コンヴィチュニー オペラ・アカデミー in びわ湖(2013年3月)まとめ

コンヴィチュニー オペラ・アカデミー in びわ湖 日程:2013年3月25日(月)~3月28日(木) 会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 小ホール 講師:ペーター・コンヴィチュニー氏 続きを読む
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コンヴィチュニー オペラ・アカデミー in びわ湖:1日目《魔弾の射手》

鈴木淳史 @suZukiatSufmi

コンヴィチュニー・オペラ・アカデミー1日目終了。本日は午前午後かけて彼の演出した「魔弾の射手」のビデオを観ながらの解説。「登場人物のほとんどが絶望するのを視覚化したい」という演出の意図は、「音楽から聴こえ」てくるものに起因するという。さらに、序曲がすべてを言い表しているとも。

2013-03-25 18:17:09
鈴木淳史 @suZukiatSufmi

アガーテとエンヒェンの対比構図、祝いの乙女のそれぞれに施された細やかな設定、「狩人の歌」に込められた男性原理の告発など、改めて見て、コンヴィチュニー本人の話を聞いてみると、その細やかさに驚かされるわな。

2013-03-25 18:18:28
鈴木淳史 @suZukiatSufmi

笑ったのは、狼谷のシーン(最後に空襲に逃げ惑う合唱団、サイレンが鳴り、客席に照明が飛び交う)で、緊急事態かと驚いて劇場を飛び出した客があったそう。当の演出家はその反応を「自らの意図が伝わった」と高く評価してた。

2013-03-25 18:20:09
鈴木淳史 @suZukiatSufmi

あの空襲のシーンは、二次大戦で完全に廃墟になったハンブルクならではの演出なのだよね。ドレスデンでも似たようなことをやったおかげで、裁判にまで発展したという。

2013-03-25 18:21:14
鈴木淳史 @suZukiatSufmi

「魔弾の射手」はわたしにとっても最初のコンヴィチュニーのオペラ。もっともベルリンのホテルでテレビつけたら放送されてたので、食い入るように見て瞬時にファンになった。翌々年、ハンブルクで実演を。狼谷の最後に鳴るカウント音は休憩中にも鳴っていて、あれは不気味だったなあ。

2013-03-25 18:22:53
鈴木淳史 @suZukiatSufmi

コンヴィチュニー&メッツマッハーの「魔弾の射手」のDVDって廃盤になって久しい気がするんだが、気のせいだろうか。わたしも買い逃した。録画したVHSあると思うのだけど。

2013-03-25 18:26:48
端山梨奈 Rina Hayama @ripplerina

つぶやき再開。ブログのお知らせを除いて実に7ヶ月半ぶりです。昨日から28(木)まで、「コンヴィチュニー オペラ・アカデミー」がびわ湖ホールで開催されてます。私は昨日と今日の2日しか聴講できないのですが…。コン様、お元気な様子でホッ。

2013-03-26 06:25:22
端山梨奈 Rina Hayama @ripplerina

昨日の講義はウェーバーの「魔弾の射手」でした!私はエンヒェンを勉強したことがあるので、やはり気になるのはエンヒェンについて。「エンヒェンは近代的な女性で、暇を潰す方法や楽しくやり過ごす方法を良く知っている。」by.コンヴィチュニー氏。

2013-03-26 08:34:57
端山梨奈 Rina Hayama @ripplerina

エンヒェンとアガーテの二重唱は、二人の性格の対比が現れている曲。後半はアガーテの長いフレーズを遮るように、エンヒェンは細かいパッセージに乗せてアクティブに歌う。エンヒェンのパートは動きがある上ブレスを取る余地を与えてくれてなくて、踊りながら歌うとなかなか辛いのだ!

2013-03-26 08:42:23
端山梨奈 Rina Hayama @ripplerina

でもアガーテの心配を書き消すように歌うエンヒェン、ちょっと不自然。歌ってて苦しいのは当たり前かも。彼女は誰より不吉な予兆に敏感な人なのかもしれない。コンヴィチュニー氏のエンヒェンは、笑っているだけではなく、怯えたり泣いたり、ネガティブな感情も積極的に表現していたのが印象的でした。

2013-03-26 08:48:54
端山梨奈 Rina Hayama @ripplerina

それまでは、苦しく見せないように!と思っていたのですが、実はそれもウェーバーの狙いだったりして!なんて思ったりしちゃいました。"@dankemamann: @ripplerina 同意! コンヴチュニー氏、いいなあ~ええ勉強になるわあ。"

