《『福島民報』連載 安全の指標 揺らいだ基準 第2回》
- karitoshi2011
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揺らいだ基準 影の助言チーム結成 1 以下、福島民報記事から引用。 東京電力福島第一原発事故直後の平成23年3月16日。政府と東電が初動対応で後手に回る中、危機管理の空白を埋めようと、原子力の専門家らによる非公式な助言チームがひそかにつくられた。
2013-03-19 16:32:272 中心となったのが国際放射線防護委員会(ICRP)の委員を長年務めた東大教授の小佐古敏荘氏だった。
2013-03-19 16:33:023 原発事故で官邸に専門的な助言をするのは法律で内閣府の原子力安全委員会と決まっていた。だが、委員長の班目春樹氏は3月12日の1号機の水素爆発の約8時間前に「爆発は起きない」と首相の菅直人氏に断言したことで信頼を失っていた。
2013-03-19 16:33:394 各省庁から官邸に詰めていた官僚たちも原子力安全委に冷ややかな視線を送った。14日には3号機で水素爆発が起きた。 原子力安全委が果たすべき助言機能が不全に陥り、業を煮やした閣僚らが「影の助言チーム」結成に動いた。
2013-03-19 16:34:095 3号機の水素爆発から一夜明けた3月15日朝。政府も東電も対応に右往左往していた。民主党の衆院議員で工学博士の空本誠喜氏は国土交通副大臣の三井弁雄氏に呼ばれた。建屋への放水について助言を求められ、空本は自衛隊に出動を要請すべきだと進言した。
2013-03-19 16:35:146 空本氏は東大大学院で原子力工学を専攻し、東芝で原発プラントの設計に携わった経験があった。国会議員の中で原子力通として知られていた。 空本氏は三井氏からの指示で、国交相の大畠章宏(63)の元に足を運んだ。
2013-03-19 16:38:127 大畠氏は厳しい表情で口を開いた。「官邸が機能していない。バックアップしなければならない」。助言チーム結成の話だった。空本氏は二つ返事で応じた。
2013-03-19 16:38:408 大畠氏も日立製作所で原発プラントの設計や建設に従事した経験があった。それだけに、原子力行政の担当ではなくても危機感は人一倍強かった。一方、菅首相は東京工大の同窓生らを次々と官邸に呼んで助言を求めていた。
2013-03-19 16:39:179 「水素爆発で班目さんは『でたらめさん』だったことが分かった。菅さんは安全委を見切り、個人的に家庭教師を付けた。みんなばらばらだった」。空本氏は振り返る。
2013-03-19 16:39:4410 助言チームの人選を任された空本氏が中心に据えたのが、小佐古氏だった。小佐古氏は空本氏と同郷の広島県出身で、東大の恩師でもあった。放射線防護が専門で原発の仕組みにも通じていた。空本氏は「国の一大事だから」と頼み込んだ。
2013-03-19 16:41:2911 小佐古氏と関係の近い内閣府原子力委員長の近藤駿介氏も協力してくれることになった。15日午後6時半ごろ、空本氏の携帯電話が鳴った。「原子力に詳しいようだから官邸に入ってくれないか」。首相の菅氏からだった。
2013-03-19 16:42:0512 その10分後、小佐古氏が東京・霞ケ関の国交大臣室に到着した。前首相の鳩山由紀夫氏や国土交通政務官の小泉俊明氏らもいた。空本氏が事故の現状を説明し、小佐古氏は「チェルノブイリ級になるかもしれない」と強調した。
2013-03-19 16:42:5513 空本氏は小佐古氏を連れて経済産業省に足を運び、経産相の海江田万里氏に事情を説明した。その後、官邸の首相執務室で菅氏からあらためて「手伝ってくれないか」と要請された。空本氏は「既に動いています」と答えた。(肩書きは当時) 以上、引用終り。
2013-03-19 16:44:0614 以下、感想と疑問など。この記事は、連載の前回の流れからすると、「小佐古氏が山下氏たちを裏切った」という流れを説明するためのものと思われる。が、今日の記事には山下俊一氏は一度も登場しない。代わりに、私にとっては見慣れない、民主党の衆議院議員(当時)空本誠喜氏が登場する。
2013-03-19 16:47:1315 空本誠喜氏がこのあとどのように『福島民報』の記事で描かれるのかはわからないが、小佐古氏の会見後の5月2日、テレビ朝日の『ワイドスクランブル』に出演した空元氏は、小佐古氏に肯定的な意見を述べている。
2013-03-19 21:21:4616 「原子力安全委が果たすべき助言機能が不全に陥り、業を煮やした閣僚らが『影の助言チーム』結成に動いた。」の記述が意味不明だ。安全委員会が機能不全になったとしたら、この緊急時に官邸をサポートする形で参加すべき閣僚が、なぜ各自の判断と意志で動こうとしたのだろうか?
2013-03-19 21:24:3917 さしあたってここでわかるのは、国土交通大臣だった大畠氏が、鳩山元首相らと組んで独自の動きをしていた、言い直せば閣僚として一致した行動ではない行動をしていた、という事だ。三井氏もそういう独自行動をしていた中の一人だったということだ。
2013-03-19 21:27:5618 記事中にあるように、大畠国土交通大臣は日立の原発建設のOB,三井氏は東芝の原発設計のOB。つまり、二人とも原子力ムラ出身なのだ。この二人が一致して、菅首相から離れた行動を取っていくのは、その後の菅首相の脱原発に向けた言動から考えると、むしろ当然だったのかもしれない。
2013-03-19 21:31:1819 「閣僚らが影の助言チームを作った」と記事にあるが、この文章の中で判るのは、「原子力ムラの人たちが、首相を無視するチームを作った」という事だ。その、原子力ムラの助言チームが中心にすえたのが、小佐古氏。つまり、「ムラの仲間」だと思ってきたのだ。
2013-03-19 21:37:4820 昨日の記事から、この連載は脱線している。どこに着地するのかは、予想が付かない。ことにしておこう。この記事の流れからすると、結論は2択しかない。小佐古氏の涙の辞任会見を是とするか、非とするか。過去の『福島民報』の論調からすると、非とせざるを得ない。
2013-03-19 21:40:5121 なぜなら、『福島民報』は100ミリ安全を主張する山下俊一氏を是としているのだから。年20ミリでも危険という小佐古氏を是とすることなど、社論の転換でも行わない限り、不可能だからだ。
2013-03-19 21:42:31