「喧嘩両成敗の誕生」を読んでの室町時代への印象

「喧嘩両成敗の誕生」を読んでたところ、「仲間の一人を細川頼久の家中に殺された山伏が、集団で細川家(といっても細川和泉下守護家ですが)の屋敷を取り囲んで脅迫した」という話が出てきて、「すごいや!山伏が集団で屋敷を包囲するシチュエーションは実在したんだ!」とwktkしたり。
2013-03-19 20:17:48
しかも、山伏の圧力に屈した細川頼久は賠償として120貫文と田地16町を山伏側に払ったというので、ますます隆慶世界なノリで砂。集まった山伏がやたら多くて、しまいには神輿担いで屋敷内に乗り込もうとしてたというのもあったようですけど、個人的には包囲中、読経したかどうかぜひ知りたいところ
2013-03-19 20:22:03
しかしまあ、ここに書いてある内容を踏まえると、隆慶世界の道々の輩というのは、戦国以前の空気や倫理観を色濃く残した集団なのだなあと思ったり。まあ、あれは創作ですけど、この本は面白いのでお薦めしたく。【喧嘩両成敗の誕生】http://t.co/9lLJBwNfqc
2013-03-19 20:25:36
室町時代、法(幕府)の庇護を離れた人間は、自力救済で生きる羽目になり、そういう世界で流刑を食らった人間は、配流先に着く前に落人狩りにあうことが多いため、事実上、流刑は法外で死刑宣告を受けたようなものだとか、なかなか面白いです喃。
2013-03-19 20:30:49
あと、例として挙げられる室町時代の人間の沸点の低さが、まさに瞬間湯沸かし器状態であり、知ってても、なお「これはひどい」と思わざるを得ない感じ。殆ど風が吹けば桶屋が儲かる状態でしょーもない話が大騒動になる様は、性質の悪い冗談のようです喃。
2013-03-19 20:33:59
【引用されてた例】 店に元結を取りに来た下女が、品物ができてないので店主を罵倒⇒キレた店主、下女をブチのめして叩き出す⇒これに怒った下女、主人の侍に訴える⇒侍が店主をブチ殺そうとしたところ、その行動を予想した店主が仲間を引き連れ先制攻撃。弓を射ちかける(市中で)⇒(続く)
2013-03-19 20:50:46
(続き)しかし侍、店主たちを返り討ちにして力尽きる⇒店主のバックにいた関口家の集団が出張る⇒侍が仕えていた三条家の侍たちも出張る⇒洛中で軍勢同士の喧嘩発生⇒吉良家が裁定してどうにか解決。 …他の例も似たようなもので、実に室町時代は世紀末ならぬマッポーの世で砂。「なさけ むよう」
2013-03-19 20:52:41
これのアレなところは下女とか町人ですらこの沸点の低さであるということで砂。「葉隠」に載ってる長崎喧嘩とか、これに比べたら、まだ大人しく思えてくるから不思議不思議。
2013-03-19 20:58:02
その辺の浮浪児が単に「イラっとした」程度のことで侍に切られたり、それで重傷を負った浮浪児が口にするセリフが「我に菖蒲刀の一つもあれば、このままではおかぬものを。口惜しい」だったりで、色々凄いな室町時代、と思うところ。江戸時代なら武辺話扱いされるレベルですよ、これ。
2013-03-19 21:02:43
本文中でも書かれてますが、室町時代は命の安さが今と全く違う。江戸時代と比べてすら遥かに安いで砂。そして逆に面目がやたら重い。だから、ごくくだらないことで簡単に死ぬし、殺す。こういう世界で生きていれば、そりゃ現代では考えられんような行動をとるよなあと。
2013-03-19 21:06:43
@k_hisane 江戸の頭くらいまでは、どいつもこいつも喧嘩っぱやいようで…タイムスクープハンターなんかでの題材になってましたよね。室町時代の喧嘩が村を巻き込んで何日も続いたり、うわなり打ちでしたか、離婚後一ヶ月と立たないうちに後妻を迎えた時、先妻が殴りこむ風習とか…。
2013-03-19 21:03:57
圧制によって諸大名を押さえつけた、と言われる江戸時代初期ですけど、この辺を踏まえると、見方がガラッと変わるのが面白いで砂。@SagamiNoriaki 江戸の頭くらいまでは、どいつもこいつも喧嘩っぱやいようで
