unoさんの映画ツイート2013

2
宇野維正 @uno_kore

今、映画「ヒッチコック」の公開に合わせて、某誌の企画でヒッチコック特集を作ってるんだけど、自分がいかにヒッチコック作品から派生した数々のジャンル映画に耽溺してきたかということと、いかにここ20年以上ヒッチコック作品を観返してこなかったかということを痛感中。楽しいけど超大変

2013-01-07 21:42:28
宇野維正 @uno_kore

考えてみれば「テイク・シェルター」も「ハプニング」も「クローバーフィールド」も、「鳥」の変奏だもんね。まぁ、この3本が大好きなんて人間、自分だけかもしれないけど

2013-01-07 21:45:39
宇野維正 @uno_kore

トム・クルーズ、来日会見で「M:I:5」の監督がクリストファー・マッカリーだと明かす。「アウトロー」は愛すべき作品だったけど、「M:I」シリーズに多くの人が求めているものは、それとは違う気が。完全に自分が掌握できる監督がいいということか。また監督降板が続くような予感……

2013-01-10 09:35:23
宇野維正 @uno_kore

「リンカーン」試写。ダニエル演じるリンカーンのまるで幽霊のような異様な佇まい。カミンスキーの宗教画のようないつにも増して陰影の濃い画。どうしてスピルバーグは彼の晩年だけを描き、しかもあの肝心なシーンは描こうとしなかったのか?これは実在の人物の伝記映画というより、むしろ伝奇映画だ

2013-01-10 21:54:26
宇野維正 @uno_kore

「リンカーン」続き。しかし米国人以外の観客にとって、憲法修正第十三条と南北戦争終結を偉業として重々しく描かれても、そこに到るまでのあの国の血塗られた歴史をスルーされては、物語的なカタルシスを得ようがない。自分にとっては、スピルバーグの倒錯と業の深さを味わうだけの歪な映画体験だった

2013-01-10 21:56:41
宇野維正 @uno_kore

「ゼロ・ダーク・サーティ」試写。主義主張を入れることを周到に回避しているが故に、逆に観客の政治的スタンスが厳しく問われる。完成度はとんでもないが、自分には胸クソ悪いCIAの女エージェントが、より胸クソ悪い女になっていく話でしかなかった。その点、「ハート・ロッカー」とは全然違う

2013-01-15 18:25:54
宇野維正 @uno_kore

「ゼロ・ダーク・サーティ」続き。「ハート・ロッカー」にはその政治的スタンスを超越してしまうある種の神話性があった。しかし、ここにあるのは独りよがりで醜い現実だけ。あの国の基地が自分の国にあるというのはこういうことなのだ。そういう意味では全日本人必見の作品

2013-01-15 18:28:52
宇野維正 @uno_kore

それにしても、「ザ・マスター」「リンカーン」「ゼロ・ダーク・サーティ」と傑作には違いないが、モヤモヤさせられる作品が続く。いずれも「ゼア・ウィル・ビー〜」「ミュンヘン」「ハート・ロッカー」にはなかった感覚。これがアメリカ映画の現在地なのだろう

2013-01-15 18:35:48
宇野維正 @uno_kore

問答無用の完成度。史実に忠実。でも、極めてアメリカ人的な偏った歴史観(アメリカ人が撮ってるんだから当たり前だけど)。重くて暗い(ついでに長い)。カタルシスのなさ。苦い後味。「リンカーン」と「ゼロ・ダーク・サーティ」はアメリカの過去と現在を描いた、まるで双子のような映画だ

2013-01-15 21:40:08
宇野維正 @uno_kore

うほっ、カラックス、「ホーリー・モーターズ」の披露試写で来日!本物見れるの、超久しぶりだ!

2013-01-16 15:11:30
宇野維正 @uno_kore

「えっ!『ルーパー』の監督ライアン・ジョンソンって『ブレイキング・バッド』も撮ってたの?」とシネマハスラーを聴いて驚いたんだけど、日本語ウィキにも書いてる基礎情報だった。しかも撮ったの、シーズン3の蠅と追いかけっこしてるだけのあの神回か。もう一生ついていく

2013-01-19 22:51:28
宇野維正 @uno_kore

「これから、新作を観る時に最も緊張する監督の新作を観る」というツイートを2ヶ月くらい前にもした記憶があるけど、ホントはこっちの方だった。PTAじゃなくてLC

2013-01-27 13:49:32
宇野維正 @uno_kore

カラックス「この作品は早く作るために撮影中にラッシュを見なかった。ラッシュを見ると全部投げ出してしまいたくなることがある。この主人公はSFの世界にいる男だ。その朝から深夜までの一日を追うことで『現代社会で生きているというのはどういうことなのか?』という問いかけをしたかった」

