【ゴゴゴノート】コンテンツ流通促進シンポジウム

文化庁主催 コンテンツ流通促進シンポジウムについてのツイート、加藤AZUKI氏分のみのまとめです。 編集自由になってます。
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文化庁主催 コンテンツ流通促進シンポジウム

加藤AZUKI氏のツイートをまとめました

加藤AZUKI @azukiglg

さて、晩飯とか色々済ませてPC前に戻ってきました。本日のコンテンツ流通促進シンポジウムの感想について、僕が取ったノートに基づいてちょっと要約してみる。 http://t.co/gdP8z9TAKP

2013-03-27 22:13:42
加藤AZUKI @azukiglg

さて、本日のシンポの主題は【著作物利用における意志表示の未来】(パネルディスカッションテーマ)で、もんのすごく要約すると【著作権者がその場に居合わせなくても、著作物(コンテンツ)を著作権者の意向に沿う形で第三者が活用できるようにするには?】についての考察大会。

2013-03-27 22:16:33
加藤AZUKI @azukiglg

第一部は文化庁の方針で同目的のために整備されてきた「CLIP」という著作物利用のための意志表示方式について、「CC(クリエイティブ・コモンズが急速に普及してしまったので、官営であるCLIPの普及を断念、放棄、廃止して、CCの普及と連携したい」とう敗北宣言。

2013-03-27 22:17:57
加藤AZUKI @azukiglg

これに対して、CCを支持するパネラー・モデレータは「文化庁を褒める」(官営のCLIPに固執しないことを評価する)」という感じだった。これはモデレータの福井健策氏が盛んに言ってた。

2013-03-27 22:20:14
加藤AZUKI @azukiglg

CCとその推進側である野口祐子氏について文化庁が好意的に評価していた点からも、「腹立たしい断念」とかそういう形ではないらしい。

2013-03-27 22:20:16
加藤AZUKI @azukiglg

そんなわけで、その辺り、つまりCLIPについて要約すると「CLIPはCCに負けてるので辞めたい」「CCはボランティアがやってるので維持コストが安い」(CLIPは官営なのでコスト高)「なので、CLIPは廃止します」という報告(つか断言)。

2013-03-27 22:21:28
加藤AZUKI @azukiglg

次いで、クリエイティブ・コモンズ(CC)の野口祐子氏からの報告。主にCCの概要、導入事例とその成功例の紹介に時間を割いてた。しばしば繰り返されてたのは「CCはフリーミアムを促進する上で重要」という趣旨の発言。

2013-03-27 22:22:58
加藤AZUKI @azukiglg

CCについて要約すると「コンテンツをフリーで公開することで、機会損失よりも市場拡大に効果が大きい。フリーミアムを促進するためにCCは活用されてる。かつてのPD(パブリック・ドメイン)に比べて、コンテンツの最初の発信者を特定(尊重)することで、二次的励起効果が大きく期待できる」。

2013-03-27 22:24:47
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、既存のCCにも課題点はある。まず、孤児作品=権利者不明コンテンツへの対応が困難。現時点でCCに対応していない、そして既に著者が失踪している権利者不明コンテンツ(=孤児作品、と読んでた)に遡って対応するのが難しい、という話。

2013-03-27 22:26:27
加藤AZUKI @azukiglg

また、教育・福祉などの公共ニーズについては、CCでは対応しきれない点があり、立法との組み合わせが重要になるのでは、みたいな話。

2013-03-27 22:26:58
加藤AZUKI @azukiglg

CCの要約にあった「機会損失より市場拡大への効果が期待できる」について、僕なりの補足。フリーミアムが効果を上げてるのは、現状で市場が小さいせい。タダ=宣伝効果=市場の母数そのものを大きくしたい、という期待が、フリーミアムをさせやすくするCCを推進する側にあると思った。

2013-03-27 22:28:22
加藤AZUKI @azukiglg

休憩挟んでパネルディスカッション。冒頭、福井氏のまとめは主に「文化庁がCLIPを廃止する判断は本当によかった」という話と著作権、海賊版、反ACTAとかに収斂するので省略。

