タオルを干して放射性セシウムの空気中濃度を知ることはできないものか

屋外で干した洗濯物につく放射性セシウム量の測定はあちこちの市民測定所で行われてきましたが、せっかくの測定結果を放射性セシウムの空気中濃度に関連づける方法はないものかと考えてみました。議論をご覧いただき、広くお知恵を拝借したいというのもまとめた理由の一つです。 CRMS福島のブログ記事(2012年11月16日付け)「24時間ベランダに干したタオル」:http://t.co/GrToliop3a 京都大学による論文「福島県成人住民の放射性セシウムへの経口、吸入被ばくの予備的評価」(2011年7月上旬の調査結果):http://bit.ly/Y001nP 続きを読む
科学 放射性セシウム 内部被ばく 定時降下物 吸入 洗濯物 ダストサンプリング
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nao @parasite2006
福島の市民測定所のブログ記事(2012年11月16日付け)「24時間ベランダに干したタオル」http://t.co/GrToliop3a おろしたてのタオル2枚(乾燥終了後の重量97g)を24時間ベランダに干し(袋から出した直後の測定値を押さえていないのは非常に惜しい)Ge測定
nao @parasite2006
袋から出した直後の実測値がないのは非常に痛いが、ゼロだったと想定すると24時間干した間に付いた放射性セシウム量はCs134が1.94 Bq/kgx0.097 kg=0.18 Bq Cs137が2.90 Bq/kgx0.097 Bq/kgx0.097 kg=0.28 Bq
nao @parasite2006
手ぬぐいサイズの一番普通のタオルの大きさを測ってみたら幅30 cm、長さは75 cm。1枚の面積は0.3 mx0.75 m=0.225 m。タオルは2枚あったから面積あたりの放射性セシウム付着量はCs134が0.18/0.45 Bq/m2= 0.4 Bq/m2 (続く)
nao @parasite2006
(続き)Cs137が0.28/0.45 Bq/m2=0.62 Bq/m2
nao @parasite2006
(参考までにこのブログ記事http://t.co/AatdO2WDbH で取り上げられた、震災後1週間から2012年の夏まで着続けたスーツの面積あたり放射性セシウム付着量は、標準的な男性の体表面積を1.7 m2とすると3000 Bq/1.7 m2=1760 Bq/m2)
nao @parasite2006
タオルに話を戻すと、このタオルを24時間ベランダに干していた間ずっと風速1 m(1 m/s)の風が吹いていたとすると、24時間にこのタオル1枚を通り抜けた空気の体積は0.3 mx0.75 m x 1 m/s x3600 s x24 = 19440 m3。
nao @parasite2006
実際はタオルを2枚干したので、2枚を通り抜けた空気の体積は19440 m3 x 2=38880 m3。計算の便宜上38000 m3とすると、この空気中の体積あたり放射性セシウム量はCs134が0.18 Bq/38000 m3 =4.7 x 10^-6 Bq/m3 (続く)
nao @parasite2006
(続き)Cs137が0.28 Bq/38000 m3 =7.4 x 10^-6 Bq/m3
nao @parasite2006
さてもとの測定結果http://t.co/GrToliop3a には乾燥後のタオルをGe半導体検出器で測定した日付(2012年11月9日)は書いてあるものの、実際に干した日が書いてないのが痛い。
nao @parasite2006
気象庁のHPで2012年11月の福島市の天気http://t.co/nl5H3DQbLf を調べると、6日は1日中雨が降っているし、8日も朝方(4-6時)と昼(11時)に雨量の記録あり。24時間連続で干した後9日中に21時間の連続測定を開始するなら2日連続で晴れた3-4日か
nao @parasite2006
ただし2012年11/3-4は平均風速が3.9 mと結構強く、もとのブログ記事http://t.co/GrToliop3a の「天気は曇り、風はさほど強くない日」と合わない。これと合う1日、5日、7日は翌日雨が降っていて、24時間通しで晴れの時間が確保できない。
