電子書籍のノウハウをまとめてみた・「完全版」

これまでに非常に多くの読者様にご覧いただいたまとめの完全版です。電子書籍という 新しい表現手段をひとりでも多くの創作者で共有したい。その結果、新たな作品が続々 と生まれてくるでしょう。「エブリワンクリエイター」。誰もが表現者として電子書籍という 界隈で伸び伸びと創作できるほうがいい。そのために必要なノウハウは、すべて分かり やすく無償で万人に公開されているほうがいいです。後半に皆様の反応を追記しました! 続きを読む
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こちらがまとめのまとめです

https://togetter.com/li/526803

各まとめへはこちらからどうぞ

まとめ 紙? 電書? 出版界隈の未来はどっちだ!? アマゾンのKDPという個人出版システムや電子書籍の普及に 積極的な著者であるメイロマさんが、KDPであれば書きたい 内容をフルに表現できると関心を持たれていました。KDPの 熱狂的推進者である僕としてここはまとめずにはおれません。 電書に冷静な著者の、米田さんのご意見も大事だと思います。 いずれにしても、すべての書き手にとって幸せな未来であれ! kindle本のことならきんどるどうでしょう→ http://kindou.info 29585 pv 460 24 users 36
まとめ 書店? アマゾン? 書籍流通の未来はどっちだ!?(後半編) 先に作ったまとめである、 「紙? 電書? 出版界隈の未来はどっちだ!?」 http://togetter.com/li/522278 にまつわる、書籍流通に関するいろいろな実情 についてまとめました。だいぶ内容追記しました。 抜け漏れあれば対応します。 6904 pv 78 3 users 1
犬吠埼一介⑨わさらー団 すてぃるあらいぶあらいさん @inbosk

これより、今までにくり返し作ってきた「電子書籍のノウハウまとめ」を、再々度ブラッシュアップした完全版として、新しくまとめたいと思います。非常に多くの、数万名という読者様に閲覧していただくことができ、このシリーズは大成功だったといえます。培ってきたノウハウには永続性があります。:)

2013-04-11 04:14:28
犬吠埼一介⑨わさらー団 すてぃるあらいぶあらいさん @inbosk

「さながら元素のように僕らは出会った」 http://t.co/oHud0zWpmk 新刊の、軽快なレトロフューチャーを感じさせる スペオペです。構想、執筆を含めて1年半ほどは 掛けて創作しました。秋の文フリ新刊となります。 #同人誌 http://t.co/GVR6bhh01C

2013-05-17 23:53:36
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犬吠埼一介⑨わさらー団 すてぃるあらいぶあらいさん @inbosk

「さながら元素のように僕らは出会った」軽快なレトロフューチャーを感じさせるスペオペです。犬吠埼ナイン構想という九作品からなるサーガの四番目の章作品となります。kdpセレクト無料キャンペーンで約400部頒布しました。 #kindlejp http://t.co/LZ2Ppw8yXN

2013-05-28 18:51:48
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犬吠埼一介⑨わさらー団 すてぃるあらいぶあらいさん @inbosk

「そのたま! その銃弾が、確かにセカイを変えたのだ」犬吠埼ナイン構想のうち、一番目から三番目の章作品(スパイ小説、SF、セカイ系幻想小説)を同梱した、全集第一巻です。kdpセレクト無料キャンペーンで約600部頒布。 #kindlejp http://t.co/ZBMKsdSa2t

2013-05-28 18:57:20
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犬吠埼一介⑨わさらー団 すてぃるあらいぶあらいさん @inbosk

「耳と尻尾の狭間にて」140文字の連なりからなるついのべ(ツイッター小説)というジャンルの作品を、自由でやわらかい雰囲気になるよう一冊の同人誌にまとめました。kdpセレクト無料キャンペーンで約200部頒布しました。 #kindlejp http://t.co/xIHe9kVnea

2013-05-28 19:01:21
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さながら元素のように僕らは出会った

http://www.amazon.co.jp/dp/B00CP6RKT6/

そのたま! その銃弾が、確かにセカイを変えたのだ

http://www.amazon.co.jp/dp/B00AHJSUB0/

耳と尻尾の狭間にて

http://www.amazon.co.jp/dp/B00BTN2B8Q/

その後いろいろと分かったこと

・なぜ追記したし

このまとめでは、電子書籍や紙の本の同人誌を少しでも多く頒布するためのノウハウとして、1、情報の網羅、2、電子書籍の作成、3、ポートフォリオの形成、というかたちで書いてきました。その後、僕が自分の作品を頒布するに当たり、いろいろと試みた結果、さらに有効な方法も見つかりましたので追記します。

