《『福島民報』連載 揺らいだ基準 第1回》

今日は、2011年4月29日、小佐古氏の涙の辞任会見について。 「国の専門家は国の方針に異議を唱えないはず」「国の裁判で国側の証人に立つ専門家は国の方針の代弁者」という事を明言してくれて、ありがとうございます。 国が任命するのは「御用学者」と疑って良い、ということですね
6
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

第二部 安全の指標(6) 揺らいだ基準 涙の訴え波紋広がる | 東日本大震災 | 福島民報 http://t.co/DYdaZKkngc @FKSminpoさんから 昨日記事で2011年6月に話が行ったのに、今日は4月に逆戻り。小佐古氏涙の会見の話。裏切り者扱い。

2013-03-18 11:52:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 「この数値(年間積算放射線量20ミリシーベルト)を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、わたしのヒューマニズムからしても受け入れ難い」  平成23年4月29日。首相の菅直人(66)らの肝いりで内閣官房参与に任命された東大教授の小佐古敏荘氏の会見。

2013-03-18 11:54:26
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 小佐古氏は涙ながらに県内の小学校などの校庭利用の目安を厳格化するよう訴えた。東京電力福島第一原発事故対応の知恵袋として参与の辞令を受けてからわずか45日目の「辞任劇」だった。

2013-03-18 11:55:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 『福島民報』引用「この数値(年間積算放射線量20ミリシーベルト)を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、わたしのヒューマニズムからしても受け入れ難い」 平成23年4月29日。首相の菅直人(66)らの肝いりで内閣官房参与に任命された東大教授の小佐古敏荘氏。

2013-03-18 11:55:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 国際放射線防護委員会(ICRP)の委員を長年務めた国際的権威が、菅内閣に三くだり半を突き付けたことは衝撃だった。ICRPの勧告に基づいて「年間20ミリシーベルト」から計画的避難区域、校庭利用の目安を示した政府への不信感を増幅させ、その後も「基準」は揺らぎ続けた。

2013-03-18 11:56:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 4月11日、政府は計画的避難区域の設定目安を「年間積算放射線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある地域」とした。8日後の19日には、文部科学省が年間積算放射線量20ミリシーベルトを上限に福島県内の小学校などの校庭利用の目安を毎時3.8マイクロシーベルトと算出した。

2013-03-18 12:02:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 どちらも20ミリシーベルトなのに、避難の目安と校庭利用の目安を一緒にしていいのか-。多くの県民が理解に苦しんだ。

2013-03-18 12:03:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6  13日には原子力安全委員会の一部の委員が年間被ばく限度を成人の半分の10ミリシーベルトとして、登校の可否を判断すべきと発言した。翌日、文部科学相の高木義明(67)が20ミリシーベルトに軌道修正した。政府内にもぶれが見えていた。

2013-03-18 12:04:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7  そこに小佐古の記者会見が降って湧いた。「年間20ミリシーベルト近い被ばくは、原発の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値の使用に強く抗議し、見直しを求める」。テレビで流れた涙の訴えは、瞬く間に波紋を広げた。

2013-03-18 12:04:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 「20ミリシーベルトは安全なのか、危険なのか」。県に問い合わせの電話が殺到した。

2013-03-18 12:04:58
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9  記者会見の翌日の30日。首相官邸で開かれた復興構想会議終了後、副知事の内堀雅雄(48)は校庭利用の目安について国が説明責任を果たすよう官房副長官の福山哲郎(51)に申し入れた。

2013-03-18 12:05:27
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 「意見があちらこちらから出てきて困惑している。県民は何を頼りに安全、安心を実感していいのか分からない」と直訴した。

2013-03-18 12:05:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11  「小佐古先生に何があったんだ」。小佐古を知る専門家の多くが違和感を感じていた。原爆症認定集団訴訟で国側の証人として出廷し、国の主張に沿った発言をしてきた小佐古が事もあろうに国に反旗を翻した-。