nao @parasite2006
干した日を確定できない以上、福島市の2012年11月分の定時降下物データhttp://t.co/Kbf1Z2N31o との照合はあきらめる。
nao @parasite2006
2012年11月上旬の福島市(笹谷ってどのへん?)の空気の体積あたり放射性セシウム量(Cs134 4.7 μBq/m3、Cs137 7.4 μBq/m3)は、2011年7月上旬の福島市内の実測値(この論文http://t.co/LvpQ6vr5hj の表3)のざっと3桁下
nao @parasite2006
この空気の中に存在する放射セシウムをすべて吸入すると仮定し、成人の標準1日呼吸量を20 m3とすると、1日の吸入量はCs134が4.7 μBq/m3 x 20 m3 =94 μBq、Cs137が7.4 μBq/m3 x 20 m3 =148 μBq
nao @parasite2006
μBq(マイクロベクレル)なんて単位、高崎のCTBT観測所のデータhttp://t.co/qFmU1HTx7Y (2012年4月-2013年2月、測定値はp.10以降)を見る時以外にはほとんどお目にかかることもないようなしろもの
nao @parasite2006
ついでにこのタオルが干された2012年11月上旬の高崎CTBT測定所の測定値はどのくらいだったかというと、このファイルhttp://t.co/qFmU1HTx7Y p.17。μBq/m3単位でCs134は検出限界割れに対し、Cs137は50-60台。
nao @parasite2006
@parasite2006 タオルはどう考えてもエアフィルターより目が粗そうなので、大気中の放射性セシウムを全部トラップできているとは限らないかも。ざっと1桁違いそう。逆に言えば干したタオルに引っかかる放射性セシウムの粒子は比較的大きくて、吸入しても肺まで到達することはない?
nao @parasite2006
高崎CTBT測定所で測定される大気中の放射性セシウムの量は、冬になって風が強くなると増えるらしく、2012年12月以降はCs134はμBq/m3単位で2桁台、Cs137は2桁と3桁を行ったり来たり。これに対し天然放射性物質のPb212は5桁(たまに4桁)なので差は歴然。
nao @parasite2006
タオルはエアフィルターより目が粗い以上、大気中の放射性セシウムを全部トラップできているとは限らないことに気付いた後では気が引けるが、4.7 μBq/m3のCs134と7.4 μBq/m3のCs137を含む空気を20 m3(成人の標準1日呼吸量)吸入したときの内部被曝量は(続く
nao @parasite2006
(続き)空気中の放射性セシウムを全量吸入したと仮定し、Cs134とCs137の実効線量係数、0.02 μSv/Bqと0.039 μSv/Bq(http://t.co/LvpQ6vr5hj より)を使うと(続く)
nao @parasite2006
(続き)Cs134の分が4.7 μBq/m3 x 20 m3 x 0.02 μSv/Bq=1.88 x10^-12 Sv、Cs137の分が7.4 μBq/m3 x 20 m3 x 0.039 μSv/Bq=5.77 x10^-12 Sv これは1日分。
nao @parasite2006
1年分は1日分を365倍してCs134の分が1.88 x10^-12 Sv x365日/年= 686.2 x10^-12 Sv/年、Cs137の分が5.77 x10^-12 Sv x365日/年= 2106 x10^-12 Sv/年
nao @parasite2006
Cs134の分とCs137の分を合計すると686.2 x10^-12 Sv/年 + 2106 x10^-12 Sv/年=2800 x10^-12 Sv/年 =2.8 x 10^-3 μSv/年。空気中には干したタオルに付着する10倍量が存在したとしても1μSv/年に届かない

どうやら連ツイを見ていて下さった方がおられたようで

泉㌠智紀🐾 @jsdfq43wtr
高崎でタオル干し実験やってCTBTの公表値と相関取れんかな. 濃くないとタオルのほうが無理な気もするけど.