・kdpセレクトと無料キャンペーン

アマゾンで電書を頒布するという方法は、すでに広がりつつあります。しかしkdpセレクトに登録すると合計5日間の無料キャンペーンが打てるということはまだあまり知られていないように思います。実際にこの方法を試したところ、何と、10日間ほどで、三作品で1000部を超える頒布を行うことができたのです。

kdpセレクトとは、アマゾンに3ヶ月契約で専売特権を与えることにより、報酬として5日間の無料キャンペーンが行えるというシステムになります。現状、実質的に、「5日間の無料キャンペーンを行いたいので、3ヶ月間、アマゾン専売にしてもいいという決断をする」ということになっているように思います。電書のみの専売で、紙の本の形態であれば平行して販売してもよく、密林社から委託している紙の本がリンク表示になっていても大丈夫でした。

・kdpセレクトの実際の運用

密林社というのはアマゾンに紙の本を委託できるサービスです。この流れで作られた紙の本のページは、kdpサポートに連絡すると、kdpで作られた電書のページと、リンク表示してもらうことができます。実質的にひとつの作品として管理され、レビューも共有できるので大変におすすめです。

kdpセレクトに登録する。紙の本は制限がないので、密林社からアマゾンに委託できるし、同人誌もイベントで頒布できる。ただし、DLsiteや言い値書店といった他社の電書は、下げておく必要がありますので気をつけてください。

・なぜ部数が伸びるのか?

このキャンペーンで数百部を頒布できるのにはいくつか理由があります。まず、kindle界隈という大きなカテゴリ(普段商業しか読まないkindleユーザーという多数派も含めて=kdpはマイノリティですからね一応)において、全体的に本が供給欠乏状態にあるということです。めぼしいプロ作品を読み終わった読者様が、読みたい本も見つからないのでと、普段読まないkdp作品に手を伸ばしていることがあると考えます。そこで、無料キャンペーンならとDLしていただけているわけですね。

また、ダイレクト出版界隈と総称されるkdp界隈において、kindle本を出版することに対しての、読み手と書き手を巻き込んだひとつのムーブメントがあります。ここにコミットしている人たちがある程度大きなボリュームになっているため、同じく、無料ならとDLしていただけているのだと思います。界隈にはいろいろなことを考える人たちがいます。誰の思想もまた真であり、偽でもあるという広い心で望むのが一番ではないかと思っています。

最大の要素として。kdp界隈の情報をいち早く読者様にお届けする有名情報サイト「きんどるどうでしょう」の存在があります。ポータルサイトとして非常にすばらしく、多くの読者様の視線が集まっているため、ここで紹介されることで部数が飛躍的に伸びるのです。現在、無料キャンペーンを新たに開始した作品は、あらかじめサイトのフォームから申告しておけば紹介していただけることになっています。紹介していただけたら、管理人のzonさんに感謝しつつ、サイトの告知などを手伝うとよいでしょう。

きんどるどうでしょう
http://kindou.info/
管理人のzonさんのツイッター
https://twitter.com/kindouzon
bioに、新刊や無料本の告知依頼フォームあり

・実際にキャンペーンが開始されたら

キャンペーンの開始は指定日の0時からとなっていますが、実際にはアメリカ時間での運用となるため、日本時間の18時から20時ごろに反映されることになります。上記のきんどるどうでしょうの紹介記事もそれくらいかそれ以降に投稿されます。kdpの画面でDL数を確認しながら、ランキングの画面で作品の順位が変動する様子も合わせて確認しましょう。あとはツイッターや自分のサイトなどで宣伝すればいいと思います。

・今後も同じ状況か?

それは分かりません。kdpセレクトと無料キャンペーンを使っても、今後伸びないという可能性と。あるいはより一層伸びるという可能性と。両方あります。kindle人口は増加していくでしょうが、商業やプロの作品もどんどんと増えていきます。結果として、kdp作品がどの程度注目されるかは未知数です。しかし今、これだけDLされるわけですから、参入して損はないでしょう。

・もうひとつのやり方

あるいは、僕が最初にまとめで書いたように、ポートフォリオを作る、つまりいろいろな頒布サイトに登録して幅広く部数を伸ばす方法もあります。DLsiteや言い値書店、密林社で紙の本、pixivやなろうで無償公開、pubooからkindleへ、などなど。他にもいい方法があればぜひ取り入れてみてください。重要なのは、上記のkdpセレクトは、専売のシステムであり、このポートフォリオ作戦とは相性が悪いということです。どちらを選ぶかですね。

・序章 電子書籍のノウハウとは?

