漫画業界におけるマーケティング
戦力の逐次投入って言う下策は旧日本軍の悪癖だけど、ビジネスの世界でもあまり変わらないみたい。http://d.hatena.ne.jp/bohemian_style/20100901/p1 意思決定に判子が多いところ、誰も責任をとろうとしない組織には難しい話だよね。
2010-09-04 00:34:03実は出版界でも似たような話があって、初版の数を抑える事に躍起になりすぎて販売機会を逃していると言う弊害が出ている。
2010-09-04 00:35:17印刷の世界でも当然一度にドカっと作った方が一冊当たりのコストは下がる。だから重版を重ねるというのは一見景気が良いことずくめのように見えて、戦力の逐次投入と同じ愚を犯していることがあるらしい。
2010-09-04 00:37:24売れて売れてしょうがない文句なしの重版と、これぐらいでいいよね!え?まだダメ?を繰り返すチキンな重版の二種類あるということ。
2010-09-04 00:39:09前者はウハウハだけど、後者は売り上げのうち確実に一冊当たりのコストがかさんで重版している割には…という結果になりやすい。ある程度の在庫を見込んでも多めに作った方が結果的には安くあがるんだけど、それが出来なくなっている。
2010-09-04 00:41:48もうひとつ、逐次投入型重版の弊害は、販売機会の損失。少なめに刷ってそれがあっという間に消化されてしまったとき、小売から要求が来てもぎりぎりの線を見込む初版数では在庫はからっ欠なので対応できない。
2010-09-04 00:44:33そうすると、今の流れの速い漫画売り場では勢いがあるうちに売り切らなければならないのにそれを指をくわえて見過ごすと言う事が往々にして発生する。そうすると、本来余裕を持って刷っていれば売り切っていたはずの何割増しかの部数を出せずに、初版のみでそれっきりと言う売り方の本になってしまう。
2010-09-04 00:47:42これは90年代以前にはあまりなかった傾向の機会損失のパターン。昔は新人の単行本でも週刊クラスなら3~5万部は当たり前みたいな感じだったのが、90年代後半あたりから部数が極端に絞られ始めた。
2010-09-04 00:50:11さらに言うと、3万部ぐらいを境に(漫画の場合)本屋に置かれる様子が変わる。これ以下の部数だと全国の小売に行き渡らなくなる。つまり存在すら知られなくなると言う事。
2010-09-04 00:52:24そうなると限られた売り場にしか本が並ばなくなるのでますます悪循環で販売機会は失われていく。下からマイナーな分野であればそれでもいいのだけれど、今はメジャーの週刊雑誌掲載作品の単行本でも5~7千部が初版と言うのは珍しくないそうです。
2010-09-04 00:54:35ちなみに当てずっぽうな話をしているわけではなく販売機会の損失による重版のチャンスを失うというのは自分の体験、初版部数の極端な締め付けは複数の週刊作家さんから聞いた・見たお話。逐次投入の愚もそう。
2010-09-04 00:59:37とある編集に、在庫を抱えると倉庫代がかかるからと言われた記憶が @macchiMC72 印刷の世界でも当然一度にドカっと作った方が一冊当たりのコストは下がる。だから重版を重ねるというのは一見景気が良いことずくめのように見えて、戦力の逐次投入と同じ愚を犯していることがあるらしい。
2010-09-04 00:44:34@macchiMC72 財務的に在庫になってしまったときのリスクをテークできなくなってきているんだとは思いますが、悩ましいですね……
2010-09-04 00:48:40@rayraylayerz あと、期をまたぐと、支出が計上されて収入がないというヤバイい状態になりますです。@rayraylayerz: とある編集に、在庫を抱えると倉庫代がかかるからと言われた記憶が @macchiMC72
2010-09-04 00:49:50@macchiMC72 増刷の判断ミスって在庫増やすとどうしてもリスク回避で諸般売り切り増刷なしって方向になりがちですよね・・・
2010-09-04 00:50:28@uchidahiroki @KAWARAsan @alf874 @rayraylayerz まさに在庫リスクを回避するための締め付けですよね。でもそれが逆に儲けの機会を失わせている例が目立ってきていると言う事です。でもやめられない悪循環。
2010-09-04 01:01:40だって知人の週刊作家さんの単行本なんか第一巻の初版が少なすぎて瞬殺。それから何回にもわたって千部単位の重版を繰り返し、その間半年近く品薄の状態が続いた挙句最終的には10万部を超えました。勿体無いにもほどがある(^^;
2010-09-04 01:07:40特に今の漫画業界では一ヶ月が勝負。それで売り切ったらよほどバカ売れしない限りはハイさようならと言うパターンが圧倒的。そういう売り方もあるとは思うけど、長く細く売るタイトルとのバランスが悪すぎると、供給と品質が全く追いつかなくなる。
2010-09-04 01:20:49結果が欲しければ博打も必要。安牌ばかりではジリ貧。分かってはいるけど、出版社の方も辛いところだとは思う。でも結局のところ停滞した情況を打開出来るのはリスクを背負う覚悟のあるものだけ…。
2010-09-04 01:25:44@macchiMC72 ネットで書評があがる昨今、たとえ話題性の瞬間風速は高かったとしても期間が短いため重版がリリースされるときには旬が過ぎてしまい既に売り時を逃してしまっているという悪しきパターンですね
2010-09-04 01:15:50@nu_wacky どちらかというとそれは出版社側が恐れるパターンですね。それが嫌なので、そこそこの売りあげの本なら売り切ったところで終わらせてしまう。
2010-09-04 01:29:40@macchiMC72はじめまして。ブログの方に記入しましたRIu.です。出版不況も手伝って出版社も小売店も大変だと思います。こういうときは、経済活動は萎縮しがちなんですね。本の業界も同じ事が言えると思います。その辺の英断ができる編集さんがいれば良いんですけど……。
2010-09-04 04:05:21@RIu_1 この場合、編集さんがいくら英断しても営業が首を縦に振らないとどうしようもないのです。前例主義が営業の原則ですから、なかなか思い切った初版数は実現しませんし、重版にも慎重になりがちです。
2010-09-04 18:04:36なるほどごもっとも。http://oharakay.com/archives/2189 元々出版社って商売上手ではないからなあ。漫画だって未だにアンケートはがきと言う方法以外のデータ収集法が無いのでマーケティングなんてとてもとても。
2010-09-07 14:30:32じゃあマーケティングをすればいいものが生まれるかと言うとそれは怪しいけど、少なくとも既に存在する「いいもの」を上手く売る力にはなると思う。
2010-09-07 14:32:45