三木一馬氏の「ツンデレ!」論。

電撃文庫のエライ編集者、三木一馬氏の「ツンデレ」について。
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三木一馬 @dengeki_miki

『ストーリーにツンデレを取り入れろ!』。昨今ツンデレ、何て言葉が流行っておりますが(もう流行ってない?)、それはヒロインだったり、はたまた男性主人公をそう表現したり、つまりキャラクターのステータス(性格)に対して使われることが一般的かと思います。

2013-04-07 00:36:09
三木一馬 @dengeki_miki

しかしここでは創作、小説のストーリーテリングにツンデレを盛り込んでみようというお話です。ツンデレの定義はもちろん「普段はツンツン、でもたま~にデレる」です。このような性格の女の子(キャラクター)がいま、読者の皆さんに受けていますよね。

2013-04-07 00:36:16
三木一馬 @dengeki_miki

普段は位置エネルギーが高い場所に居る存在が、急に位置エネルギーが低い位置に落ちてきたとき(僕等の視点をこことします)、そのエネルギー差が『ギャップ』という個性になって魅力が出る、という仕組みです。

2013-04-07 00:36:22
三木一馬 @dengeki_miki

ツンデレ比率はだいたい7:3~8:2くらいが良いとされています(勝手に定義。ちなみに初期の桐乃は9,5:0,5くらいかな)。みんなで遊びに行ったときに散々みんなの前では罵倒するけど、帰り際二人になったときに謝ってきてなんだよドキドキしちゃうだろ的なアレです。

2013-04-07 00:36:29
三木一馬 @dengeki_miki

この『みんなで遊びに行ったときのツンデレ女の子』を極意として、ストーリーにも当てはめてみましょう。以前もここで言及した『要素の相対論』(勝手に命名)の俗物バージョンです。ストーリーを楽しむ読者さんも、位置エネルギーの高低によるギャップに魅力を感じます。

2013-04-07 00:36:35
三木一馬 @dengeki_miki

ここでのポイントは、ストーリーの場合は、たとえば小説が全四章に別れているなら、その各章毎にストーリーラインの中で「デレ」に当たる部分を設けることです。「デレ」とはストーリー上で「もっとも自信があってアピールしたい部分」です。

2013-04-07 00:36:41
三木一馬 @dengeki_miki

それを意識して、『集団で遊びに行ったあとの帰り道』、各章の8合目くらいに持っていくようお話を練ります。それまでは「ツン」パートですが、だからと言って手を抜いてはいけません。

2013-04-07 00:36:53
三木一馬 @dengeki_miki

『要素の相対論』のロジックで、ここもしっかりと。たまにキャラ萌え、良い意味で完璧すぎないようノイズと脇道描写を入れておきます。そして各章のクライマックスに「ギャップ」を意識した見せ場をつくってあげます。

2013-04-07 00:37:03
三木一馬 @dengeki_miki

読者さんは数多のエンターテイメントを浴びるように聴いたり観たり読んだりしているので、無意識に「そろそろ面白くなってきて欲しい」センサーみたいなものが自動で発動しています。

2013-04-07 00:37:13
三木一馬 @dengeki_miki

そのタイミングが、各章の8合目でピークになると思ってください(もちろん例外もありますし、冒頭からいきなりクライマックス!みたいな驚き展開も逆にやれたりします)。

2013-04-07 00:37:18
三木一馬 @dengeki_miki

読者さんの「楽しみ欲しい」リズム、みたいなものを皮膚感覚で分かると、エンタメストーリーの精度が上がります。その極意はみんなで遊びに行ったときのツンデレ女の子にアリ……! かな?

2013-04-07 00:37:22