「大岡裁き」の視点から陸山会事件控訴棄却判決を考える

石川さん達の裁判の控訴棄却の判断の非合理性がどこから生まれるか、「大岡裁き」の本質的な問題がそこにあるのではないかと言うことを考えてみた。
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木下秀明 @khideaki

マル激のNコメで宮台真司さんが指摘していた「大岡裁き」の問題性も重要なものだと感じた。「大岡裁き」は多くの日本人が好きなもので、感情的なカタルシスをもたらす。それは悪い奴が懲らしめられていると感じられるからだ。だが誰が「悪い」と言うことを判断するのか?それは全能者の大岡越前だ。

2013-03-17 20:39:17
木下秀明 @khideaki

全能者の大岡越前は決して間違えない。そこには無謬神話がある。大岡越前が悪い奴だと断定したものは絶対に悪い奴に決まっていることになる。フィクションならそれでもいいだろうが、現実にはいくらでも間違える可能性がある。間違った判断で断罪される人間は人々のカタルシスのための生け贄とされる。

2013-03-17 20:40:58
木下秀明 @khideaki

無謬の全能者であるとされていた検察のずさんな捜査能力が次々と暴露されている。全能では全くなく、無謬でもなかったことが明らかになっている。その検察に大岡裁きを任せると言うことは、えん罪を生み出して人々の感情によってその間違いを隠蔽するという結果を招く。多くの人がそれに気づき始めた。

2013-03-17 20:43:47
木下秀明 @khideaki

陸山会事件において控訴棄却という不合理な結果を出したのは無謬神話を守るためだろうと思っているが、それによって隠蔽された間違いは検察の捜査能力の無能さというものだ。この無能さは始めに結論ありきという手法にその原因がある。この手法を改めない限り無能さを脱することは出来ない。

2013-03-17 20:45:37
木下秀明 @khideaki

司法が不合理な判断を出すのは、ほとんどの場合その捜査能力の無能さの暴露を避けると言う動機から説明できそうに感じる。合理性を取り戻すには捜査能力を本物にする必要があるのだが、そのためには誤謬を認めなければならない。それが出来ないので無能さを脱することも出来ない。

2013-03-17 20:50:07
木下秀明 @khideaki

@Maroudo326 全能者は論理を無視すると言うことで、「法治」ではなく「人治」だという感じがしますね。どんな感情を持とうとも、法律に定められたロジックに従うのが「法治国家」だと思いますが、感情の方が先行してロジックを無視すると「人治国家」になるように感じます。

2013-03-17 21:18:43
木下秀明 @khideaki

僕が宮台真司さんの文章に初めて触れた瞬間から心酔してしまったのは、そこに表現されていたものが、正に自分がずっと思い続けていたことなのに適切な表現が見つからなかったことだったからだ。本質的な表現で、これほど適切に文章化する人がいたと言うことに驚き、ほとんど最初の一行を読んで心酔した

2013-03-19 10:28:12
木下秀明 @khideaki

適切な表現に出会うと、自分が考えていたことが本当はどういうものだったのか、と言うことの全体像がいっぺんに把握できるように感じる。適切な表現が見つからない間は何となくそう思っているという状態なのだが、適切な表現に出会うと、世界が把握できたという目から鱗に感じる視点を持つことが出来る

2013-03-19 10:30:09
木下秀明 @khideaki

宮台真司さんの表現は、今でも世界や社会に対する深い思考にまで連れて行ってくれるようなものを感じる。国語の学習も、そのような体験が出来れば恐らく高いモチベーションを持つことが出来るだろう。適切な優れた表現を探して教材化するという努力をすべきだろう。仮説実験授業研究会はそうしてきた。

2013-03-19 10:32:39
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

短縮URLがおかしかったようです。修正しました。⇒【「刑事裁判の絶対権力者」による「ざまあ見ろ」判決の傲慢】と題してブログ「郷原信郎が斬る」を更新しました。⇒http://t.co/cpJSZXwxck

2013-03-19 14:38:34
木下秀明 @khideaki

「刑事裁判の絶対権力者」による「ざまあ見ろ」判決の傲慢 http://t.co/pLLM4Zgs9Z 尊敬する郷原さんと同じような評価が出来ていたことをうれしく思う。「一審判決が「論理則、経験則に違反しない」と念仏のように繰り返しているだけで、何の根拠も示しておらず、…(続く)」

2013-03-19 23:37:08
木下秀明 @khideaki

「(続き)…小沢氏控訴審無罪判決での認定や指摘は、殆ど無視しているに等しい」と言う郷原さんの指摘を、実際の判決要旨で確認したいものだと思うが、それが見あたらない。検審議決の起訴だった小沢さんの裁判は判決要旨が読めたのに、この控訴棄却判決ではなぜ判決要旨が読めないのだろうか。

2013-03-19 23:40:15
木下秀明 @khideaki

郷原さんは、小沢さんの無罪判決については、その判決要旨に書かれた論理展開を高く評価し丁寧に説明していた。裁判というものの結果が信頼できるものであるかどうかはその論理的判断が信頼できるものであるかどうかにかかっている。論理的に破綻した判決は信用するに足りない。