 これまでに何度か、「電子書籍のノウハウを徹底的にまとめてみた」というタイトルのまとめを作ってきました。それもこれも、読んでくださった皆様にとって電子書籍がより一層身近なものになり、誰もが簡単に電子書籍を出版できるようになればと思ってのことです。

 電子書籍が普及するためには、電子書籍を作るための方法、出版するための方法、プロモーションするための方法、そのすべてが、誰にでも理解できるように簡潔にまとめられ、誰でも手に入るように公開され、誰もがそれを持っているくらいに普及していなければならないと思っています。

 今回、今までにまとめてきた内容をさらに再編集することによって情報としての価値を高め、より一層上記の目的の一助となるように努めたいと思います。まとめではありますがそれ自体電子書籍風の体裁を取ります。が、出版されてはおらず、あくまで簡易なドキュメントとしての位置づけです。

・全体のレジュメ

 このドキュメントの内容は、以下のとおりとなります。ほぼ、以前に作ってきた3つのまとめの内容ごとに分かれています。簡潔な内容といたしますので、ぜひこの機会に電子書籍の楽しさに触れていただければ幸いです!

 第一章:電子書籍にまつわるいろいろな情報を網羅する

 第二章:kdpで出版するためのmobiファイルを作成する

 第三章:電子書籍を売るためのポートフォリオを作るには

第一章:電子書籍にまつわるいろいろな情報を網羅する

 電子書籍という新しい出版の形態と、その界隈において。アマゾン社が提供する「KDP=Kindle ダイレクトパブリッシング」というサービスは、間違いなくこれまでのよくも悪くも伝統的な出版業界の、硬直したガラパゴス的な状況に変化をもたらすでしょう。これまで、名もなき個人がいきなり自分の本を出版するということには非常に大きな各種のハードルがありましたが、KDPがそれらを取り払った結果、誰もが簡単に参入できるようになりました。これからの出版業界はまさに「エブリワンクリエイター」の時代であるといえます。

 この章では、主にKDPで簡単に電子書籍を出版するための情報を始めとして、それ以外にも、今までも、これからも大きなボリュームを保ち続けていく、「同人創作」という場におけるいろいろなノウハウも紹介していきます。同人誌というと紙の本というイメージですよね。もちろんそれは確かです。が、これからは電子書籍という新しい手段を使った同人誌も数多く生まれてくるでしょう。

 KDPという新しい出版手段は、それを使ってビジネスライクに出版していこうとする人たちと、これまで同様に自分たちの同人というすでに定着したスタイルを維持しながら活用していこうという人たちが渾然一体となり、相互に交流も行いつつ、創作に携わる人々全体で普及していこうという段階となっています。このドキュメントではどちらの目的であれ役に立つようにまとめていきます。

 エブリワンクリエイターの時代においては、非常に多くの創作者たちが、自らの作品を携えて界隈に参入することでしょう。それはすばらしいことです。なぜなら、作品のクオリティは、そこにコミットしている人々の数の多さによっても担保されると考えるからです。100人の創作者しかいないよりも、1万人の創作者がいるほうが、結果的にいろいろな意味で界隈は栄えるでしょう。われわれアーリーアダプターは、手順書をすべての人と共有するというかたちで、その新しい可能性に応えたいと思っています。ここからは箇条書きです。

・「Kindle Paperwhite」

アマゾン社が提供する、Eインクで紙と同じような閲覧を可能にする非常に低消費電力の電子書籍専用端末。電池は使用状況にもよるが一ヶ月くらい持つこともある。インターフェースも分かりやすく、アマゾンのストアと直結したシステムにより快適に作品を楽しむことができる。
http://www.amazon.co.jp/dp/B007OZO03M

・「KindleFire HD」

上記のシステムやインターフェースはほぼ同じながら、フルカラーのタブレット端末として作られている。音楽や本だけでなく、アプリ、ゲーム、映画、さらにはインターネット端末としても使用できる。この端末での動作も、電子書籍を作るなら確認しておいたほうがいい。容量は16GBと32GBの二種類。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00960YR3Q/