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コメント

minkaninjno @minkaninjno 2013年3月23日
空気清浄機を屋外で回して、フィルターにかかったブツを測るってのはどうだろう。スペックから通気量も計算できそう。
nao @parasite2006 2013年3月25日
@birdtaka さんのまとめ2件、「福島市の降下量の増減に関するやりとり(グラフあり)」http://bit.ly/14nrvaQ と「「こないだの煙霧が4000ベクレル超えてました」について考えた」http://bit.ly/14nrGTu を引用させていただきました。有難うございました。
nao @parasite2006 2013年3月29日
後日談を少しだけ追加。タオルを干した日は残念ながら確認できずじまいでした。高崎CTBTと前橋の定時降下物データ(18カ月分)のグラフは観察継続。@crms_fukushima さん、@jsdfq43wtr さん、有難うございました。
nao @parasite2006 2013年4月20日
リストの説明文で引用した「ダストサンプリング、環境試料及び土壌モニタリングの測定結果」のデータ公表ページが2013年3月末でリンク切れになっていたので、新しいURL http://bit.ly/1057lKV を確認し差し替えました。
nao @parasite2006 2013年4月22日
福島市内で外干しと室内干しの洗濯物(具体的には未使用のタオル)を比較測定する計画を立てています。干し始めと干し終わりの日時を記録し、報告されるダストサンプリングデータと比較して空気中の放射性セシウム量のうちどのくらいが洗濯物に付着するか調べて見たいと考えていますので、コメント欄にお知恵をお貸しいただければ幸いです。
nao @parasite2006 2013年5月4日
本日正午より、福島市内で外干しと室内干しの洗濯物(未使用タオル)を比較測定する実験がスタートしました。経過は逐次このまとめに追加して行きます。
nao @parasite2006 2013年5月9日
72時間をめざした未使用タオルの洗濯外干し実験は5月6日16時25分をもって降雨のため終了しました。乾燥時間52時間25分。現在外干し、室内干し、未使用に分けて保管中で、まずは外干しから測定する予定です。
nao @parasite2006 2013年7月6日
放射線安全管理学会が行った2011年3月から8月に福島県下で着用された衣服の洗濯実験,ならびに2011年7月末から8月初めにかけて福島県下3カ所と埼玉県川口市で行われたタオルの外干し実験の報告http://bit.ly/1cU9Zus をめぐる議論をまとめに追加しました.@leaf_parsley さん,@hayano 先生,@hyd3nekosuki さん,ご議論有難うございました.
nao @parasite2006 2013年7月6日
ひらた中央病院の2012年4月6日づけ発表のWBC検査結果http://t.co/eXu9RUjMZC から生物学的半減期では説明できない急激な測定値の減少が見られるデータについて,逆算により体内蓄積量の減少による変化量を推定し,着衣の影響を考えてみました.
Sひろし @1970er 2013年7月29日
原発事故前と比較できないんで、測定結果だけではなんとも言いがたいような…
nao @parasite2006 2013年10月13日
リストの説明文に実験結果編http://togetter.com/li/561968 の引用を追加しました。
毛利 貴志蔵 @molykisizo 2013年10月23日
ペラペラの安物とふんわり分厚い高級品では吸着量が全然違ってくるような。
nao @parasite2006 2013年10月23日
molykisizo はい、当然変わって来ると思います。吸着量の違いは捕集効率の違いにつながり、捕集効率はこれから外干し実験と平行してこのような小型のハイボリュームエアサンプラーで空気中濃度を実測し、2つの結果をつき合わせて求める計画です。
毛利 貴志蔵 @molykisizo 2013年10月23日
あと、湿度というか含水量によって微粒子の吸着度合いが違うということにはならないでしょうか。素人考えですが湿っている方がくっつき易い気がします。だとすると、湿った状態から乾燥までにかかった時間の差の影響が大きいかもしれません。
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