SF作家、笹本祐一先生の回顧録

星雲賞・受賞作『星のパイロット』の復刊を機に当時を振り返る 笹本 先生(@sasamotoU1)のツイートをまとめました。
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笹本祐一 @sasamotoU1

星のパイロット2、彗星狩り、上下そろいました。 http://t.co/ziY0oqMLmA http://t.co/IkOGh9FNDX

2013-03-16 13:05:07
笹本祐一 @sasamotoU1

シリーズ第一作となる星のパイロットはこちら。http://t.co/jw7egP833V … キンドル版もあります。ノベルス版には1995年西海岸航空宇宙の旅、かれこれ20年近く前の取材旅行日記も収録されております。

2013-03-16 13:08:54
笹本祐一 @sasamotoU1

思い起こせば1994年2月、初めて目の前で見たHーIIロケットの打ち上げ。はるばる種子島まで出かけた最初の取材。延期された打ち上げは簡単に当初のスケジュールを吹っ飛ばし、目の前で点火されたロケットは3キロ半離れていても耳元で怒鳴っても聞えないような轟音とともに飛んでいきました。

2013-03-16 13:11:26
笹本祐一 @sasamotoU1

点火から約10秒遅れて聞えてきた轟音は腹に響く重厚な今まで聞いたことがないような交響楽。こりゃー面白いってんで94年のシャトル、95年の打ち上げも見に行き、95年のシャトルも行く予定だったんだけど延期になったんで代わりにLA周辺廻ったのが第一巻収録の取材日記です。

2013-03-16 13:13:35
笹本祐一 @sasamotoU1

セスナとムスタングがくつわを並べているような地方空港で突然はじまったB25のエンジン運転とか、野田大元帥紹介の広報の長老にしこたま濃い話聞かせて貰ったJPLとか、面白すぎる取材旅行はこりゃ忘れるにはもったいないってんで帰ってきてから日記にしたのが最初の取材日記になりました。

2013-03-16 13:16:31
笹本祐一 @sasamotoU1

当時ARIELがメインだったソノラマ編集部に「そういうわけでこんな宇宙開発ものいかがでしょう」って話を持ち込みました。当時の担当はARIELが売れてたんで、並行して好きなものやっていいよ、って編集で、おかげで星のパイロットは作者の趣味丸出し全開なものになりました。

2013-03-16 13:18:41
笹本祐一 @sasamotoU1

「いいの今回は売れなくても」「作者が嬉しいからそれでいいの」ってんで出たのが星のパイロット。http://t.co/jw7egP833V ところが売れ行きはそりゃ静かなもんでしたが、意外にもこれが好評でした。「あれ、続き大丈夫ですか?」って読んだ人に心配されるシリーズも珍しい。

2013-03-16 13:20:14
笹本祐一 @sasamotoU1

とりあえず「二巻目出していいよ」ってくらいの売れ行きは確保できたんで、では、ってんで書き始めたのが第二巻、彗星狩り。話の元のインスピレーションはじつはトップを狙え第二話、おねえさまとノリコが太陽系をかすめる高速遭難船に接触して帰ってくるシークエンス。

2013-03-16 13:22:41
笹本祐一 @sasamotoU1

冒頭のオークションのシーンは、やはり95年のLA旅行で寄った切手コレクションのオークション会社の雰囲気を参考にしております。切手だけじゃなくて宇宙もののコレクションのオークションも手懸けてて、それに寄ったのがことの始まり。 http://t.co/fn6Q9N5HcA

2013-03-16 13:26:27
笹本祐一 @sasamotoU1

上下巻のつもりではじめた彗星獲得レースが、飛行計画(フライト・プラン)の策定から宇宙船の組み立てまででいっくらでもやることがあることあること。おかげで本書きながら「宇宙開発とは手間のかかるものだな」という実感を得られました。http://t.co/ziY0oqMLmA

2013-03-16 13:27:43
笹本祐一 @sasamotoU1

だって、宇宙空間で宇宙船組み立て用と思ったらロボットアームを設置する場所から作らなきゃならないんだぜ。小説だからめんどくさいとこすっ飛ばしてるのにこれだもの、そりゃー現実の宇宙開発なんて嫌になるほど手間かかるさ。

2013-03-16 13:28:43
笹本祐一 @sasamotoU1

最大1500万キロ地球から離れるという設定なので、通信にタイムラグかかるとはどういうことかという実験に電話で捕まえた友人を付き合わせます。「そういうわけで俺とおまえは300万キロ離れてる。俺が話し終わってから10秒たってから話し始めてくれ」

2013-03-16 13:29:54
笹本祐一 @sasamotoU1

てな面白い手間かけて、文庫本で全三巻に膨れあがった彗星狩りは幸いなことに好評を持って迎えられ、作者にとってはほんと考えもしなかった意外なことに1999年の星雲賞日本長篇部門まで受賞しました。これが笹本にとって最初の星雲賞になりました。 http://t.co/IkOGh9FNDX

2013-03-16 13:31:59
笹本祐一 @sasamotoU1

というわけで、星のパイロットで笹本は「SF作家と名乗ってもいいよ」ってお墨付き貰った気がします。前半揃いましたんで、未読の方はぜひ。http://t.co/jw7egP833V http://t.co/ziY0oqMLmA http://t.co/IkOGh9FNDX

2013-03-16 13:35:14

笹本祐一 @sasamotoU1

おお、昨日のツイートの影響か彗星狩り(下)の順位大幅アップしてる。ありがとうございます。http://t.co/dCk7r9jZ10 第一巻目の星のパイロットは、旧版がJコミで無料公開中です。 http://t.co/z5K59DjTAq

2013-03-17 13:32:47
笹本祐一 @sasamotoU1

Jコミで無料全文公開中の星のパイロット一巻目は、ソノラマ文庫で出版された旧版です。 http://t.co/z5K59DjTAq 再刊された星のパイロットは本文修正とそれから95年の西海岸航空宇宙取材日記で大幅増量されております。 http://t.co/0REGWht8Vs

2013-03-17 13:34:48