１０１３年３月１０日　【愛媛新聞】　共感求めて（下）　東日本大震災圏内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」　意識差戸惑うばかり

しまなみ @shimanamis

【愛媛新聞３月１０日】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」　意識差戸惑うばかり①　「仕事の心配はあるが、愛媛に避難して本当によかった」。

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【愛媛新聞３月１０日】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」②　東京でフリーカメラマンとして働いていたマコトさん（４１）と妻のミキさん（３７）＝ともに仮名＝が、西条市の自宅近くで伸び伸びと遊ぶ子供たちの姿に目を細めた。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」③　東日本大震災発生当時、ミキさんは西条市の実家に里帰りしていた。東京電力福島第１原発事故が起きたのは、長女（５）と生後間もない次女（２）を連れて東京に戻ろうとした矢先だった。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今④　ミキさんは幼い子どもたちへの放射性物質の影響が心配で、しばらく様子を見守っていた。「今考えると、どうして戻れたのか分からない」が、埼玉県のマコトさんの実家近くの新居で２０１１年５月から家族４人の生活を始めた。

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【愛媛】県内自主避難者の今⑤　関東でも放射線量が局所的に高いホットスポットが見つかっていたが、近隣の情報はなかった。「もしかしたら公園の砂に放射性物質が付着しているかも」、どこが安全か分からず、子どもを外で遊ばせるのも時間を限っていた。家の窓は閉め切り、洗濯物も室内に干していた

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」⑥　「こんな生活がいつまで続くのか」と思い悩んでいたある日、マコトさんはミキさんから長女が部屋の隅で泣いていたと聞き、ショックを受けた。「ここにいてもいいことはないな」。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」⑦　西条市への移住を決め、まずミキさんが６月に子ども２人を連れて実家に避難した。　「これで伸び伸び子育てできる」。ほっとしたのもつかの間、ミキさんは再度、孤立感を味わうことに。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑧　友人らに戻ってきた理由を尋ねられ、内部被曝の危険性を理解してもらいたいと説明したが、「みんな住んでるのに」「神経質じゃない？」との反応が返ってきた。「分かってもらえないかもしれない」とは思っていたが、傷ついた。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」　意識差戸惑うばかり⑨　２人の感覚からすれば、愛媛には四国電力があるのに、なぜこんなに無関心でいられるのか分からない。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑩　「命より経済の方が大事みたいになっている。意識をもっと高めてもらいたい」「何か起こる前に想像力を働かせ、自分の頭で考えて欲しい」。理解してほしいが、意識の差に戸惑うばかりで、どうしたら伝わるのか分からないのが現状だ。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑪　経済的にも不安定な日々が続く。マコトさんは１２月に合流。１２年１月から撮影の仕事の営業を始めたが、なかなか仕事は見つからなかった。東京電力からの賠償金はなく、貯金も十分ではない。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑫　収入がないため、ミキさんとたびたび口論になった。「お金が入れば、どんな仕事でもいい」、８月にようやく、松山市のＮＰＯ法人の臨時職に採用された。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑬　ただ、契約は１年限りで、月収は２０万円に満たない。交通費やガソリン代は自分持ち、子どもたちの成長を考えると心配は尽きないが、「家族たちが元気なら何とかなる」と前向きに考えている。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今　「命より経済の方が大事みたいになっている」　意識差戸惑うばかり⑭　８月以降はカメラマンとして仕事のやり方を工夫しようと思っているが、それでも駄目なら、他の仕事をやるしかないと覚悟を決めた。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑮　救いは１２年５月、茨城県から西条市に避難してきた家族に出会ったことだ。「私たちと同じような人がいたんだ」。自分たちの環境や心情を理解してくれる人が近くにいる。そのことがうれしく、少し精神的に楽になった。

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【愛媛新聞】共感求めて（下）　東日本大震災県内自主避難者の今⑯　子どもたちは愛媛に来て、開放的になり、声が大きくなった。今度も娘２人が元気で安全に暮らせる生活を目指したいと思う。東京に戻ることは考えていない。愛媛に根を張り、早く生活を安定させたいと奮闘を続けている。