神代 啓 (Kei Kamishiro) ars_luculenta さんによる著作権侵害(親告罪限定)の時効解説

神代啓さんに著作権侵害行為の時効の起算がどの時点からスタートするのか等を説明いただきました。 民事上の「継続的不法行為」&「加害者了知」 刑事上の「犯罪の継続中」&「犯人を知つた時」 それぞれの詳細と差違は目から鱗でした。
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大村k.n @ohmura_keru

@ars_luculenta 神代さん、激務抜けで申し訳ないのですがちょっと教えて頂きたいことがありまして。気が向いたらお願いします

2013-03-17 00:21:58
大村k.n @ohmura_keru

@ars_luculenta 此方のサイトに書かれてる(http://t.co/H8hYHkPOEr)著作権侵害における「犯罪の継続中に犯人を知った日が告訴期間の起算日にはならない」と「継続的不法行為の場合は、侵害が継続していれば、消滅時効も進行する」の継続というものは(続

2013-03-17 00:22:37
大村k.n @ohmura_keru

@ars_luculenta 公衆送信可能状態にされてたり、展示されてる状態が継続しているということだけで満たすものですかね?それとも他に何かが必要な事柄ってありますでしょうか

2013-03-17 00:23:38
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 遅くなって申し訳ありません。とりあえず大村さんが継続という共通性で挙げた二つにおいて、前者(「犯罪の継続中に~」)が刑事規律、後者(「継続的不法行為の場合は~」)が民事規律に係るものなので分けてお話しさせて下さい。

2013-03-17 08:08:23
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 結論だけ先に書くと、リンクを貼って下さったURL先の文脈からして、告訴又は提訴が消滅時効にかかるか否かの要件としての「継続」性ということならば、各々被害者(等)が「犯人を知った」、「損害及び加害者を知った」ということも必要です。

2013-03-17 08:09:14
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 右の様に書くと当たり前の様に思えますが、何故必要かというと「犯人を知った」又は「加害者を知った」とは具体的に犯人又は加害者の「何を」知ったことであるかが条文上規定されておらず、且つ判例や学説でも刑事と民事とでは内容が違うものとして考えられているからです。

2013-03-17 08:11:03
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru まず前者の「犯罪の継続中に~」の「継続」について。本題に入るまでに刑事に係る前提として以下少し補足させて下さい。

2013-03-17 08:11:44
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 告訴期間は所謂親告罪(刑訴法235条1項1号2号にあたるものを除く)において例外的に定められた期間(同法235条)です。

2013-03-17 08:14:30
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 、原則としてみた一般的な罪における公訴時効とは起算点(犯罪行為が終わつた時。同法253条。告訴期間の起算点は犯人を知つた時(同法235条1項本文))も期間(同法250条)も、親告罪のものとは別に規定されてます。

2013-03-17 08:15:28
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 刑事訴訟において、親告罪に関する告訴は訴訟条件で、公訴(の提起)は訴訟行為と解されている為なのですが、細かくて逸れるので申し訳ありませんがここでは割愛させて下さい。

2013-03-17 08:16:06
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru ここで著作権法123条に列挙されている条文の罪は親告罪で告訴期間も問題になりますが、それ以外の著作権法上の罪は告訴期間は無く公訴時効のみが問題になります(例えば同法122条の罪なら告訴は公訴時効が完成する三年までなら可能(刑訴法250条2項6号))

2013-03-17 08:17:22
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru やっと本題ですみませんが大村さんが送信可能化権を例示列挙した為、その権利につき問題としていること、送信可能化権侵害の罪(著作権法109条1項の罪)は親告罪であること(同法123条1項)から、著作権法上の罪の中でも親告罪のものについてお話しさせて頂きます。

2013-03-17 08:18:58
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 勝手な判断ですが「展示」については原著作物の複製物を表示したり利用したりすることを指していて、著作権法上の展示権(著作権法25条)にかかるものではないだろうと判断しました。