2013-03-27 22:29:52
加藤AZUKI @azukiglg

ここで【孤児作品】について。先にも触れた、「著作権者が不明、または失踪、所在不明なコンテンツ」を孤児作品と定義してたけど、国会図書館の明治期以前の作品では71%が、英国図書館では43%が孤児作品で、著者の意向が不明なため、情報が存在していても活用できない状態にある、という指摘。

2013-03-27 22:31:31
加藤AZUKI @azukiglg

これについて、EU(2012)は、「一定の調査を経て著作権者が見つけられず孤児作品認定されたら、権利者が発見されるまでは孤児作品扱いとなる。孤児作品は公的にデジタル化を推進され、公開が優先される。

2013-03-27 22:33:04
加藤AZUKI @azukiglg

デジタル化された孤児作品が公開されることで原著作権者が発見される(名乗り出る)ことがあれば、その時点で孤児作品は解除され、著作権者によって「利用に関する意志表示」が再定義される。

2013-03-27 22:33:39
加藤AZUKI @azukiglg

補足だけど、今から7年くらい前、「弩」怖い話の準備期に、「作者不詳の実話怪談(主に2ch/オカ板に投下されてた)の著者を捜索し、その名乗りでを待って書籍化を進める」というプロジェクトを試みたことがあった。

2013-03-27 22:35:05
加藤AZUKI @azukiglg

EUのケースは、「名乗り出られる前にアーカイブを公開してしまい、名乗り出たら権利を返却する」という仕組み。日本の著作権法でも「著者不詳作品」については、著者探索を十分に行ったが分からなかった場合は、著者不詳として出版できる、みたいな規定があった気がする。

2013-03-27 22:36:16
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、どの程度までの調査が「十分に調査した」になるのかについて、細かい定義がない。探偵雇って行方を追う、というところまでやらないと駄目なのか、ぐぐってfacebookに登録がなかったら不明確定でいいのか、みたいな。

2013-03-27 22:37:06
加藤AZUKI @azukiglg

「探偵雇って時間と金を掛けたけど見つかりませんでした」というところまでやらないとちゃんと調べたことにならないんだとしたら、大多数の「そこまでする価値があるとは思えない失踪著書作品」はコストパフォーマンス的に割が合わないという理由で放置されることになる。(実際そうなってる)

2013-03-27 22:37:56
加藤AZUKI @azukiglg

ので、このEU方式の、「とにかくデジタル化してカタログを兼ねる形で公開してしまってから、著作権者の名乗りでを待ち、名乗りでがあったらその時点で意志表示を再定義」っていう方式は悪くないと思う。問題点もあって、その「デジタル化作業」に掛かるコストを誰が負担するのか、など。

2013-03-27 22:39:05
加藤AZUKI @azukiglg

ここらへんは、拙著「なぜ絶版本が電子書籍になりにくいのか? http://t.co/BOIDAeikpW 」でも触れている点で、デジタル化は人手が掛かる。ScanSnapで取り込みが楽になっても裁断は自動化できないし、取り込んだデータの傾き補正なんかは結局人手が必要だし。

2013-03-27 22:40:24
加藤AZUKI @azukiglg

そうした作業を「ボランティアにタダ働きさせる」ことに依存する場合でも、青空文庫がそうであるように「校正」という重労働をボランティアに依存し続けるのには無理がある。名作ならまだしも、「パッとしなかった初版ぽっきり本」にボランティアで身をひさいでくれる人は少ないと思う(´・ω・`)

2013-03-27 22:41:32
加藤AZUKI @azukiglg

んで、アメリカはこの孤児作品を巡って、従来の著作権保護期間の延長という方針を変更して、著作権保護期間を短縮することで、孤児作品を活用できない滞留期間を短縮しよう、という方向に進みつつあるらしい、という報告があった。

2013-03-27 22:42:27
加藤AZUKI @azukiglg

流通促進と(著作からの)収益促進の連立、アーカイブなど孤児作品対策の促進(CCが最初から定義されていれば、著者に意向を再確認しなくてもコンテンツが活用できるようになる)、そして二次創作文化をどう守るかが課題。

2013-03-27 22:43:35