【売れない】 孤児作品のデジタイズにはコストが掛かることについて 【買わない】

第八回コンテンツ流通促進シンポジウムに参加した後の感想の一部として。 孤児作品の救済について、EUの取り組みは「作者不詳の本もどんどんデジタル化して非営利公開し、著者の名乗りでを待つ」というもの。 アイデアとしては悪くないが、「非営利公開」するということはデジタイズした孤児作品から収益が得られないということ。 つまり、「じゃあ、孤児作品をデジタル化するために掛かるコストは誰が負担するのか?」についての議論が出てこない。 続きを読む
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藤本由香里 9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

保存のためのデジタル化の際「孤児著作物」の著作者探索に、毎年国会図書館はものすごい予算を遣っていたりします。この点で、日本の公的機関の手続きはやや厳密すぎ。ヨーロッパでは、手を尽くして著作者が見つからなければ、非営利に限り公開可で、著作者が名乗り出ればその人の意思に従う。合理的。

2013-03-28 21:04:36
藤本由香里 9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

この「孤児的著作物」、日本でも民間の出版社では、八方手を尽くして著作者がみつからず、でもどうしても収録したい場合、奥付近くにその旨を記して著作権者の名乗り出を促す、というやり方があります。その場合、印税はきちんとプールしてあります。複数の実例がありますがトラブルの例は知りません。

2013-03-28 21:10:14
加藤AZUKI @azukiglg

「孤児作品は非営利に限り公開可」というところがミソで、(デジタル化して)公開可の場合、公開のためのデジタル化作業にコストが掛けられない。歴史的に価値がある、名作であるなど後で回収の見込みがあるもの以外は費用の壁で挫折する。 http://t.co/2xV7QSOiZ5

2013-03-29 01:52:10
加藤AZUKI @azukiglg

道理としてはそうなんだけど、「実際にはどうせ誰も名乗り出ないのを見越して、企画者がウマウマと稼ぎを独り占めしちまう気だろ」っていうやっかみに、企画者のメンタルが耐えられないケースwはありそう。 http://t.co/rdiEG9zQB5

2013-03-29 01:53:19
加藤AZUKI @azukiglg

失踪著者との間でトラブルになりにくいのは失踪著者が見つからない(名乗り出ない)ことで問題が表面化する機会がおきにくいからで、「善意の第三者による、善意の代理やっかみ」みたいなメンタルに鈍痛を与える問題を内包してる気はするんだよなあ、これ。

2013-03-29 01:54:43
加藤AZUKI @azukiglg

孤児作品をデジタル化して非営利限定で公開、というのは実に魅力的で建設的なアイデアであるようでいて、それらが「単純スキャン(レプリカ)」であったとしても(リフローならさらに多くの)デジタイズのコストが掛かる、という点についての考慮が足りないと思う。

2013-03-29 01:56:54
加藤AZUKI @azukiglg

恐らくこのアイデアの奉戴者は「ボランティアに委ねればいい」と考えるだろうけど、「それに関わることが名誉なこと」「それを自分は好きだから」で手弁当でやってくれるボランティアに依存するというのは、結局のところブラックの容認/強制になりかねない。

2013-03-29 01:57:52
加藤AZUKI @azukiglg

ボランティアの食指が動かないものはいつまでも捨て置かれるし、ボランティアはモチベーションの上がらない興味のないもの「義務づけられる」ような道理になったら名乗り出る人も増えないし。

2013-03-29 01:58:46
加藤AZUKI @azukiglg

古くからあるデジタイズされてない孤児作品の全てが「価値あるもの」とは限らない。例えば、18年くらい前に出た、「Windows95完全マスター術」みたいな本を、「歴史的に価値がある」「手弁当で頑張りたい」と言うボランティアは少ないと思う。

2013-03-29 02:00:34
加藤AZUKI @azukiglg

どんな素晴らしいアイデアでも、それを「タダ働きしてくれる誰か」に依存(期待)して、うまくいくはずだ、と考えちゃうのは正直危険だと思う。コストが避けられないものについて「税金を投じればいい」もやはりどうかと思う。

2013-03-29 02:01:26
加藤AZUKI @azukiglg

投じたコストを回収できるだけの仕組みを作り、それがビジネスとして回る余地がなければ事業は推進されにくいんじゃないのかなあ。

2013-03-29 02:02:00
加藤AZUKI @azukiglg

んなわけで「孤児作品」については、 「デジタイズを担当した者が、それに掛かった費用を孤児作品の収益から獲得出来る」 「費用の回収が終わったものは、孤児作品の作者が見つかるまでは無償公開」 「作者が見つかれば、扱いと権利は作者に移転。見つからなければそのまま無償公開」 がいいと思う

2013-03-29 02:03:27
加藤AZUKI @azukiglg

この方法 http://t.co/ZvKhvWP2Y9 だと、(ものによっては時間は掛かるにせよ)、デジタイズを行った著者ではない第三者の労力を、デジタイズされた孤児作品の収益から回収することができる(後に発見されるかもしれない孤児作品の著者が負担しないで済む)

2013-03-29 02:04:56
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、その孤児作品が必ず、労力に見合う収益を生むとは限らない。緊デジの規定では1冊リフロータイプの電子書籍を作るのに6万円くらいの金額を見込んでいる。これに倣うと、孤児作品は6万円は稼ぎ出さないと無償化されない。

2013-03-29 02:06:09
加藤AZUKI @azukiglg

たかが6万円と思うかもしれないけど、もしkindleで300円/70%で売りに出したら1冊収益は210円。6万円稼ぐには、285DLが必要。ちょっと有名な作家の昔の名作ならそのくらいは売れるかもしれないけど、「どうでもいいような作家の誰も興味を持たない本」だと、稼げない。無理。

2013-03-29 02:07:44
加藤AZUKI @azukiglg

孤児作品のデジタイズは孤児作品著者を探すためであるので、何らかの「優先順位」は付けられることになるんだろうけど、その場合でもやっぱり「売れなさそうな本」は後回しになる(´Д`)

2013-03-29 02:08:42
加藤AZUKI @azukiglg

そんで、「明治期以前の本」よりも、「戦後に出た本」のほうが圧倒的に点数が多く、多い分だけ駄作も多くw、初版のみで消えた失踪著者も多い。「儲けが出なさそうな本」=「孤児作品」でもあるわけで、コストを回収できないから先送り、ってジレンマは結局解消されにくい気はする。

2013-03-29 02:09:59