《『福島民報』連載 「安全の指標 揺らいだ基準」第6回》
- karitoshi2011
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『福島民報』ベクレルの嘆き 放射線との戦い 第二部 安全の指標(11) 揺らいだ基準 「幻」となった勉強会 http://t.co/Z7VL7WblLB 以下、内容を引用、紹介
2013-03-23 13:15:091 「菅内閣に原発事故対応ができないと分かった以上、ひっくり返すしかなかった。あの辞任会見はある意味でクーデターだった」 政府の非公式な助言チームを束ねた民主党の衆院議員空本誠喜氏は振り返った。
2013-03-23 13:17:312 平成23年4月29日。内閣官房参与で東大教授の小佐古敏荘氏が辞令を受けてからわずか45日で反旗を翻し、参与を辞めた。その「辞任劇」には、2人の官邸への積もり積もった不信感があった。
2013-03-23 13:18:523 小佐古氏は国際放射線防護委員会(ICRP)の委員を長年務めた経験をもとに多くの提言をしたが、官邸になかなか採用されないことに不満を募らせていた。4月中ごろ「提言すべきは提言した。この内閣と一緒にドボンしたくない(沈みたくない)」と空本氏に辞意を漏らした。
2013-03-23 13:19:334 「こうなったら小佐古先生に内閣批判をやってもらうしかない」。空本氏は小佐古氏の参与辞任と引き換えに、記者会見で官邸の場当たり的な政策決定、内閣府原子力安全委員会の機能不全など問題点を提起することにした。官邸と刺し違える覚悟だった。
2013-03-23 13:20:155 「この数値(年間積算放射線量20ミリシーベルト)を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、わたしのヒューマニズムからしても受け入れがたい」
2013-03-23 13:22:286 辞任会見で小佐古氏は、官邸と各省庁はその場限りの対応で事態収束を遅らせていると涙ながらに訴え、法、正義、国際的常識、ヒューマニズムに背くとした。
2013-03-23 13:22:447 聞き慣れない単語や放射線防護の考え方について報道陣から質問が相次いだ。小佐古氏と空本氏は3日後の5月2日、報道機関向け勉強会として再び記者会見を開くことにした。
2013-03-23 13:23:278 勉強会に備えて、空本氏と小佐古氏は想定問答を作っていた。 (質問)<何ミリシーベルトが妥当か> (小佐古)<ICRP勧告に1~20ミリシーベルトの下方部分から選定すべきという記述がある。チェルノブイリ事故でも1年間は最大5ミリシーベルトとしたがその後は1ミリシーベルトにした>
2013-03-23 13:24:149 想定問答で小佐古氏は、子どもの被ばく限度は多くても年間5ミリシーベルトにとどめるべきだと考えていた。辞任会見で「20ミリシーベルトは不適切」とした小佐古氏の批判の真意は、「20ミリシーベルトありき」の官邸の「決め方」にあった。それを訴えたかった。
2013-03-23 13:24:4610 だが、勉強会は直前で中止された。小佐古氏が官邸から「守秘義務がある」との指摘を受けたことが理由だった。小佐古氏から詳しい根拠が説明されないまま、「20ミリシーベルト」は「子どもにとって大丈夫なのか」という漠然とした不安となり、県内の母親らを困惑させた。
2013-03-23 13:25:2611 当時、県民に放射線リスクを説明していた長崎大大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一氏=現福島医大副学長=ら専門家にも不信の目が向けられることになった。 想定問答で小佐古氏らは「放射線の人体への影響」についても記していた。
2013-03-23 13:26:0112(小佐古)<放射線のリスクは確定的影響と確率的影響に分けられる。確定的影響には脱毛や不妊が挙げられるが比較的高い線量の被ばくによって起こる。一方、代表的な確率的影響は発がんで、低線量でも起こる可能性がある。(中略)ただし人口の大集団について評価しないと実際の影響は不明である>
2013-03-23 13:26:4213 根拠としたのは主に広島、長崎の原爆による被ばく者の影響評価だった。長崎大で放射線の人体影響などを長年研究してきた山下氏も「長期の低線量被ばくのデータの蓄積は少ないので、影響のある、なしでは答えられないグレーゾーン」としている。
2013-03-23 13:27:2314 小佐古氏が説明しようとした内容は、多くの専門家の認識と変わらないものだった。しかし、勉強会は幻となり、小佐古氏の口から重要な部分は語られなかった。(肩書は当時) 以上 引用終り
2013-03-23 13:28:1815 以下、感想、疑問など。今日の記事の肝は、「小佐古氏の涙の会見の真意は、官邸の対応力不足を訴え、官邸と『刺し違える』ことが目的で、学校年20ミリが間違いで耐えられないということではなかったと、小佐古氏と組んで動いていた空本氏が言っている」という話だろう。
2013-03-23 13:32:4816 この連載に関して一貫して書いているのだが、小佐古氏の話がメインなのに、取材を受けているのは空本氏。小佐古氏の現在の真意を確認するのは、この記事だけでは難しい。小佐古氏は守秘義務があるから、という話なのだろうが、守秘義務違反にあたらない部分でかたることもできないのだろうか?
