ボクと契約してイタコ少女になってよ! ※ただし美少女に限る 東北ずん子小説
ボクと契約してイタコ少女になってよ! ※ただし美少女に限る 東北ずん子小説 http://t.co/lNO9n4PjEl
2013-03-06 17:32:37横殴りの吹雪が吹き付けます。「特訓」という名目でずん子たちが訪れた青森・秋田の世界遺産、「白神山地」は、横穴を掘るだけで小さなかまくらが作れるほどの雪に覆われていました。
2013-03-06 17:33:05はっはっはー!! これぞ特訓やな!! いやー!! かまくらも捨てたもんじゃないで!! なかなかに快適やないか!! http://t.co/5di0fkQv6E
2013-03-06 17:33:14そうだねー!ヾ(*'∀`*)ノ 私、この特訓で一回り成長できてるような気がする!! http://t.co/hj34cDdihL
2013-03-06 17:33:25かまくらの中ではしゃいでいたしのびとずん子のテンションに、つるぎとうさぎがついてきません。自然の要塞としてあちこちに見所がある白神山地ですが、雪に覆われる季節は通常、通行を許可されていません。そう、要するに――。
2013-03-06 17:33:54『はい~……(泣) 先週から引き続いてぇ、ご主ずんさまたちの様子を伺いつつ尾行してもらおうと思ってたんですけどぉ……、霜やら結露やらで、「オートメンテナンスモード」に入ってしまったみたいで~……(泣)』 http://t.co/NoH1wcFoIO
2013-03-06 17:34:49めたん、そらさん、きりたん、そしてイタコ姉さまの四人は、大行列ができている新駅ビルのスタバを横目に、青森側から白神山地に入ろうとしていました。雪が入り込まないよう重装備のそらさんのアンドロイド・ボディは耐水性がないので、最も辛そうです。
2013-03-06 17:35:07ということは、ずん子たちに『接触――コンタクト――』しようと思っても無理じゃない……。こんなだだっ広い山の中で、あの子たちがどこにいるかなんて見当も――。 http://t.co/HMMRxI35Hm
2013-03-06 17:35:18――いえ、分かりますわ(´・ω・`) 寒いのは嫌ですけど、さくさく迎えに行きましょう。 http://t.co/hjB2Joy4Di
2013-03-06 17:35:29どうして分かるのか、三人の隣でじっと目を瞑っていたイタコが、溜息をついて森の奥を見やります。なんと、彼女は普段どおりのイタコ服のまま、特に防寒対策もしていないようです。
2013-03-06 17:35:40――そうですね! ずんねえさまからの愛の電波をビンビンに感じます! ……寒いですけど。ささ、めたんさんとそらさんも行きましょう。 http://t.co/VevxuMYoMS
2013-03-06 17:35:50ちょ、ちょっと待ちなさいよ!? なんで『確定事項――デスティニー――』のように話してるわけ!? 特にきりたんさんの感覚は信用できない! 超信用できないわよ!? http://t.co/YU7MRYXYNN
2013-03-06 17:35:58なんの躊躇いもなく山中へと足を踏み入れようとするイタコ姉さまときりたんを、めたんが呼び止めます。彼女の瞳には、目の前の森はまさに『迷宮――白い地獄――』に映っているのかもしれません。百メートル先すら見通せない状況で、十三万ヘクタールの山地へ踏み込むのです。
2013-03-06 17:36:11――……ま、まあわたしのはともかく。タコねえさまがいますから、大丈夫ですよ。 http://t.co/1Lnf2FGWUt
2013-03-06 17:36:25背中のきりたんぽのせいでなんだかよく分からない形に膨らんだ防寒着のずれを直しながら、きりたんが自信満々に言い切りました。自信はあっても寒いものは寒いのか、きりたんぽの排熱機構をプシュプシュと稼動させて服の中に熱風を起こしているせいで、やたら味噌くさいですが。
2013-03-06 17:36:41……言ったでしょう? あたしたち、一度ここに迷い込んだことがあるんですわ(`・ω・´) 時間がもったいないですから、歩きながら、昔話をしましょうか。 http://t.co/ZtdfkB3YLg
2013-03-06 17:36:50それに対して、いつもの白い装束に白い肌、そして銀色の髪をそのまま雪に晒しているイタコ姉さまは、その紅の瞳だけが、白銀の視界にぽっかりと浮かんでいるように見えます。あまりに景色に馴染んでいるので、ちょっと油断すると、誰もいない空間から声が響いているのかと思うほどに。
2013-03-06 17:37:01