2013-03-19 23:44:06
木下秀明 @khideaki

小沢さんの行為が共謀という犯罪であるかどうかの判断は、そこに違法行為であるという認識があり「範囲」が存在しなければならない。しかし事実を吟味することによって、その犯意が否定された。だからこそそこには犯罪が存在しないので有罪に問うことが出来ないという論理展開で無罪を言い渡した。

2013-03-19 23:46:27
木下秀明 @khideaki

郷原さんは「小沢一郎氏に対する政治資金規正法違反事件の控訴審判決(小川正持裁判長)では、一審の無罪判決が維持されただけでなく、一審判決は認めていた小沢氏の秘書3名の虚偽記入の犯意や、4億円の銀行借入れ、定期預金担保が隠蔽の意図によるものであったことも否定する判断が示され、…(続く

2013-03-19 23:48:05
木下秀明 @khideaki

「(続く)…この事件の捜査で検察が前提にした事件の構図そのものが否定された。秘書3人を有罪とし、虚偽記入の犯意だけではなく、4億円の隠蔽の意図まで認めた東京地裁判決(登石郁朗裁判長)とは大きく異なった判断であり、上記小沢氏無罪判決の直後に開始された、秘書3人に対する控訴審では…

2013-03-19 23:48:38
木下秀明 @khideaki

「(続く)…、これらの地裁、高裁の審理経過、判決を踏まえて、秘書3人に対して、慎重な見直し判断が行われるであろうと誰しも思ったはずだ」と書いている。まともな論理ならこのように考える。本当に犯罪が存在したのかどうかをもう一度詳しく吟味しなければならない。だがそうならなかった。

2013-03-19 23:50:22
木下秀明 @khideaki

控訴棄却の判決は合理性を否定して不合理な判断を選択した。この背後にあるのは、合理性を選んだときに暴露される不利益だ。宮台真司さん指摘の一般論は、この問題を考える上でもとても役に立つ。郷原さんは、その背後にある不利益の隠蔽を見事に指摘している。それは失敗を認められないことから起こる

2013-03-19 23:52:16
木下秀明 @khideaki

「裁判長の意向一つで、控訴審に持ち込まれた刑事事件の判断は如何様にもなるという専制君主の裁きのような異常な世界」というのは不合理の極みのような世界だ。合理的に判断するなら、事実を論理的に深く吟味して、論理的整合性のある判断を導かなければならない。それがなされずに不合理が選択された

2013-03-19 23:54:21
木下秀明 @khideaki

「控訴審の裁判長が、極力排除しなければならないはずの「個人的な感情」に支配されて判断を行った場合、控訴審判決は単なる「意趣返し」の手段になってしまう」とも郷原さんは指摘している。論理よりも感情を優先させた不合理はどのような要因から生まれてきたのか?過ちの認識が出来ないからだ。

2013-03-19 23:55:46
木下秀明 @khideaki

「今回、秘書事件の控訴審判決を出した飯田喜信裁判長は、東電OL事件の逆転有罪判決を出した裁判部の裁判官の一人であり、しかも、主任裁判官として勾留決定においても判決においても中心的な役割を果たしたとされている」そうだ。飯田裁判長はえん罪を生み出した過ちを過ちと正しく認識できないのだ

2013-03-19 23:57:11
木下秀明 @khideaki

「飯田裁判長にとって「誤判」「冤罪」という結果に終わった東電OL事件は、まさに屈辱以外の何物でもなく、終わり間近の裁判官人生の最大の汚点となった」という郷原さんの指摘からは、過ちを認めるどころか、過ちを正しく指摘したことを逆恨みしているように感じる。それが「意趣返し」と言うことだ

2013-03-19 23:59:34
木下秀明 @khideaki

東電OL事件は、「東京高裁の小川裁判長の裁判部が、再審開始決定で異例とも思える踏み込んだ判断を下し、冤罪であることを積極的に明らかにした」ようだ。小川裁判長は、合理的判断から納得できる判決を下す司法のプロフェッショナルなのだと感じる。この論理が理解できないと逆恨みが生まれる。

2013-03-20 00:02:00
木下秀明 @khideaki

「その小川裁判部が、東電OL事件の再審無罪判決の僅か5日後に出したのが、小沢氏の控訴審無罪判決であった」ことから、感情的な恨みを抱いていた飯田裁判長が意趣返しの控訴棄却を下した、と言うのが郷原さんの指摘だ。この説明は、不合理な判断を選択することの「合理性」を見事に説明している。

2013-03-20 00:03:36
木下秀明 @khideaki

「健全な常識に基づく事実認定とは凡そかけ離れた異常な「推認」判決としか言いようのない秘書事件一審判決を丸ごと容認したものであり、秘書事件の控訴審開始の直前に出された小川裁判部の小沢氏控訴審無罪判決の緻密な事実認定と比較すれば、その中身のひどさ、杜撰さは素人目にも明らかだ」という…

2013-03-20 00:05:36