「実態平等」と「平等に貧困」の話

鳥山仁 @toriyamazine

（１）実態平等を理想とする政治信条の人たち（社会主義者と公務員の一部、宗教関係者に多い）にとって、表現とは実態平等という理念達成の手段＝宣伝に過ぎないんだから、そもそも自由なんて最初から想定していないのに、なんでこいつらと対話が可能だと思える自称規制反対派がいるのか理解できん。

鳥山仁 @toriyamazine

（２）話をするにしても、相手が実態平等を理想としているかどうかの言質を真っ先に取った上でディベートをやればいいだけなのに、なんでそれをやらないの かも理解不能。最初に「実態平等が理想の社会だと思ってますか？」と訊けない理由がよくわからない。だって、そこが一番大事な部分でしょ？

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 「全員が平等に貧困なら、それはそれで幸福なんだよ！」と叫ぶ人が身近にいたとしても、私は「浅間焼けと東北の状況を調べてみろ」と言うしかない。 人間は、平等に貧困になどなれはしないのだ。 奪い尽くしたら、そこには互いの肉を喰らう地獄が現出するのだ。

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 私自身「所有せざる人々」の、美しく叙情的な「持たざるが故に全てを持っている」平等というものに一抹の理想を見る。 それに魅せられる人々がいるという事も、感覚として受け入れがたいという事はない。 しかし、「今」それをやるには、人間の実力は不足だとも思う。

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 「平等に貧困」になってみたところで、持って生まれた資質の差まで等しく均されるわけではない。 「平等に豊か」になろうとしたところで、皆に行き渡るだけの物資とエネルギーと情報が必要になる。 そして「平等だからお前の女房も平等に分けろ」とは誰も言えない…

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine …「人間は完全な平等を達成できない」今のところは。 だから「無理をしてはならない」。 一片の肉も分け与えるな、という主張も、全ての肉を分け合わなければならない、という主張も「極端にすぎる」。 ・・・と言っても、その「理想」を通そうとするのが宗教か。

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 （１）自分の小説にもさわりだけ書きましたが、実体平等主義の真の問題は「平等状態」を維持するために常時そこから外れた人間を「排除」していかなければならないという恐怖システムの構築が必須である点です。もちろん、こうした仕組みは……

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 （２）……全ての人間社会に備わっているわけですが、実体平等を理念とした段階で、排除の対象が莫大になるというか、許容される帯域が極端に狭くなるため、ポル＝ポトが典型ですが社会の枠組みが維持できないレベルでの排除が行われてしまうわけです。だからこそ……

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 （３）……実体平等を訴える人の大半は心が狭く、平和を訴える人の大半は暴力的です。完全な平和を求める以上、少しでも暴力を肯定する人間を見かけたら「排除」せざるを得ないわけですから、そりゃあ暴力的にもなります（笑）　問題は、論理的にそうなることを……

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 （４）……当の本人達が理解していない点です。つまり、彼らは社会制度を批判しているにもかかわらず、というか正確には批判している根底に人間嫌いがあるんでしょう。欠点だらけの人間を愛せない人が夢想する社会が偏狭になるのは当然でしょう。

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 「所有せざる人々」において、所有物というものがない「理想社会」アナレスの社会体制から外れた一人の男は、収容所（精神病院）にぶち込まれ、そこで狂死しました（苦笑）。 ル・グィン自身は、美しい幻想を紡ぐ時に、一抹の皮肉にちゃんと気づいていたわけですね…

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine …その他にも、「真の共産主義」を謳うアナレスに飢饉が来ると、もう少しで暴動が起きそうになったり、互選によって存在する事務局（労働配分局）がいつの間にか事実上の権力機構（ただしそれには中枢がない。ソビエトを彷彿とさせる顔のない存在）になったりする…

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine …そういう意味では、ル・グィンは自分がシミュレートしようとした理想社会の限界を、むしろよく知っていた。 しかし、彼女は彼女らしく（苦笑）、「放浪した主人公が世界をわずかだけ変えて帰還する」（彼女はどちらかといえばファンタジー作家）で幕を閉じます…

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 ユートピア小説を書いた作家の大半は、自分が空想した社会が理念上にしか存在し得ない事は自覚していたと思います。ただ、事実は小説より奇なりというか、現実に出現したユートピアはディストピア小説を書いた作家が想像したモノよりもはるかに酷く……

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 神秘の女教師ポル・ポル・ポト子先生は偉大すぎて目が潰れそうです（TT）。

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 ……更にその主人であったレーニンやスターリンが気づいていたように、社会主義と民族主義（部族社会）は容易に結合し、どんな作家が想像した社会よりも奇矯で醜悪な代物に成り果てるという事実です。これは、階級政党の理念が封建主義の裏返しでしかないために……

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 ……引き起こされる現象で、事実上回避不能ですし、またユートピアが好きな人の大半が、どういうわけか部族社会制度が好きなんですよ（笑）　どうして彼らが「それ」を好きなのかを考えるとちょっと複雑な気持ちになりますが……

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 ……逆にそういうものが好きじゃなければファンタジーは書かないよねというトートロジーに陥って終了です。

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 「封建制は、全ての人間に収まるべき場所を与える」（フランク・ハーバート） 私はここで敢えて言う。 「過去の世界に、今より良いものなどあるはずがないだろうが！！お前らは、昔の事など（記録がないから）何一つ知らず、そこに頭の中の黄金卿を作っただけだ！！」

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 あれも理想の社会主義と反ベトナム主義・反植民地主義がくっついた結果で、1つ1つの理屈は正義論的には「その通り」としか言いようがない内容ですからね（呆）

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 仰るとおりで、科学の発展がある限りはそうなります。逆に、科学の発展がもたらす音型を理解できなかったり、むしろ科学の発達が人間社会に害を及ぼすという被害妄想に取り憑かれていると、その視点が欠損するので、とんでもない社会像が構築されるんですよね。

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 科学の発達は、社会に大ダメージをもたらすことがあります（苦笑）。 しかし、…もう言ってしまってもいいでしょう。 「気にするほどの密度のある社会は、その科学技術の発達がもたらしたものだ」 都市、ライフライン情報ネットワーク、そして「人口そのもの」も。

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine 「殺したり害したり出来るのは、増やしたからだ」。 自動小銃一つで一村全滅できますが、そもそも「一村」など存在せず、遊牧してたら見つけることも殲滅する事も難しいし。 「自由＝選択肢は、人間がこつこつ貯めてきた知恵と資産を使って増えてきた」。

鳥山仁 @toriyamazine

@abigail9801 人口増加の一番の理由は医学も含めた科学の発展ですからね（笑）　植民地から独立した国が一番隠したい部分で、だから「植民地独立神話」では、悪い支配先進国が暴虐の限りを尽くし、弱者である植民地住民がバタバタと死んでいくのに……

abigail9821（月光蝶であるＸ） @abigail9821

@toriyamazine あえて「科学技術」と切り分けてしまうから、そこに何か特別なものがあるように思えてくる。 人間は、知識と技術と生産物をこつこつため、それを投資して人口を増やしてきた。 すると社会の複雑性と密度が増し、「この切り裂きジャックが殺しまくりんぐだァーー！！」