空間放射線量の語は誤解を招く。使わないほうがよい。
- HayakawaYukio
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弁護団は、原発事故による精神的苦痛を主張。事故当時妊婦だった女性に50万円、それ以外の原告に25万円を支払うことに加え、空間放射線量が事故前の毎時0・04マイクロシーベルトに戻るまで毎月3万〜8万円の慰謝料を支払うよう訴える。(毎日新聞福島)
空間放射線量あるいは空間線量ということばが市民権を得てしまったのは困ったものだ。使われ当初わたしは反対した。しかしもう、どうにも抗(あらが)いがたい。
2013-03-08 07:23:13空間放射線量をそのまま解すると、空間にある放射線の量ということになる。いま空間(大気中)に放射性物質が浮遊していてそこから放射線が出ているわけではない。放射性物質は地上にある。そこから出ている放射線を空中で測っているだけだ。@hayakawayukio
2013-03-08 07:25:03これを空間放射線量と呼ぶのには抵抗がある。おそらく多くのひとがこれを聞いて空中に放射性物質が漂っていると誤解してる。私はこの誤解を避けるために地上1mの放射線量などといつも言ってる。放射線を出している放射性物質はいま地表にあることを強調したい。@hayakawayukio
2013-03-08 07:27:18私は、空間(放射)線量の語を今後も使うつもりはない。この語を使っている人は、自分が使う言葉が誤解されることに対して無神経で不用心だと評価する。ときには、わざと誤解させて聞き手をだまそうとしているとまで評価する。@hayakawayukio
2013-03-08 07:29:17代案は、「地上放射線量」「地上1mでの放射線量」「地表放射線量(直置きの場合)」などだ。放射性物質がいま地表にあることは、いくら強調しても足りない。@hayakawayukio
2013-03-08 07:30:47原発事故直後は空間を放射性物質が漂ってきたから、空間を測るのでいいだろう。本来のモニタリングポストも事故による空間線量の一時的な上昇をとらえるものだろう。でも、漂ってきたものはただ通り過ぎずに、地面に落ちて地面を汚染した。今問題なのは、それ。
2013-03-08 07:31:28いま新聞が「空間放射線量」と書いたとき、地表にある放射性物質から出ている放射線を空中で測ったと正しく読み取るのは読者の5%くらいだろう。残り95%は、空中を漂っている放射性物質を測っていると誤解しているだろう。書いている記者のほとんどもそう思っているだろう。
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