・「Kindle ダイレクト・パブリッシング」

 kindleがハードウェアであるとするならば、KDPはプラットフォームである。このサービスを利用することで、誰でも簡単かつすぐに電子書籍を出版することができます。作家としての登録、作品のアップロードや編集、売上の確認もすべてここで一括して行える。作品が、数日でアマゾンストアに並ぶ。
http://kdp.amazon.co.jp/

・iPad mini

 アップル社が提供する、Kindle Fire HDに近いコンセプトのタブレット端末。思い入れがあるならば選択肢に入る。安価でさすがの使いやすさ。
http://www.apple.com/jp/ipad-mini/overview/

・「nexus7」

 google社が提供するAndroidOS端末。Kindle Fire HDがインターフェースに独自の改良を加えているのに対し、この端末は比較的シンプルな状態で使用することができるだろう。安価なタブレット端末としてはおすすめ。
http://www.google.co.jp/nexus/

・「Reader」

 ソニー社が提供する電子書籍専用端末。Kindle Paperwhiteと同様のEインク端末で、ReaderStoreという独自の電子書籍ストアで作品を販売している。アマゾン社の品揃えや端末としての機能とと見比べて選択を。
http://www.sony.jp/reader/

・「ブクログのパブー」

 元々は、ブクログという読書履歴サービスから派生した電子書籍ストア。個人でも気軽に作品を登録し販売することができる。アマゾンでは簡単ではない無償での頒布も行うことができるほかアマゾンのKindleストアに有償で作品を登録することもできる。KDPを経由せずアマゾンで電子書籍を販売できるという意味で注目のサービスである。KDPと比較して選択を。パブー自体にも一定の読者様がいらっしゃるのでそこを活かすこともできる。
http://p.booklog.jp/

・「iBooks」

 アップル社が提供する電子書籍ストア。iPadminiのような製品からアプリとして使用。電子書籍の出版もできるようだ。日本語の書籍にも対応した。
https://itunes.apple.com/jp/app/ibooks/id364709193?mt=8

・「Jコミ」

「魔法先生ネギま!?」で有名な漫画家の赤松健先生が運営する電子書籍ストア。絶版となった漫画を、広告が表示される代わりに無償で閲覧することができる。他にもいろいろな試みが行われている注目のサイト。
http://www.j-comi.jp/

・「BCCKS」

 独自のインターフェースにより、電子書籍と紙の本を同時に編集し公開することができるサービス。パブーと同様、ここにも読者様がいて活かすことができる。オンデマンド印刷と電子書籍ストアを兼ねたサービスといえる。
http://bccks.jp/

・iPadZine

 豊富なファイル形式に対応した、無料の電子書籍プラットフォーム。登録と利用がすべて無料であるところが特徴。パブーと同様、ここにも読者様がいて活かすことができる。無償で登録できることは昨今むしろ有難くもある。
http://www.ipad-zine.com/

きんどるどうでしょう

 昨年末ごろから彗星のごとく誕生し、一気にKDP界隈の情報を網羅しながら拡大していった情報サイト。非常におすすめです。ここでは、いわゆる「ダイレクト出版」という新しい概念を駆使して、ビジネスライクに電子書籍を販売しようと試みるアグレッシブな人たちが数多く紹介されています。電子書籍にすでに精通している相当な猛者もいますし、紙の本で作品が出版された人も出始めています。KDP以外にもkindle関連の情報が山盛りですので、ぜひ観ておいて損はないサイトだと思います。
http://kindou.info/

・KDPにおける、固定レイアウトとリフローレイアウトの違いとは?

 KDPから登録してアマゾンストアに電子書籍を並べる際の注意点としては、固定レイアウトとリフローレイアウトという独自の概念による影響がかなり大きいということです。固定レイアウトとは、漫画作品のように画面が画像でできていて、ページごとに一定のレイアウトで表示される形式のこと。リフローレイアウトとは、小説作品のように、読者様が端末を操作することでフォントのサイズや行間を変更することができる可変の形式のこと。これは登録する時点で選ぶ必要があります。

kindleが発売された当初、固定レイアウトの作品を作ることがなかなか難しい状況がありましたが、最近では各種のノウハウが出揃い、それほどでもなくなってきました。自動化するツールなども増えてきているので、おすすめのものを紹介していきます。実際に試してみて使いやすいものを選んでいただければ幸いです。創作家それぞれによって、実際に作成する際の状況や事情は異なるだろうと思います。

