村上隆とセルフオリエンタリズム

叩かれる村上隆。村上隆の言説の問題点と背景について@inumashさんのツイートをまとめました 関連:「村上隆とセルフオリエンタリズム」を受けたツイートまとめ - Togetter http://togetter.com/li/47274 Togetter - 「村上隆批判と村上隆自身および東浩紀による反論など」 続きを読む
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董卓(不燃ごみ) @inumash

村上隆の言説に問題があるとするならば、自身の作品や言説が典型的なオリエンタリズムのそれと同じだから。オタク・カルチャーを(アジア・中東・アフリカなどの)民族文化に置き換えて考えると分かりやすい。 / 村上隆をぶん殴りたい理由 - 脳髄に… http://htn.to/n3LbJY

2010-09-03 01:33:24
董卓(不燃ごみ) @inumash

「現代美術の文脈」で村上隆を批評するならば、“セルフ・オリエンタリズム”という概念をベースにすることでその大枠は理解することが出来る。

2010-09-03 01:52:18
董卓(不燃ごみ) @inumash

“日本においてもセルフオリエンタリズムを決定的に押し進めたのが村上隆でした。そこにあるのは、異質で、白痴的で、漫画の精神しかない、愚劣な、歌麿的な、巨大な性器を持つ、浮世絵の枕絵的な日本人像なのです” / 大浦信行と村上隆/オリエンタリ… http://htn.to/jP8XGs

2010-09-03 01:55:49
董卓(不燃ごみ) @inumash

“欧米人の優越性に媚びた、こうした自嘲主義的なオリエンタリズムは、中国現代絵画の世界的成功と、そして村上隆の世界的な成功を生み出したのです。”

2010-09-03 01:57:26
董卓(不燃ごみ) @inumash

“こうした自虐的セルフ・オリエンタリズムが、日本に住む日本人には、不愉快であるのは、確かです。しかし、グローバリゼーションの世界の中で、この欧米人のオリエンタリズムの眼差しは、避けがたいものがあるのです。”

2010-09-03 01:58:09
董卓(不燃ごみ) @inumash

“アフリカの現代美術の隆盛にも、インドの現代美術の台頭にも、実はこのセルフ・オリエンタリズムに於いて成立していたのです。このことを理論的に明確に記述していたのは、森美術館で開催されたアフリカン・リミックスという美術展でした。”

2010-09-03 01:58:50
董卓(不燃ごみ) @inumash

“アフリカの現代アートが、国際的に台頭するためには、アイディンティティーを巡る、試行錯誤があったのです。それは最初には《凡アフリカ主義》が取られ、普遍的一般的なアフリカ性が追求された美術作品が生み出されましたが、失敗します。”

2010-09-03 01:59:13
董卓(不燃ごみ) @inumash

“次は、アフリカの各地の特殊事情が追求された、アフリカン・ローカリズムの作品が生み出されますが、これも国際的な評価を得られませんでした。そして欧米にオリエンタリズムに対応した、自虐的アフリカ美術が生み出され、国際的な認知が勝ち取られたのです。”

2010-09-03 01:59:44
董卓(不燃ごみ) @inumash

“同様な事が、インドでも、中国でも、日本でも、進行したのです。”

2010-09-03 02:01:35
董卓(不燃ごみ) @inumash

“こうして見るとき、村上隆を成立させたグローバリゼーションというものは、世界的に、あるゆがみの中で成立した事が、理解されます。世界を覆っていたのは、お欧米人の優越性と偏見によって形成されているオリエンタリズムであったのです。”

2010-09-03 02:01:47
董卓(不燃ごみ) @inumash

多分、この文脈が @hazuma の言う“外の歴史”の一端であり、同時に日本のオタクが村上隆の作品に嫌悪感を抱く主な要因でもあるように思う。

2010-09-03 02:14:27
董卓(不燃ごみ) @inumash

だから村上氏の諸作品を「誤訳である」と批判するのは(この文脈に沿えば)的外れだと考えて良いのだと思う。しかし個人的に解せないのは、村上氏が自身(及びその作品)を、“正当な翻訳”であるかのような態度・言説をしている点。もし本気でそう言っているならばそれはただの迎合ではないかと。

2010-09-03 02:22:23
董卓(不燃ごみ) @inumash

「意図的な誤訳を通じて現代美術の構造そのものを批評する」というのが“セルフ・オリエンタリズム”の基本戦略だと思うんだけど、しかしそこで描かれる文化はあくまでも“誤訳”であり“戯画”であり“自虐”に過ぎない。

2010-09-03 02:28:31
董卓(不燃ごみ) @inumash

だからその行為自体は(構造そのものの)批評にはなりえても、(オタク文化が内包する)テクストの理解には繋がらないんじゃないと思うんだけどなぁ。

2010-09-03 02:29:07
董卓(不燃ごみ) @inumash

いずれにせよ、戯画の対象たる“オタク”が、彼の作品に嫌悪感を持つのは当然かつ正当ではあるだろう。それに対して“現代美術の文脈~”というのは、意図の説明にはなり得ても嫌悪の解消には繋がらない。まして自身を“正当な翻訳者”と位置付けているのならなおさらだ。

2010-09-03 02:36:04
董卓(不燃ごみ) @inumash

さて、では日本のアニメ・マンガなどのサブカルチャーを楽しむ欧米のオタクは“オリエンタリズム”とは無縁なのだろうか?多分そうじゃないんだろう。

2010-09-03 02:43:42
董卓(不燃ごみ) @inumash

更に、アニメ・マンガの受容のされ方として“現実からの逃避”あるいは“理想化された現実”という文脈があり、それはオリエンタリズムと構造的に似ている部分があるよね。

2010-09-03 02:45:51
董卓(不燃ごみ) @inumash

しかも日本のサブカルチャー自体も“オリエンタリズム”という問題を内包している。そう考えるとかなり複雑なレイヤーを持った問題なんだろうな、これは。

2010-09-03 02:48:06