今日は素敵なホワイトデー

※フィクションです
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岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

今日は素敵なホワイトデー。一月前にいとしの彼女からもらったチョコのお返しに、気合いを入れて用意したのはバラの花束。仕事の合間を縫って買い、奮発して三倍返し。きっと彼女も喜んでくれにるに違いない。花屋で軒先に並ぶ花を選んでいるときから、彼女の笑顔を想像し思わず顔がほころんだ。

2013-03-14 21:48:17
岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

「今日は残業もないから早めに帰るよ。一緒にご飯でも食べよう」メールを打って数時間、結局仕事は定時で片付かず、仕方なく残業に突入。仕事中は夢中で携帯が鳴ったのにも気づかなかった。九時に会社を出て、いざ彼女のもとへ。遅れてごめん、とメールを打とうとして、携帯を開いてメールに気づいた。

2013-03-14 21:53:04
岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

メールは彼女からだった。やたらに長文で、最初から目を通すのも億劫になるくらいだったから、大筋だけを読み流してスクロールしていった。頭がぼおっとしていた。仕事のせいじゃなかった。メールの最後までたどり着いて、思わずもう一度最初から読み直した。最後には「別れましょう」と書いてあった。

2013-03-14 21:57:40
岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

何かの間違いであってほしかった。だが何度読み直しても、その結論だけは明確で覆ることはなかった。何かを返す気にもなれず、結局携帯を閉じて頭を腕の中へと押し込んだ。電車の中だったが思わずこらえきれずに嗚咽を漏らした。足元では彼女のために用意しておいた薔薇が、赤く咲き誇っていた。

2013-03-14 22:01:55
岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

彼女と待ち合わせる駅に着いたとき、立ち上がろうとして、もういく必要がないんだと思い、自宅の最寄り駅までそのまま向かうことにした。プレゼント用の薔薇を持って、終点の駅で降りた。家に帰ったら、この薔薇はどうしようか。そんなことばかりが頭に浮かんだ。

2013-03-14 22:05:24
岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

Fin ※この話はフィクションです。

2013-03-14 22:06:34
岩尾 葵@11/23 秘メンね30a @180a01

ちなみに※この話はたまたま見かけた人を元にしたフィクションです。実際の人物とはおそらく関係ないと信じたい。

2013-03-14 22:16:57