・「KindleGen&Kindleプレビューツール」

 アマゾンが提供しているコマンドライン動作のepub→mobi変換ソフトと、mobiのプレビュー表示ソフト。前者は主にコマンドラインの操作でepubからmobiファイルを生成できる。後者はmobiファイルのプレビューソフトだが、実際にはepubファイルをこのソフトにドラッグ&ドロップすることで簡単にmobiを生成できるので、プレビューツールがおすすめだ。KindlePaperwtiteやKindle Fire HDといった端末の種類を指定して表示をシミュレーションすることができる。公式のツールであるため、epubファイルまで作成できたらこのソフトでmobi化するといいかもしれない。アマゾンにmobiファイルを納品することで、アマゾン側での予期しない変換エラーを防ぐことができるだろう。
https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/help?topicId=A3IWA2TQYMZ5J6

・「Sigil」

 epubファイルを直接編集できるソフト。癖があるが、インストールしておくと便利だろう。epubファイル自体は、後述する別の方法でも直接編集できる。今すぐに編集しないまでも、簡単にファイルの内容を確認することができる。
http://code.google.com/p/sigil/

・「Calible」

 こちらも、epubをmobiに変換したりプレビューしたりすることができるソフト。プレビューツールで機能が不足しているようであれば、インストールしていろいろと試しながら実際に使ってみるといいだろう。
http://calibre-ebook.com/

・「AozoraEpub3 - 青空文庫epub3変換」

 青空文庫というアーカイブサイトの記述フォーマットである「青空記法」で編集したテキストデータを、同じ青空文庫が提供するこのソフトで、高機能にepubファイルに変換することができる。あとは上述の別のソフトでmobi化すればいい。最近ではリフローレイアウトの作品だけでなく固定レイアウトの作品にも対応したようで使いこなせば非常に強力。青空記法を駆使すればルビを振ったり、その他にもいろいろと高度な編集をすることができる。小説データをシンプルにepubファイルにする際にももちろんおすすめ。
http://www18.atwiki.jp/hmdev/pages/21.html

・「かんたん電子書籍作成」

 ブラウザでテキストデータをepubファイルに変換することができるページ。機能がシンプルで分かりやすくて大変おすすめ。上述の青空変換と同じようにタグを使っていろいろな編集を行うこともできる。最近では固定レイアウトの作品にも対応したようで使いこなせば非常に強力。このページを使って非常に多くの電子書籍作品が生まれ、アマゾンストアに並んでいる。同人創作に理解のある元編集者の方が開発しており、ソフトの改良なども随時行われているようだ。「創作文芸見本誌会場 HappyReading」も運営されている。
http://books.doncha.net/epub/

・「創作文芸見本誌会場 HappyReading」

 同人創作のなかでも、創作文芸というジャンルに力を入れている見本誌登録サイト。こちらは「紙の本を少なくとも同人誌として出版している作品」のみ登録できる。つまり、紙の本さえ作っていれば電子書籍を平行して作っていても問題ない。同人創作をしていて、紙の本と電子書籍を両方展開している場合こちらに登録しておくといいだろう。非常にたくさんの魅力的な作品が登録されている。立ち読みもできるので内容が分かりやすいことが特徴。
http://books.doncha.net/happy-reading/

・「VerticalEditor(解説ページ)」

 原稿用紙のような見た目とインターフェースで、そのまま執筆できるソフト。ありそうでない機能をしっかりと提供しているのでおすすめ。動作も軽い。
http://kumacrow.blog111.fc2.com/blog-entry-733.html

・「一太郎2013玄」

 日本語ワープロソフトとして非常に歴史のあるソフト。執筆はもちろん最近では直接epubやmobiファイルを書き出すことができるようだ。このソフトを使いこなせば、最終成果物であるmobiファイルまで出力できるのだから非常に強力でシンプルな環境となるだろう。リフローレイアウトだけでなく固定レイアウトにもどこまで適応できるか今後大変注目のソフト。ちなみに上述のパブーと連携しており、このソフトを持っているとパブーの一部料金(PDFやepubのアップロード)が無料になるキャンペーンが随時行われているようだ。両方の環境を使用する人にとっては大変お得だろう。校正の機能も充実しており、誤字や用法の間違いなどを高い精度で推敲することができる。
http://www.justsystems.com/jp/products/ichitaro/

