あるツイートについて検証する by マキノさん

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Jun Makino @jun_makino

なんかついで。 https://t.co/jzjgWrc1fB ここ で使われている Cardis et al. 2005 は症例対照研究なので、こういう比較には使えない。 解説は「科学」 3 月号に書いた。

2013-03-30 20:47:11
Jun Makino @jun_makino

正しいと言われるよりは不安にならない. https://t.co/KSGAOz3X98

2013-03-30 21:12:27

Jun Makino @jun_makino

まず「一目瞭然! 十数シーベルト台のも子どもいたはずだけど。福島とは千倍異なるんだよね。」と書いてあるんだけど、図をみても 1000 倍違うことはわからない。チェルノブイリのほうは平均 490mSv と書いてあり、福島のほうはいくつかわからない。

2013-03-31 12:08:33
Jun Makino @jun_makino

この 1000 倍については http://t.co/TwAxZOgcvL 最大でも 50Sv と 35mSv なので 3 桁、平均でも数 Sv と数 mSv なので同じく 3 桁かと。 と別の Tw で書い

2013-03-31 12:08:35
Jun Makino @jun_makino

「平均でも数 Sv 」はおそらくそもそもこのデータのことではなくて UNSCEAR2008 にで ている「チェルノブイリの避難民」の数字であろう。

2013-03-31 12:08:38
Jun Makino @jun_makino

つまり、主張と無関係なグラフが何故かそこにある、というだけなので、そこから「一目瞭然!」でなくても深く考えるべきではないと思われる。

2013-03-31 12:08:40
Jun Makino @jun_makino

主張と無関係なグラフなので、どんなデータでもあまり意味はないんだけど、このグラフは Cardis et al. 2005 のサンプル全体である。

2013-03-31 12:08:42
Jun Makino @jun_makino

ここでの方法は、甲状腺がん患者 ( 症例 )276 人に対して、患者でない人 ( 対照 )1300 人をみつけてきて、その 2 つを比較する ( 数学的にはかなり面倒な操作をして ) という方法。

2013-03-31 12:08:45
Jun Makino @jun_makino

なので、これは、実際に甲状腺がんになった ( しかも、被爆の影響によるものがほとんどであるとわかった ) 人を 2 割程度含むサンプルになっている。

2013-03-31 12:08:47
Jun Makino @jun_makino

このため、仮に、この患者のサンプルがある地域の中の患者のバイアスのない サンプルであるとか、完全なサンプルであるとかしても、その地域の平均より 被曝量は大きくなる。実際、この論文での数字は患者をとってきた地域全体の 平均より 1 桁程度は大きくなっている可能性がある。

2013-03-31 12:08:49
Jun Makino @jun_makino

従って、 Cardis 2005 の全サンプルの分布や平均を、福島でのある地域の住民の分布や平均と比べるのはあまり意味がある比較ではない、ということになる。

2013-03-31 12:08:51
Jun Makino @jun_makino

全サンプルでなくて患者でないほうなら意味があるか?というとそうでもない。これは対照群を選ぶ時に症例と合わせるから。例えばこの研究の場合、ゴメリを含む 6 地域を対象にしているけど、患者の大半はゴメリで、対照群もほとんどゴメリ地区になっていてこれは人口分布とは全然違う。

2013-03-31 12:08:53
Jun Makino @jun_makino

https://t.co/TAjQufD16L それっぽい所を引用するだけで「わかっている人」を演じることができて素人さんにはそこそこにごまかしがきく、というのがネット言論の限界

2013-03-31 12:08:55

まとめの中に出てくる Cardis et al 2005 へのリンク

http://jnci.oxfordjournals.org/content/97/10/724.full.pdf

なぜ、比較出来ないかを例題を上げて説明

注意「大文字は母集団、小文字はサンプルを表す」

MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

一般的に示すには高校生程度の数学の力がいるかもしれないので、小学生でもわかる具体例で説明するなら、母集団についてA=160、B=40、C=200、D=800の場合、(A+B)/(C+D)=0.2。

2013-04-04 07:51:09
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

症例と対照がa=16、b=40、c=20、d=800となるように選ばれたなら、(a+b)/(c+d)≒0.068。症例と対照がa=160、b=4、c=200、d=80となるように選ばれたなら、(a+b)/(c+d)≒0.59。

2013-04-04 07:56:51
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

まぁ、偶然、症例と対照がa=16、b=4、c=20、d=80となるように選ばれたなら(他にもある)、(a+b)/(c+d)=0.2となるけど、一般には母集団の割合を反映しないわけです。

2013-04-04 08:25:46
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

相変わらず往生際が悪いですね。誰も「和が一定」なんて条件は使っていないんだけど・・・。まぁ、小学生低学年並みということで、もう一例あげると、症例と対照がa=32、b=20、c=40、d=400となるように選ばれたなら、(a+b)/(c+d)≒0.12。これらはすべてORは16。

2013-04-04 14:42:46
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

「相対危険度Relative Riskとオッズ比Odds Ratio 」 http://t.co/k7vPcGzt8V 引用:ケースコントロール研究の場合には結果のある群とそれにマッチするような結果のない群を集めて両群を比較するためである。

2013-04-04 21:05:02