2013-03-19 21:10:34
武蔵は恥辱を恐れ誇り高く死のうと考えるのは百姓も出家も女も一緒、とこのくだりは何回も書いてますが、これは皮肉でなく実情だったかも… RT @k_hisane: 圧制によって諸大名を押さえつけた、と言われる江戸時代初期ですけど、この辺を踏まえると、見方がガラッと変わるのが面白いで砂
2013-03-19 21:12:33
極端な話、全員虎眼流門弟みたいな性格してる国、とか思うと、悪夢ってレベルじゃねーぞ!というとこで砂。@SagamiNoriaki 武蔵は恥辱を恐れ誇り高く死のうと考えるのは百姓も出家も女も一緒、とこのくだりは何回も書いてますが、これは皮肉でなく実情だったかも…
2013-03-19 21:21:58
@SagamiNoriaki @k_hisane 「うちなり」の回、面白かったですね、何と言いますか、鬱憤をはらす、と云うか、精神のバランスを保つ為の仕組みが発生し、世間が認める、と云う居着か無いシステムが素晴らしい
2013-03-19 21:16:39
@iaiwaka @k_hisane ああ、うちなりでしたか。適当な覚え方してた。アレは仲人とかの面子を立てるなどの儀式的なものがあったんじゃないかと私は推測しています。江戸期には反撃する後妻が出てたというのは、あまりにも慣例化して、そういう元の意味が失われたからじゃないかしら
2013-03-19 21:18:51
こういう私的な復讐は、公には規制されてたものの、それでは収まらないため、実態としては放任されてたらしいで砂。 @iaiwaka 鬱憤をはらす、と云うか、精神のバランスを保つ為の仕組みが発生し、世間が認める、と云う居着か無いシステム@SagamiNoriaki
2013-03-19 21:19:56
欧州にも一部で自治の精神っつーか、私刑とかしちゃう処があったらしいですから、まあ権力が弱い時代の産物かもですね。 RT @k_hisane: こういう私的な復讐は、公には規制されてたものの、それでは収まらないため、実態としては放任されてたらしいで砂。 @iaiwaka
2013-03-19 21:22:23
「堅苦しい江戸時代」と「自由な戦国時代」という感じで比較され、何かと後者は理想化され、「戦国時代が続いていれば今頃日本は…」みたいなことを言われることが多いですが、この時代は「命の値段が安く、人は簡単に死ぬ」というのを除外して考えたらアカンよなーと思うところ。
2013-03-19 21:16:28
例えば、中東とかアフリカ辺りの紛争地帯は、日本と比べて色々情勢が流動的ですが、じゃあ日本より、そういう紛争地帯の方が未来の可能性があって人間らしく生きられる明るい場所だと言えるのか、というと、多分違うんじゃないの、というとこで砂。
2013-03-19 21:26:37
まあ、創作なら面白いですが、自分がそんな世界で生きたいかというとノーセンキューで砂。都合のいいところだけ現代の感覚のままで過去の時代を理想化するのは片手落ちだよなーと思うところ。 @SagamiNoriaki きっと妖怪首おいてけみたいなのが大量にいたんですよ
2013-03-19 21:33:35その後、更に資料を読んだ結果…

こないだ室町時代を「全員虎眼流門弟みたいな世界」と書きましたが、追加で資料を読んでると、「住人が福本漫画とか闇金ウシジマくんあたりの同情の余地のないクズ人間と、北斗の拳のモヒカンと、虎眼流門弟しかいない世界」という風にアップデートされて困る。どんな地獄絵図だこれ。
2013-03-22 12:04:27
だいたい正しいから困りますね RT @k_hisane こないだ室町時代を「全員虎眼流門弟みたいな世界」と書きましたが、追加で資料を読んでると、「住人が福本漫画とか闇金ウシジマくんあたりの同情の余地のないクズ人間と、北斗の拳のモヒカンと、虎眼流門弟しかいない世界」という風に(略
2013-03-22 12:08:35