ロボット整備士ギルとアンドロイドルッツのお話。

パラレルギルッツ妄想TLです。
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蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

ロボット機械整備士のギルベルトは段ボールに捨てられていたアンドロイドを拾い、修理して「ルートヴィッヒ」と名前を付けて一緒に住む事にした。最初のうちは決まったパターンの言葉や命令通りの行動しかしなかったが、色々と会話をしたり、スキンシップをしたりしていくうちにルートヴィッヒは→

2010-09-07 21:40:24
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

徐々に人間の様に笑ったり、自分から何かを話す様になっていく。そんなある日、ギルベルトの元にある男がやって来て「このアンドロイドを拾ったのはお前だろう、返してもらおうか…。あの子は、私のものだ。」と。実はルートヴィッヒは成長する人工知能をもつ特殊なアンドロイドだったのだ。

2010-09-07 21:43:53
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

しかし、突然訳も分からずいきなり返せと言われてもルートを返すつもりはなかった。ルートが少しずつ自分に打ち解け、人間のように豊かな感情を表す様になるに連れてギルベルトにとって「大事な存在」になっていたから。最初は半分気まぐれ、半分憐れみで拾って修理し、世話をしていた存在。→

2010-09-07 21:49:06
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

だが今は、かけがえのない…自分の一番大切な「人」となっていた。ルートの笑顔がギルにとって何よりの癒しになっていたから。今まで1人だった自分に初めてできた「家族」。それを失いたくはなかった。たとえ、どんな理由があろうとも。

2010-09-07 21:51:28
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

「アンタが何を言おうと、あいつは俺の家族だ。あんたみたいにあいつを「モノ」扱いする奴に返すわけにはいかねえ。帰れ!帰りやがれ!!」ギルはその男に怒鳴りつけ、追いだした。しかし、その時男はこう言い残した。「今日の所は帰ります。しかしあの子はどんな手段を使っても返していただきますよ」

2010-09-07 21:57:22
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

男は冷たく笑うとその場を立ち去った。ギルの背中にゾクリ、と悪寒が走る。そしてそれから何事もなく数カ月の月日が過ぎた。なんだ、ただの捨てゼリフか…と思った。然し安心していたのもつかの間、またその男は現れた。「言ったでしょう?どんな手段を使ってでも取り戻すって…ね?」

2010-09-07 22:02:57
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

家に入るやいなや、男はギルに銃を向ける。「…あの子を返してもらうために、邪魔者には消えてもらいますよ?さようなら。」……ああ、もうダメだ…そう思った瞬間だった。

2010-09-07 22:05:10
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

男が引き金を引くと同時にギルをかばうように何者かが前に立ちはだかった。…ルートだった。「だ、大丈夫‥だったか?怪我は…してないようだな…。良かった……」銃弾はルートの背中に当たり、身体の中で止まった。「ば、バカっ!なんで俺をかばったりしたんだ!?お前が死ぬかも知れねーのに…」

2010-09-07 22:09:12
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

ギルが涙をこぼしながらルートを抱きしめると、ルートはふっと笑いながら云った。「大事な人を守るためなら…こわれたってかまわない…。ギルは‥俺の大切な人だから…。一番、大事な人……」そう言うと、ルートはゆっくりと目を閉じ動かなくなった。

2010-09-07 22:12:49
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

2人を見て男は馬鹿にしたように笑う。「特殊な機能があると言っても所詮はモノだからねぇ。考えなしに飛び込んで壊れてしまうとは哀れな子だよ。ハハッ…いたっ!?」ギルは怒りに震える拳で思い切り殴った。何度も、何度も。 そして男が去った後…一生懸命になって「治療」した。

2010-09-07 22:19:00
蓮根慶@絶賛低浮上中 @imopuma

寝る間も惜しんで、ルートが再びその眼を開ける事を信じて。再びあの笑顔を見せてくれ事を信じて。そして…ギルの一生懸命の治療の成果があったのか、ルートは再びその眼を開けた。「…おはよう、ギル。今日も一日一緒に頑張ろうな?」ニコッと微笑み、ギルの頬にちゅっとキスをした。

2010-09-07 22:23:07