・「文学フリマ」

 いわゆる創作文芸という界隈において最大クラスのイベント。基本的には年二回開催される。紙の本を頒布するイベントだが最近では電子書籍への進出を考え、あるいはすでに実践している創作者も多くいる。すでに十五回以上開催されており歴史と実績のあるイベント。こだわりのある高いクオリティの作品が並ぶ会場の光景は壮観である。一般参加者として本を物色するだけでも非常に楽しめるのではないだろうか。今後非常に期待のできるイベント。電子書籍を作ろうと思っている創作者であっても、創作文芸の同人誌という界隈のノウハウは大変役に立つはずなので、ぜひこうしたイベントに足を運んでみていはいかがだろうか? コミケットやコミティアといったイベントとは一味違った、まさに本好き! といった盛り上がりが堪能できるだろう。
http://bunfree.net/

・「第15回文学フリマ 小説棚」

 上述の第十五回文学フリマで頒布された同人誌の一部を、詳細に解説したページ。どんな作品が頒布されているのかの参考になるだろう。上述の創作文芸会場 HappyReadingと同様作品の内容を紹介するコンセプト。
http://matome.naver.jp/odai/2131955445556904901

・「さっかつ」

 上述の文学フリマ関連情報だけでなく、小説総合情報サイトとして、いろいろな情報を掲載しているポータルサイト。第十六回文学フリマにおいては、参加者が詳細な情報を登録できるリストを提供。商業作品のランキングや新人賞の詳細情報なども掲載されているので大変おすすめのサイト。
http://www.sakkatsu.com/

・「コミティア」

 オリジナルオンリーの同人誌頒布イベント。漫画作品だけでなく小説作品も需要があるがやはり漫画優勢か。いろいろな企画を作って盛り上げている動きもあるようで大いに期待できる。二次創作が存在しないため、オリジナル作品に思い入れを持ち注力している人にとってはチャンスといえる。噂では、編集者が巡回して、電子書籍などに使えそうな作品がないか探しているという。実際にコミティアから商業媒体に掲載される同人誌はあるようだ。なぜならオリジナルであるため使いやすいのではないだろうか?
http://www.comitia.co.jp/

・「コミックマーケット」

 日本で最大クラスの同人誌頒布イベント。こちらは、二次創作の作品でも頒布できる。漫画が優勢ではあるが「創作島」と呼ばれる創作文芸の界隈が徐々に勢力を拡大しつつあるようで大いに期待できる。メンバーは上述の文学フリマやコミティアの参加者と被っていることも多い。年間でこうした各種のイベントをはしごするのは相当の猛者だ。ぜひ作品をチェックしてみよう。
http://www.comiket.co.jp/

・「そうさく畑」

 創作系オンリーの漫画小説同人誌頒布イベント。上述のコミティアと同じコンセプトだがこちらは関西で開催されている同人誌即売会で最古の歴史がある。第十六回から始まった文学フリマin大阪も、関西エリアでの開催が継続されていく可能性もある。関西での創作文芸という盛り上がりが活性化することに大いに期待できるだろう。
http://sousakubatake.jp/

・「pixiv」

 従来からイラスト登録とSNSのサイトとして非常に大きな人気を誇っていたサイト。最近になって小説の項目も追加され、賑わいを見せている。イラストを閲覧するために非常に膨大な読者様が集まっているため、そこで小説を掲載することによってアクセスを期待できる意味では非常にチャンスといえる。内容としては、独自性の高い、つまりpixivの読者様に対して特化したような内容が期待され、評価されているようだ。まずは人気作品を読んでみよう。もちろん、何ら影響されず、自分独自の内容を掲載してもまったく問題ない。
http://www.pixiv.net/

・「小説家になろう」

 上述のpixiv同様、サイトに特化した内容が支持されている、小説投稿とSNSのサイト。かなりの人気があるようだ。このサイトの読者層に特化することを指して「なろうネイティブ」という言葉も生まれたほどである。ネット小説を多くの読者様に読んで欲しいのならチャンスといえる。サイトの仕組みを理解して最適な作品を投稿するもよし、あえて自分独自の内容で勝負もできる。このサイトから商業化された作品も多い。橙乃ままれ先生の「ログ・ホライズン」もそうして紙の本として書店に並んだことで有名だ。
http://syosetu.com/

「ライトノベル作法研究所」

 ライトノベルに特化したノウハウが数多く掲載されたノウハウサイト。情報量が多いので参考になる。また、掲示板ではお互いの作品を読み批評し合う鍛錬掲示板もある。そこでの評価を気にするもよし、しないもよし。
http://www.raitonoveru.jp/