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山本七平bot @yamamoto7hei
①【「諸悪の根元」を根絶しても理想社会は到来しない】孔子の時代もまた無規範の時代であった。 …当時の様々な事件を挙げていけば、暗殺・虐殺…兄妹相姦・スワッピング等々…があり、これが決して現代の特徴でもなければ、近代化・工業化・都市化の為に起こった現象でもない事を示している。
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②社会の崩壊と共に生ずる無規範の歴史も、長くかつ根深い。 では、それは克服できないのか。 一体これにどう対処すればよいのか。 こういう無規範状態は法律を厳しくし、警察権力を量的にも質的にも拡大し、いわば警察国家を作って徹底的に取り締まれば脱却できるであろうか<『論語の読み方』
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③簡単に言えば「新・治安維持法」とでもいうべきものを制定し、警察官を現在の十倍にすれば、ニューヨークは東京になりうるであろうか。 無理である。 というのは、そういう時代には警察官も内的規範を喪失しているから、無規範状態の克服は余計にむずかしくなるだけである。
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④孔子は次のように言っている。…(原文省略)… 「法律一点ばりの政治の下にあっては、一般の道徳感情が地に落ちる。 つまり人民は法律に触れさえしなければ、何をしてもいいと考え、ついには法にひっかからねば、どんな悪事を犯そうと恥じる事を知らない人間ができあがる」という状態、(続
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⑤続>すなわち「民免れて恥なし」となり、弁護士だけがやたらに多くなり、かつ繁昌するという社会になってしまう。 そうでなく、この逆を行なえば、すなわち「これを導くに徳を以ってし、これをととのうるに礼を以ってすれば、恥ありてかつ格(ただ)し」(為政第二19) となるのである。
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⑥ところが人は必ずしもそう考えない。 悪人どもを一掃すれば、すなわち「諸悪の根元」を根絶すれば世の中はよくなると考える。 したがって、そう見られた人間を殺すことを平然と「粛清」と称し――まったく驚きいった言葉である――国中を収容所群島で満たす。
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⑦では、それで理想社会ができるのか。 否、益々悪くなるだけである。 「世の中をよくする為に悪党を全部殺したら、などと考えるのは大きな間違いである。
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⑧「政治の目的は人民を生かす事にあるのだから。 治者の徳性は風であり、人民の徳性は草である。 善道の風を送れば、民は必ずこれに従って善道になびく」 …これが孔子の基本的な考えである。

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