2013-03-27 00:02:07
鈴木淳史 @suZukiatSufmi

コンヴィチュニー《魔弾》の最後は、悪魔や死んだはずのカスパールまで全員が清濁併せ飲んだ苦々しい「大団円」なので、結局は社会適応の悲しみ(ドン・ジョヴァンニもそうでした!)が漂ってますよね。ビエイト演出の真っ裸マックスも見たいー。 @MoriokaM

2013-03-26 09:26:13
矢崎裕一 @luigiyazaki

@suZukiatSufmi コンヴィチュニーの魔弾、ヴィオラのソロが舞台上で演技しながら弾くこれですね。以前、全編観たくて探しても見つからなかった記憶があります。以前、YouTubeにもハンブルクのがいくつか上がってましたが。 http://t.co/lG4TABYTTh

2013-03-26 09:33:54
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鈴木淳史 @suZukiatSufmi

リセウ劇場の映像だ! 美脚はハンブルクの勝ちですが、こちらの脚も結構セクシーですね。QT @luigiyazaki コンヴィチュニーの魔弾、ヴィオラのソロが舞台上で演技しながら弾くこれですね。http://t.co/bODoAoQ2wW

2013-03-26 18:55:11
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鈴木淳史 @suZukiatSufmi

なぜか美脚を持つ女性ヴィオラ奏者と切り離せなくなってしまった、コンヴィチュニー演出の《魔弾の射手》。しかし、当の演出家は当初、男性の奏者を想定していたと昨日言っていた。

2013-03-26 19:03:39
Arisa Tachi @arisa_aries

コンヴィチュニー演出の魔弾の土台になっているのは、神<金が社会を回すようになる、またその流れが個人で把握したりどうにかしたり出来ない規模になる、その転換点の時代。

2013-03-29 01:25:45
Arisa Tachi @arisa_aries

登場人物はその肥大したシステムの中で、何が起こっているのか、何でこうなったのか「わからない」状況に置かれている。

2013-03-29 01:27:59
Arisa Tachi @arisa_aries

彼らはそれまでの正常な人間関係が壊れようとしている(しかもその根源が「わからない」)中、各々の不幸への対処を考えている。いち早く新システムを取り入れるカスパール、常に合理的にモノを考えようとするエンヒェンは、いわば近代的な人物。それに対し、マックスとアガーテはやや古い考え方。

2013-03-29 01:36:15
Arisa Tachi @arisa_aries

でもマックスやアガーテが古い≒間違っているという意味ではない。むしろ、序曲で印象的に現れるのはアガーテのアリアの旋律であり、彼女の存在こそが希望なのだと(コンヴィチュニー氏らしい!w)

2013-03-29 01:37:50
Arisa Tachi @arisa_aries

悪魔ザミエルは先ほどから述べている「わからない」の象徴。新しい時代に面して人々が感じている得体の知れなさとそれに対する不安を具現化したもの。だから彼は全幕にわたって出ずっぱりで、冒頭から楽士達を連れて狩人VS農民の諍いを煽るなど、人々を振り回すのだ。

2013-03-29 01:41:26
Arisa Tachi @arisa_aries

有名な「狩人の合唱」では、ザミエルが先に一度歌詞を読み上げる。あまりに有名な旋律だが、歌詞だけに集中してみると、非常に男性社会的(!?)であることがわかる。その後始まる狩人の合唱では、獲物のように並べられた女性達を狼の着ぐるみを被ったザミエルが吟味している。

2013-03-29 01:46:22
Arisa Tachi @arisa_aries

ところでこのオペラの結末に違和感を感じるのは誰しもだと思う。そこでコンヴィチュニー氏は隠者をはじめから客席に座らせ、このオペラを聴きに来た(民間)スポンサーとして登場する。そして最後の最後出番が来ると舞台に上がって金ピカ名刺を取り出し、いわば「取引」を始める。

2013-03-29 01:52:21
Arisa Tachi @arisa_aries

領主役の歌手が結末で判断をころっと変えてしまうのは、この「隠者≒スポンサー」の出してくれるオ○ネが目当て。そしてついには、本来ラストにはいない死んだはずのカスパールと悪魔ザミエルも、隠者の催すパーティーに加わってしまう。ザミエルと隠者の間で交渉成立(!?)したところで幕。

2013-03-29 01:57:15
Arisa Tachi @arisa_aries

これはオフでの話だが、コンヴィチュニー氏にこの一連について質問すると「そういう意味ではカスパールとザミエルが勝利者になってしまうんだよね…」と苦笑。でも、近代的なシステムにのってゆく指向や、何でも合理的に考えて自分の気持ちを押し殺すことが必ずしもベターでないというのが同氏の想い。

2013-03-29 02:03:23
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