山本七平botまとめ/欧米は法・契約的社会、日本は礼・楽的社会/~「礼楽」を無視すれば、崩壊してしまう日本の組織~

山本七平著『1990年代の日本』/(1)礼楽的秩序/伝統的秩序/61頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①企業は倒産があるから転換が早い。 だが倒産がないものは、内から実質的に崩壊しても形骸は保っているから、それが、外面的秩序の、だれの目にも見える崩壊になるまでそのまま放置されている。<『1990年代の日本』

2013-03-23 12:27:58
山本七平bot @yamamoto7hei

②特に教育などはその結果が出るのが遅いから、内から実質的に崩壊した時代の子供が教師になったころでないと、外面的秩序の崩壊にはならない。

2013-03-23 12:57:43
山本七平bot @yamamoto7hei

④だがそれは、企業内の秩序が学校以上に崩壊した場合にいえることであろう。 特に都会は「会社社会」といって過言ではないが、整然と秩序立った企業群の只中で学校だけが崩壊していれば、そのようなことは言えないはずである。

2013-03-23 13:57:44
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤「社会が悪いとおっしゃるなら、せめて、その悪い社会の中の会社内の秩序ぐらいにはして下さい」ということにもなろう。 前に私は「欧米は法・契約的社会、日本は礼・楽的社会」と述べた。 もっとも、欧米にも礼楽的要素はあり、また前述の「九徳」的要素ももちろんある。

2013-03-23 14:27:55
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥また日本も法・契約的要素がないわけでは、もちろんない。 そこで、単純に類型的分類はできないことも記したが、いずれに重点が置かれているかといえば、日本は、むしろ礼楽的な面に重点が置かれているという意味で「礼・楽的社会」と言ってよいであろう。

2013-03-23 14:57:44
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦日本の場合、これを無視して組織内の秩序を維持することはできない。 そしてこれが、「九徳」による人望がリーダーの条件である社会の背後にある、秩序の重要な要素なのである。

2013-03-23 15:27:54