
ニセ科学という名の絶望
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breathingpower
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東日本大震災から2年経とうとしています。
大震災と福島第一原子力発電所事故の後、被災地を中心にEMなどのニセ科学が猛威をふるっています。
私がネット上で関わったニセ科学について、少しだけ書かせていただきます。
EM(有用微生物群)通称EM菌
EM系のグループは、東日本大震災後最も大規模に被災地で活動を行っています。
特に福島県内での活動が顕著です。
EMの開発者、比嘉照夫氏が2013年3月7日にコラム、新・夢に生きる第69回を公開しました。
比嘉氏はコラムの中で「EMによる放射能対策は、予想外の成果を上げています」と述べています。
しかし、この発言には疑問点が多々あります。
2012年11月にEMー1が農研機構の放射性物質吸着資材に関する効果実証試験対象に選ばれました。
ところが、申請者のEM研究機構は辞退してしまいました。
本当にEMで除染出来るなら、何故実証試験に申請したのに辞退したのでしょうか?
EM研究機構はかつて、EM散布で作物中にセシウム137が移行し易くなると発表しました。
しかし何故か発表資料を削除しました。

フジテレビで2012年10月17日に「福島でまかれる"EM菌" 検証!除染効果はあるのか」という番組が放送されました。
番組の中で比嘉氏はフジテレビの記者に誤りを指摘されて、返答出来ませんでした。

参考:EMに関連するTogetterのタグ
EMBC
原発事故からわずか10日後に、外交ルートを使って政府与野党首脳に微生物除染を働きかけた団体がありました。
この団体は台湾で放射能を消滅させる実験を行ったと主張していました。
その後資料が非公開になりましたが、魚拓があります。
魚拓を読むと、放射能が消滅したのではなく、培養液のセシウム137が菌体に移っただけでした。
参考:EMBCに関連するTogetterのタグ
米のとぎ汁乳酸菌
原発事故後、米のとぎ汁乳酸菌による放射能防御が提案され、多くの人が実践しました。
しかし、提唱者から矛盾する発言が出てきました。
また提唱者が、微生物に関して本質的に誤った認識をしていることも明らかになりました。
参考:米のとぎ汁乳酸菌に関連するTogetterのタグ
ナノ純銀除染
2011年夏頃から、ナノ純銀で放射能を消せると主張するグループが現れました。
このグループは複数の政治家の支持を得て、週刊誌にも報道されました。
しかしナノ純銀除染に興味を示していた政治家の一人、下村博文・文科大臣はナノ純銀に除染効果が無いと国会で明言しました。

参考:ナノ純銀除染に関連するTogetterのタグ