ぼくがかんがえたキルミーベイベー

現場猫教授 @Dr_crowfake

「麻生台」からの命令がだんだん支離滅裂になってくるのに疑問を覚えたソーニャは、破壊工作員としてはあるまじきこと、命令の意図を探るための行動に出始める。そしてそれにより明らかにされた驚愕の真実。「これは「音楽院」が工作員訓練用に生み出した模擬現実なんだよ」「な、なんだってー！」

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そんなキルミーベイベー。もちろんやすなもあぎりもソーニャの脳内登場人物。ソーニャはステクリャーシュカ地下の培養槽で眠る量産型工作員SOP開発用の素体で、さまざまな模擬現実を経験することでSOP開発に寄与していた。

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ソーニャは模擬現実をかなぐり捨てたステクリャーシュカのSOP開発部門責任者と語り合う。「あたしの現実は、お前たちが捨て駒にするための工作員を生み出すためにしか存在しないのか？」「その通りだ。キミの経験をストレージから取り出し、経験移植システムで工作員に上書きする」

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「経験を上書きするには、履歴も近くないといけない、そうだな？」「うむ。キミのような履歴の人間は結構多いんだ。我々はチェチェンで散々暴れたからね。故郷と家族を失った子供たち、飢えに苦しみ、兵士に犯され、そして兵士に仕立て上げられた「子供たち」……キミはその典型として選ばれた」

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「そしてまた、そいつらを兵士として戦場に送り出すのか」「このグローバルな内戦状況の中では、やむを得ないし、リーズナブルな選択肢だ。素体S01号。キミは本当に役にたってくれたよ。だけど、キミがこの模擬現実に気づいた段階で、計画はご破算だ。キミを処分する他ないな」「お断りだ」

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そしてソーニャは夢から覚め、自らが入っていた培養槽をぶち破ると、ステクリャーシュカの担当官を殺害、地上へと出て光を浴びる。これは確かに現実だと思える。しかし一方でこうも思うのだ。「これもまた、模擬現実プログラムの一環、イレギュラーにどう対応するかの実験にすぎないのでは？」と。

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ちなみにステクリャーシュカとはロシア連邦軍参謀本部情報総局（GRU）の本部がある「ガラスビル」のこと。「アクアリウム（水族館）」ともいう。意識の底に潜り、夢を見るにはうってつけの場所ではある。