2013-03-17 08:19:37
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 先に述べた「犯人を知つた時」は、摘示して下さったURL先に引用されているように判例では次のように判示しています。

2013-03-17 08:20:27
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 「なお、刑訴二三五条一項にいわゆる「犯人を知つた」とは、犯人が誰であるかを知ることをいい、告訴権者において、犯人の住所氏名などの詳細を知る必要はないけれども、少くとも犯人の何人たるかを特定し得る程度に認識することを要するものと解すべきである」

2013-03-17 08:21:16
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 判例全文は http://t.co/iXTbXiOaMK です。(ただ、これは「強制猥褻、同未遂、強制猥褻致傷、窃盗」の罪における告訴期間に関する判例ということに留意する必要があると考えます)

2013-03-17 08:22:07
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru ここで、今問題にしている送信可能化権等侵害の罪で「告訴期間の起算点」を判断しようとしたとき、刑事の一般的な親告罪として「犯人を知った」という判断だけ取り上げれば、普通に前述判例の規範を当て嵌め得易いです。

2013-03-17 08:22:48
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru しかし大枠の「公訴時効の起算点」につき、送信可能化権侵害の罪は継続犯と解されており、公訴時効自体が進行しないと解されているので、犯人が当該侵害行為を止めた時から公訴時効が進行します

2013-03-17 08:23:26
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru この前提でURL先は「犯罪行為の終了時点(送信可能化権侵害を止めた時)から告訴期間が進行する(公訴時効が進行を開始して初めて告訴期間も進行する)ので犯罪の継続中(送信可能化を止めない間)に犯人を知った日が告訴期間の起算日にはならない」と書いたと考えます。

2013-03-17 08:43:05
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru つまり今取り上げているケース(送信可能化権の侵害)だと「犯人を知ること且つ侵害行為が無くなったことを要件とし、その要件が満たされた時が告訴期間の起算点になる」ということの別の言い方です。

2013-03-17 08:43:21
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 一方後者の「継続的不法行為の場合は~」の「継続」について。

2013-03-17 08:43:41
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru 民事不法行為訴訟については刑事における親告罪のような提訴の期間についての特例が規定されていないので、原則「被害者(又はその法定代理人)が損害及び加害者を知った時」から請求権を行使しなければ三年で(訴権で無く)請求権が消滅時効にかかります(民法724条)。

2013-03-17 08:43:56
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru また「不法行為(権利侵害)時」から二十年経過しても消滅します(同法同条)。因みにこの二十年は消滅時効では無く除斥期間(時効と違って中断しない)と解されています。

2013-03-17 08:44:15
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru ここで民法724条にいう「加害者を知った時」は刑事よりも具体的で、「加害者の住所氏名を的確に知って損害賠償請求が事実上可能になった時点」とされています(http://t.co/k64VxGOx5C)。(加害者了知)

2013-03-17 08:44:42
神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta

@ohmura_keru この差異は刑事事件での公訴(証拠の収集等も含め)は検察官等が主になって司法(国)が行うのに対して、民事事件での提訴は原告本人が主になって行う為、訴訟が可能な程度に達するまでに時効が進行すると解すると、消滅時効の趣旨に反して被害者の不利益になるからです。

2013-03-17 08:45:08
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コメント

大村k.n @ohmura_keru 2013年3月17日
神代さんによる解説をまとめました。
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神代 啓 (Kei Kamishiro) @ars_luculenta 2014年6月5日
1年以上たった後で自分でこの纏めを見る機会が在りようやく気づいたんですが、上から12番目のTweet(私(ars_luculenta)もののみだと9番目)の赤字の部分である「送信可能化権侵害の罪(著作権法『109条1項』の罪)は親告罪であること(同法123条1項)から、~」の『109条1項』は『119条1項』の誤りです。ごめんなさい。お詫びして訂正します。ハズカシイ・・・(ノ∀\)
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