香が、娘があまりにも淡々と通訳していたため、同時通訳ブースに乗り込んで入ってボコって泣かしたというのは有名な話。でもやはり話者の背景とか、それだけ大事なことなのです。その人になりきらないと。僕が演技を勉強し始めたのもこれが理由です。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 21:43:38
同時通訳者で大事な点の一つ。話者とだいたい同じタイミングで終わること。これは話者の話を聴きながら、「もうすぐ終わるな」というのを予想しなければできない。だから事前準備が大事になる。話者がジョークを言った10秒後に会場がドッと爆発してはちょっとおかしいw
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 22:03:11
同通訳者が非常に(例えば技術的に)専門的な内容の通訳をする時にどうするか。いくら準備しても、さすがに一週間やそこらで専門家の知識を得ることはできません。だから話を「簡略化」する事が求められます。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 22:08:04
簡略化の理由としては、1)通訳者が付け焼き刃の知識でどう逆立ちしても専門家が語る技術細部まで訳しきれない、2)話者は聴衆の理解レベルを意識せずに進めるかもしれない。後者の場合は、話者に忠実であればあるほど、聴衆は「はあ?」となる。だから簡略化して分かりやすく。
Mike Sekine @mikesekine 2010-09-01 22:10:29
あくまでも一般論ですが、技術者でプレゼンとか話が上手い人は少ないので。そもそも技術者自身は、自分が分かりにくい話(話し方)をしているという事に気付いていない場合も多い。だから通訳者はその点もうまく察してあげないといけない。コミュニケーション成立が最終目的なので。
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