2013-01-27 22:30:42
宇野維正 @uno_kore

カラックス「10年以上長編を撮ってなかったことで気が狂いそうだった。何かを作る必要があった。ドニ・ラヴァンで撮ることは決めていた。彼のことは20歳から知ってるが友人ではない。一緒に食事をしたこともない。今住んでいる家は彼の家と200mと離れてないが、普段は会ったこともない」

2013-01-27 22:32:21
宇野維正 @uno_kore

カラックス「映画館の中にいる観客を正面から見たイメージ。まさに今、私があなた達を見ているようなイメージが浮かんだことから今作の構想は始まった。観客は眠っているのか死んでいるのかわからない。その映画館で一人の人間(演じるのはカラックス本人)が目を醒ます。そこから物語は始まる」

2013-01-27 22:33:53
宇野維正 @uno_kore

カラックス「映画作家は人間の身体や顔を見ることを好む。風景や建物や煙草やピストルも好きだが、何よりも人間が走っている身体、泣いている顔、セックスしている身体を好む。だからこの作品は映画の祖先、マレーの連続写真から始まる。それこそが『ホーリー・モーターズ』、映画の神聖な原動力だ」

2013-01-27 22:35:42
宇野維正 @uno_kore

カラックス「今作は相反する二つの感情が基盤になっている。一つは『自分は自分でしかあり得ないことの疲労』。自分であり続けようとするために狂ってしまう人もいる。もう一つは『自分を新たに作り出したいという希望』。でも、それは簡単なことではない。そのためには相当な力と幸運が必要だ」

2013-01-27 22:36:44
宇野維正 @uno_kore

カラックス「私は寡作だが、それには理由がある。私は過去の作品を作った自分と今の自分が同じであるという確信が持てないと映画が作れない。しかし人生は進んでいく。中には多作家もいる。ファスビンダーの作品はすべて素晴らしいが、彼はそのために自分の命を燃焼させて早死にしてしまった」

2013-01-27 22:37:36
宇野維正 @uno_kore

ホーリー・モーターズ」先行特別上映会。とりあえずミーハーなことを言うと、カラックスの顔、身体、服の着こなし、仕草、すべてが相変わらずカッコよすぎて泣けた。で、それは作品の説得力に直結してる。あの上目遣いで指示されたら、そりゃカイリーちゃんもエヴァ・メンデスもなんでもやってくれるよ

2013-01-27 22:47:59
宇野維正 @uno_kore

「ホーリー・モーターズ」続き。先ほど発言も引用したように、本作は映画館の観客を正面から捉えたショットで始まる。そう、偶然にも「エヴァ Air / まごころを、君に」のラストショットと同じ。そして、観終わった印象は「ヱヴァQ」にとても近い。もちろんいい意味で。うまく説明できるかな

2013-01-27 22:55:10
宇野維正 @uno_kore

「ホーリー・モーターズ」さらに続き。全編が映画への、自分の過去作への、そして自分の人生への、自己言及に満ちた、ちょっと哀しいスラップスティックコメディ。カラックスのファンならメチャクチャ楽しめるし、伝えたいことは全部伝わってくる。誰だよ、シュールだとかわけわからんとか言ってたのは

2013-01-27 23:05:54
宇野維正 @uno_kore

カラックス「映画の美、映画の詩情は、映画が純粋なフィクションではないところ、そのドキュメンタリー的な部分にある。本作でそれはドニ・ラヴァンや美しい女優たちのことだ。私は彼らを作り出せない。モーションキャプチャーは興味深いし、自分も探求しているが、あれは映画ではない」

2013-01-28 00:24:52
宇野維正 @uno_kore

この発言を聞きながら、カラックスの「タンタン」狂ぶりを思い出した。スピルバーグとジャクソンが「タンタン」をあのような作品にしたことに対して、きっと忸怩たる思いだったんだろうな

2013-01-28 00:27:04
宇野維正 @uno_kore

「SAVAGES 野蛮なやつら」試写。ドラッグディーラーではなく生産者に焦点を当てるという「ブレイキング・バッド」以降の流れにのった作品。体育会系「ソーシャル・ネットワーク」というか、要は「ハートブルー」な男2人(と女1人)の華麗で爛れた生活を描写していく前半は無条件に楽しい

2013-01-30 14:07:38
宇野維正 @uno_kore

「SAVAGES」続き。トニー・スコット作品やJJスタートレックでお馴染み撮影ダン・ミンデルのパキーンとした画もバッチリ。でも、後半は裏切り裏切られのフツーのドラッグものに……。もっと面白くできそうなのになぁ。いずれにせよ、一番「野蛮」なのが監督オリバー・ストーンなのは間違いない

2013-01-30 14:15:09
1 ・・ 31 次へ