竹熊健太郎氏「編集者にせよインタビュアーにせよ、作家のATフィールドを突破するのが仕事」

さいとう・たかを先生のインタビュー話など
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竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

おそらく、そうなのだと思います。RT @jishizuka: @kentaro666 @kamabun 才能がある人は、自己肯定と自己批判がせめぎ合うレベルが高いからではないかと。常人的には合格レベルでも、次の地平が見えているところで褒められると、それは本当にイヤでしょうね。

2013-04-06 17:10:43
さいとうよしこ🌗 @yoshikosaito

@kentaro666 こんにちは。おもしろいですね。努力してない部分、またはもっと上しか見てないからとかでしょうか?

2013-04-06 17:25:32
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito [1]才能ある人は向上心の塊ですから、安易に褒めると馬鹿にされます。しかし大抵本当にやりたい部分があって、そこは模索中で上手く行ってない箇所なんですね。そこを発見して褒める事ができれば、変な言い方ですが「こっちのもの」ではないでしょうか。

2013-04-06 18:36:57
さいとうよしこ🌗 @yoshikosaito

@kentaro666 うまくいっていない部分を見つけて、それに対する挑戦をほめる‥これは見つけた方もすごいカタルシスですねw 大きな才能相手ではないですが、規模の小さな似た体験はあったかもしれません。

2013-04-06 18:57:57
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@yoshikosaito [2]要は才能ある人にとっては、自分で既にクリアーしている部分を褒められてもちっとも嬉しくないのですが、まだ未成熟だがその人が本当にやりたい事を理解できたら、おそらく金銭すら問題ではなくなるのです。しかしこれができる人は滅多にいないのが現実です。

2013-04-06 18:38:31
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@yoshikosaito [3]つまり批判すべき部分と褒める部分をキッチリ弁別し「うまいやり方」を共に考える事が編集者の「勝負」ですが、同時にそれをビジネス面の最低条件をクリアしつつなさねばならないのが、編集者が直面する本質的困難で、それは作家の困難とは異質なものです。

2013-04-06 18:43:25
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito [4]簡単に言うなら、作家は「自分の作品の事だけ」を考えていればそれでよく、余計な事を考えるべきではありませんが、編集者は、同時に他の作家についても均等に考えなければならないのです。なので編集者は「クリエイターにはなり切れない」存在であるわけです。

2013-04-06 18:47:43
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito [5]最後に私が考える「いい編集」の例を挙げます。「少年倶楽部」編集長として田河水泡を発掘し戦後「漫画少年」編集長として手塚治虫に作家的転機を与えた加藤謙一、白土三平「カムイ伝」を連載するために「ガロ」を創刊した長井勝一は私が考える「いい編集」です。

2013-04-06 18:50:39
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito [6]加藤と長井に共通する特長があります。加藤の「漫画少年」は加藤が講談社を辞めて学童社を興して創刊しました。長井の青林堂も白土三平の為に作った版元。つまり編集者が真のクリエイティブを発揮するには、自分で版元を持つ以外にないというのが私の考えです。

2013-04-06 18:59:05
さいとうよしこ🌗 @yoshikosaito

@kentaro666 なるほど! 確かにクリエイターと呼ぶべき編集者やライターさんは版元、準版元を立ち上げている気がします。身の回りでも。

2013-04-06 19:24:42
さいとうよしこ🌗 @yoshikosaito

@kentaro666 思いがけず、すごく面白い話をありがとうございました( Ò ‸ Ó) 私あての@がついたままなのが申し訳ないほどに。

2013-04-06 23:26:52
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@yoshikosaito でしょ? 今はネットがあるからメディア作るの簡単ですよ。 #電脳マヴォ は編集経費15万円/月でやってます。

2013-04-06 19:42:18
高田潜水艦 @ttakada

80年代からのコミケ野郎たる私ですが『今さら』って感じです。制約と売れ線ばかりの“プロ”より自分の感性でのびのびできる同人に流れる風潮は昔からですから。“@kentaro666: .@joe0212t 才能があろうと、締切が守れる人か、一定水準の作品をコンスタントに描ける人か〜”

2013-04-06 20:40:02
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@ttakada @joe0212t 同人誌界の「今さら」が、ようやく漫画界全体の「今」になりつつあるのが現在なのだと思いますよ。商業出版は20年遅れて同人界に追いついたと考えてもいいのでは。

2013-04-06 20:47:40
高田潜水艦 @ttakada

なるほど、そういうことなんでしょうね・・“@kentaro666: @ttakada @joe0212t 同人誌界の「今さら」が、ようやく漫画界全体の「今」になりつつあるのが現在なのだと思いますよ。”

2013-04-06 20:50:48
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

「褒める」とはそういう事ですよ。挑戦を褒める事が真の意味での「褒める」なんですよ。成功を褒める事は幼稚園児でもできるんですよ。RT @yoshikosaito: @kentaro666 うまくいっていない部分を見つけて、挑戦をほめる‥これは見つけた方もすごいカタルシスですねw

2013-04-06 22:33:39
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito 失敗でもその人の意図を汲み取って「褒める」事ができたら、相手がどんな大物だろうが心を開くんですよ。僕、さいとう・たかを先生をインタビューした時に気がつきました。お会いした時、僕がさいとう作品としては比較的マイナーな「デビルキング」を褒めた瞬間、

2013-04-06 22:39:14
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito 「ほう。君、そう思うかね?」と、いきなりさいとう先生との距離が縮まったんですよ。大ヒットした「ゴルゴ13」や「無用ノ介」ではなく、さいとう作品としてはかなりマイナーなSF作品群があって、その中で「デビルキング」が圧倒的に傑作だと僕は思うんですよ。

2013-04-06 22:44:39
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito 特にSF版「15少年漂流記」の「ベリー・ファーザー」は最初貸本劇画として発表され、少年マガジンで「サイレント・ワールド」に、また「デビルキング」も貸本で未完だったものをサンデーでさいとうプロの主力スタッフを投入して自己リメイクしているんですよ。

2013-04-06 22:52:53
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito さいとう先生、SFが大好きなんですよ。でもさいとう先生のタッチでは、残念ながらSFは合わないんですよ。だからSFのヒット作って「サバイバル」くらいなんですよ。でもさいとう先生、隙あればSFに何回も挑戦しているんですよ。でもヒットしないんですよ。

2013-04-06 22:57:04
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito それで「デビルキング」なんですが、サンデー版も明らかに打ち切りなんですよ。最後の方は明らかに無理やり終わらせる展開なんですよ。しかしあれ、バイオテクノロジーで科学者が自分の助手を身長10何メートルの巨人に改造して人工の「神」を作ろうとする、

2013-04-06 23:01:49
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito 現在も通用する物凄く面白いプロットなんですよ。それで、さいとう先生にその話をしたら、それから数十分、本筋のインタビューとは関係ない、その時点で30年前の「打ち切り作」だった「デビルキング」の話が止まらないんですよ。明らかに先生にとって重要作で、

2013-04-06 23:05:35
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito 明らかにさいとう先生の中では「終わってない」んですよ。僕、話を聞きながら唖然としたんですよ。作家をインタビューするとはこういう事なんですよ。成功作だったら先生は無数に答えてて、テンプレートができている。そんなの聞く方も話す方も面白い訳ないんですよ。

2013-04-06 23:12:08
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@yoshikosaito 編集者にせよインタビュアーにせよ、作家のATフィールドを突破するのが仕事なんですよ。だから作家と相対する際には、その人の代表作だけではなく「失敗作」に目を通しておくべきだと思うのですよ。つい興奮して長くなりました、ごめんなさい。

2013-04-06 23:17:45