共同親権か、単独親権か、ではなく、「子権」を。

「NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」理事長 山田不二子先生による、親権に関するツイートをまとめます。 「子権」というネーミングは微妙だが・・・(笑) 子どもを中心に考えたら、まぁ悪くない発想だと思う。 それは別として、単独親権、共同親権の問題だったり、そもそもの協議離婚の問題だったり、課題が沢山含まれていて非常に示唆に富むと思いました。
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Fujiko Yamada @y_fujiko

両親離婚後の単独親権制と共同親権制、どちらも一長一短があるようです。これまで私は、単独親権制の欠点ばかりが目に付いて、共同親権制の方が子どもの福祉にかなうのではないかと考えてきました。両親が離婚した子どもの多くは「パパとママが離婚したのはボク(わたし)のせいだ」と考えがちです。

2013-04-06 12:15:18
Fujiko Yamada @y_fujiko

特に幼児の場合、まわりで起こる全ての現象を自分と関連づけて考える自己中心的思考のため、「自分のせいでパパとママは離婚した」と思い込みがちです。一緒に住めなくなった方の実親と面会交流すらできないと、子どもは「大好きなママ(パパ)と会えないのも、ボク(わたし)のせいだ」と考えます。

2013-04-06 12:30:18
Fujiko Yamada @y_fujiko

もし、日本では協議離婚が多いために、面会交渉権を行使できない実親が多くなっているのであるなら、共同親権制を導入すれば、離れて暮らす実親との面会交流の機会を子どもたちに保証してあげる可能性を高められるのではないかと、私は考えていました。ところが、現実はそれほど単純ではないようです。

2013-04-06 12:46:54
Fujiko Yamada @y_fujiko

共同親権制だと、父権と母権の平等が建前になるため、現実的には父権の方が強くなってしまうようなのです。たとえば、母親が、元夫が子どもに性虐待をしたと疑っているとします。しかし、日本でいう調停員のような人が子ども虐待の専門家でないと、性虐待を否認する父親の方を信用してしまいます。

2013-04-06 13:08:37
Fujiko Yamada @y_fujiko

さらに、性虐待を否認した父親が「実の父親と会う機会を子どもから奪っている母親こそ、子どもと父親の権利を侵害している」と主張すると、それがまことしやかに受けとめられ、母親は悪者扱いされ、子どもは父親との面会交流の際に性虐待を受け続けるというとんでもない事態が起こるのです。

2013-04-06 13:13:56
Fujiko Yamada @y_fujiko

このように、単独親権制にも共同親権制にも欠点があるなら、発想そのものを変えて、『親権』に対する『子権』を定義し、面会交流を親の権利ではなく、子どもの権利として規定したら、どうでしょう?

2013-04-06 14:30:12
Fujiko Yamada @y_fujiko

ついでに、家事審判規則54条、70条、72条にある「15歳以上の子どもに与えられた親権者の選択について陳述する権利」を拡大し、虐待を受けた子どもの反応を理解している専門家が関わって、被虐待児が加害者から再被害を決して受けないことを担保しつつ、子どもに親権者を選ぶ権利を与えては?

2013-04-06 14:53:26
Fujiko Yamada @y_fujiko

日本では、「協議離婚、調停離婚、裁判離婚の中で、協議離婚がいちばんスマートな離婚」という認識をしている人が圧倒的多いとのこと! 子どものいない夫婦なら、それでいいかもしれませんが、子どものいる夫婦が自分たちの協議だけで親権者を決めて、ほんとうに子どもの福祉が守られるのでしょうか?

2013-04-07 19:36:38
Fujiko Yamada @y_fujiko

単独親権制か、共同親権制かという議論の前に、子どものいる夫婦でも協議離婚が多いという現実の方にメスを入れるべきなのかもしれません。

2013-04-07 19:39:23