2013-03-23 13:38:5217 小佐古氏が語らないことについて、疑問を持っている人は多いのではないだろうか?内閣参与として、ではなく、科学者として、専門家として、語れることは多いはずだが、語らない。私はそこに明文化されていない緘口令が存在するような気がしてならない。発言すれば「ドボンする」ような。
2013-03-23 13:40:5618 今日の記事冒頭にあるような空本氏の言葉にあるように、小佐古氏の会見を仕掛けた空本氏の狙いは、「クーデター」。簡単に言えば「菅降ろし」だった。だからずっと、官邸からは距離を置き、間に小佐古氏をはさむなどして官邸に提言してきたのだ。そこに絡んだのは大畠国土交通大臣(当時)ら。
2013-03-23 13:48:2019 大畠彰宏氏は、当時鳩山グループの会長。日立製作所で原発の設計建造に従事したあと、労働組合専従で職員を経て、日立労組から支援を受けて、社会党から旧民主党に移り、現在の民主党へ移動してきた、立派な「原子力ムラ」関係の議員。
2013-03-23 13:59:3620 この連載で語り部を務めた空本誠喜氏は、東芝に入社し、応用物理学会より放射線賞奨励賞を授与された、やはり原発設計を経験し、民主党から衆議院議員選挙に出馬するが、2009年の「政権選択選挙」以外では落選している。原発事故発生時は、衆議院議員。2012年選挙では落選。
2013-03-23 14:06:1921 記事によると、小佐古氏の「辞任劇」には官邸への不信感があった。小佐古氏が専門的な見地から出した提言が採用されず、「この内閣とドボンしたくない」と考えていた。空本氏は官邸の場当たり的な政策決定、原子力安全委員会の機能不全など問題点を提起し、官邸と刺し違える覚悟だった。
2013-03-23 14:27:3322 やや失礼に当たるのかもしれないが、空本氏と小佐古氏で、「内閣と刺し違える」には、役者不足だったのではないか?と私は思う。最低でも、大畠氏の協力や鳩山氏の賛同がないと、無理だったと思う。大畠氏の母体である、原発関連メーカーの労組の力など期待できない時期だったし。
2013-03-23 14:34:4823 小佐古氏の「涙の辞任会見」では、小佐古氏は「官邸と各省庁はその場限りの対応で事態収束を遅らせている」と訴え、学校年20ミリを「法、正義、国際的常識、ヒューマニズムに背く」とした。記事には間違いがある。小佐古氏が涙したのは、官邸の対応に関する話ではない。学校年20ミリの話だ。
2013-03-23 14:38:1624 小佐古氏の辞任会見に関して、用語に詳しくない記者からの質問を受け、5月2日に記者の勉強会の意味での記者会見を再度予定し、想定問答集を作った。記事に付されている写真には想定問答集が写っている。文責は小佐古氏ではなく、空本氏になっている。
2013-03-23 14:42:39