2013-03-18 12:06:02
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12  県内で放射線の健康リスクについて講演していた山下俊一氏は「後ろから鉄砲玉が飛んできたようだった」と振り返る。「放射線防護の国際的権威」と評されていた小佐古の言動が不可解だった。

2013-03-18 12:06:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 外相だった玄葉光一郎氏も「小佐古先生は当初『これくらい(の放射線量)なら大丈夫』と言っていたはずだ。何で逆のことを言い出したんだ」と思った。 以上、引用終り

2013-03-18 12:07:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 以下、感想と疑問。一読して、驚いた。小佐古発言に対して、まるで「裏切り者」扱いではないか?しかもその理由が「原爆症認定集団訴訟で国側の証人として出廷し、国の主張に沿った発言をしてきた」小佐古氏が国の主張に異を唱えたから、と『福島民報』が堂々と書いている。

2013-03-18 12:09:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 もう少し意訳すると「同じ御用学者の仲間だと思ってきた小佐古氏が、国の方針を裏切った」という趣旨のことを、堂々と書いている。しかも、記事全体のトーンは、山下氏と玄葉議員の側、裏切られたと感じる側に立っているとしか読めない。「わが社は御用学者と同じ側に立ってます」宣言か?

2013-03-18 12:13:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 小佐古氏が、涙で辞任会見をしたことは、当時多くの場所で話題になった。特に小佐古氏は、先日経済産業省が出した資料 http://t.co/ntWMzWbcKP でも権威として使われている、ICRPの委員でも会ったのだ。では、小佐古氏の主張はICRPの基準に背いているのだろうか

2013-03-18 12:16:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 ICRPでも実は、年100ミリとか、年20ミリで一般住民が生活してよいなどという話は、なされていないのだ。小佐古氏は、勝手に都合よくICRP基準をもてあそぶことに対して、異議を唱えただけに過ぎない。

2013-03-18 12:18:25
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 ICRPが認める20~100ミリシーベルトの被曝は、事故が起きて、避難途中であっても、それ以上被曝してはいけないという基準のことだ。高濃度の汚染の中を防護なしに避難させたりしてはいけないという意味だ。勿論、その中で屋外で遊んだりスポーツしたりするような状態ではない。

2013-03-18 12:20:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 ICRPが認める1ミリ~20ミリの被曝とは、ICRPでは「現存被曝状況」の時に適用する数字だ。「現存被曝状況」とは、原発事故の場合原子炉が「冷温停止」し、これ以上汚染が広がらないという「収束」状態になったあとに、住民が避難先から汚染状況を確認しながら戻る際に使用する数字だ。

2013-03-18 12:33:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 東京電力の原発事故に関しては2011年12月16日に野田首相(当時)が「冷温停止状態」に基づく「収束」を宣言した。が、これは国際基準で言う「冷温停止」とも「収束」とも全く異なっている。格納容器が破損して、どこかに放射性物質が漏れている状態では「冷温停止」は達成不可能なのだ。

2013-03-18 12:35:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 日本政府は、現在の原発事故周辺の状況を、「ICRPがいう現存被曝状況だ」と主張して、年20ミリを当てはめようとしているのだが、小佐古氏が記者会見した段階では、まだそこまでも達していなかったのだ。その時点では、再度状況が深刻化する可能性が大きかった。

2013-03-18 12:37:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 小佐古氏の会見時点では、東京電力が一応の安定の目安としている「循環冷却システム」さえ、確立されていない。原発の状況は、全く落ち着きを見せていなかった。ICRPの基準を使うなら、「緊急時」が継続中で、余分な被曝の可能性があるなら、避難の移動を続けるべき段階だった。

2013-03-18 12:40:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

23 記事にあるように、国は住民の避難基準と、子どもの校庭使用基準を、どちらも年20ミリシーベルトにした。さらに細かく言うと、避難基準は住宅と庭の空間線量で計測し、住民が生活で移動する範囲や農地、山林の線量は全く考慮されていなかった。校庭も、数箇所計測しての平均数値だった。

2013-03-18 12:43:01