映画「ニンゲン合格」えだまめレポ

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超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

今日の映画は「ニンゲン合格」(黒沢清監督)。14歳で事故にあい10年間の昏睡から目覚めた男の話。思春期真っ只中で自分の心が止まったまま、自分以外のすべてが10年分の歳月を重ねているもどかしさ。思春期の葛藤をより一層際立たせる設定や、苦々しいストーリー展開が良かった!

2013-03-05 15:40:44
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

10年間の昏睡が吉井にもたらしたのは他者との隔絶。中学時代の友人は、確かにいる。だが彼らはもう大人になってしまった。「二十四、もうジジイだよ」言う彼らに対して吉井が感じたであろう寂しさは想像に難くない。さらには家族すらも離散してしまった。

2013-03-06 12:13:19
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

10年間で何かを失ったと言われ、その「何か」を探すために同窓会を開いてみたり、離散した家族に会いに行ったり。何を求めているのか分からないままに、がむしゃらに行動を起こす。

2013-03-06 12:13:35
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

その中で少しずつ、周囲の人間たちが吉井に寄り添っていく。曖昧になる境界。吉井にとっての夢のような時間を、穏やかに過ごしていく。

2013-03-06 12:13:48
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

しかし夢は夢。吉井を事故で昏睡状態にせしめた室田は吉井の夢を尽く破壊する(吉井を眠らせた人物が再び吉井の目を覚ます役割として登場するのは象徴的!)。吉井はそこで、自身をとりまく人間関係、とりわけ家族の幻影に気付く。自分だけが理想を求め、幻想を追い続けていたのだ。

2013-03-06 12:14:55
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

家族は絆などというもので繋がっているわけではない。それぞれの目的が、たまたま家族の団欒という形になっただけだった。吉井は初めて「そろそろ夢から覚めなきゃ」と自己と現実を承認する。

2013-03-06 12:15:05
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

しばしの目覚めがさながら神様の気まぐれであったかのように、吉井は粗大ごみの山の下敷きとなり死亡する。幻影を追い続けた人間の、滑稽なほどもどかしく寂しい結末である。しかし、それでも「お前は、確実に存在した」。吉井の行動は結果的に自己の存在証明となっていた。

2013-03-06 12:15:13
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

「俺はどこかから来た。そしてどこかへ行く」。そんな、何を求めているのかすら分からないまま、ひたすらに何かと戦い続ける人生に、いったいどんな意味があるのか。しかし、それでも生きたことの証は間違いなく存在し続ける。

2013-03-06 12:15:25
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

映画「ニンゲン合格」のテーマは家族の修復とか思春期の葛藤とかで捉えることもできるけど、それってすごく一面的だったんだな。この映画の核になるのはつまり、先の台詞に集約されるような気がします

2013-03-06 12:18:48
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

総じて苦々しくも淡い……歴とした青春映画でした。

2013-03-05 15:49:41
超越頭脳明晰優秀学生きなこ @edamamekinako

そういや映画「ニンゲン合格」にももクロのスタイリストさんの米村弘光さんがスタイリストとして参加してました! 10年以上も前からやってるんだなーヨネちゃん。

2013-03-05 16:51:12